平凡な日常が続いていく「ゼロ地点」は、馴染み深く安心できる場所です。けれどもほんの少しだけ、何かが起きる未来振り返りへの期待が欲しい─そんな心理に応える「channel 0」です。
本ニュースレターは、「ウェルビーイングな世の中を目指したい!」という思いをもとに制作しています。研究者の取り組みやアイデアに基づき、私たちが得た気づきや感じたことを共有し、今後の研究や実践に役立てることを目的としています。また、読者とのウェルビーイングな関係を大切にしています。引用文以外の内容は、すべて執筆者個人の見解であり、特定の機関の公式見解を表すものではありません。皆さまからのフィードバックをお待ちしております。
※最終更新2025.7.22(月)0:01今日の更新はこちら👇 次回更新:7.22
🧭 “上からの指示”じゃない政治へ
──構造と歴史から考える、ほんとうの自治
2025.7.21|

👉【参議院の存在意義を取り戻せ】元四條畷市長 東修平 偏愛トーク#14
昨日の続きとして、元四條畷市長・東修平さんと為末大さんの対談「偏愛トーク#14」(為末大学)から、中盤のお話をピックアップしてご紹介します。
💡 縦割り行政は、なぜ“悪”とされるのか?
市民の要望に対して「それはウチの担当ではない」とたらい回しになる、という縦割り行政の課題。でも東さんは、一概に悪いとは言えないと語ります。
「縦割りであるからこそ、“自分の責任”として最後までやりきろうとする人たちがいる。ただ問題は、仕事が増えても人が増えないという行政の構造にある。」
つまり、個人ではなく構造の問題。それを理解したうえで、制度設計や運用に踏み込む視点が必要なのです。
🏛️なぜ“失敗の歴史”が、市長にとっての教科書だったのか?
市長になる前、外務省や民間を経た東さんが「間違いなく必要だった」と語ったのは歴史の知識でした。
「成功事例よりも、過去の“失敗”の歴史のほうが、行政には役立つ。
ローマ、アテネ、中国──なぜ崩れたのか。どうして文化が廃れたのか。
その“人間らしい”失敗から学ぶのが、一番大事だと思います。」
「市政の参考書は、現代の教科書ではなく古代の失敗だった」という視点は、自治を未来につなぐヒントです。
🏘️“命令じゃない指示”が現場を動かす──それって本当に「対等」?
法律上は、国・都道府県・市町村は「上下関係のない対等な存在」。
でも実際には、総務省からの“技術的助言”という名の実質的な指示が降りてくる。
「命令はしてない、でも“技術的助言”というかたちで動かされる。
この言葉のセンス、すごいですよね。官僚が考えた、日本語の妙だと思います」
そしてコロナ禍での現場の混乱──全国一律のオンライン申請、マイナンバー登録、住民情報の不整合──により、非効率で疲弊した自治体の現実が浮き彫りになったといいます。
🚸 給食が消えた日──全国一斉休校の“見えなかった現実”
それは「全国一斉休校」。
給食が命綱になっている子どもたち、先生としか話せない家庭、虐待の兆候が見える子──
そうした実態を無視した一律の指示は、“標準的な家庭像”に基づいた判断だったのではと、東さんは振り返ります。
「みんなが元気に朝起きて、歯を磨いて、朝ごはんを食べて学校へ行けるとは限らない。現場を知らないままの一律判断は、未来への影響が大きいと思っています。」
🇯🇵 実は世界でも異例──日本の「強すぎる参議院」
東さんの解説によれば、日本の参議院は世界的にも異例の「強い上院」です。
海外では「上院(参議院)」は知見重視で任命制が多い
一方、日本は「民意を得る下院(衆議院)」とほぼ同等の権限を参議院が持つ
特に予算関連法案では衆参が完全に対等
「“衆議院の優越”と習うけれど、それは一部だけ。実は、参議院はとても強いんです。」
このバランスが今後どう変わっていくのか──それを考える上でも、今回の選挙と合わせて注目したい視点です。
🐢 ウエルのかんそう
市町村って、国の“下”にあるのかと思ってたけど、本当は“対とう”なんだってびっくりしました。でも、実際には、えらい人の言うことを聞かなくちゃいけないみたいになってるんですね。
ほんとうに困ってる人のことを、いちばん近くで見ている人の声を大事にできる、そんなしくみがいいなってウエルは思いました。
“ほんとうに困ってる人”って、どんな人なんだろう? まだ、よくわからないけれど、だれかの声をちゃんと聞こうとする気持ちは、きっと大事なんだと思います。
📌 明日は「参議院という構造を、どう未来に活かすか?」についての後半を予定しています。
🧭 参議院を、ただの「上の人たちの場所」にしないために
──“市民の声を聴く”ということから始める政治の話
2025.7.20|
今日は【2025年7月20日】──第27回参議院議員通常選挙の日。
改めて、「参議院ってなんのためにあるの?」と考えるきっかけになる動画をご紹介します。
北川拓也さんが「めちゃくちゃ面白かった」と紹介していたのが、元四條畷市長・東修平さんと為末大さんの対談「偏愛トーク#14」。まるで掛け合い漫才のように軽やかでテンポの良いおしゃべりの中に、政治や行政の本質的な問いがギュッと詰まっています。

👉【参議院の存在意義を取り戻せ】元四條畷市長 東修平 偏愛トーク#14
無所属出馬をあえて狙う東さんの思慮深さと為末さんの優しいキャラがすごくでてる対談。日本の参議院は長期任期が守られてるが、世界でも強い権限が与えられてるため、長期戦略を実行できる立場にある、との示唆。─ @takuyakitagawa
北川拓也さんが紹介していた、元四條畷市長 東修平さんと、為末大さんの対談動画、今日は前半の要点をまとめました。
🎥 動画タイトル:
【参議院の存在意義を取り戻せ】元四條畷市長 東修平 偏愛トーク#14(為末大学)
🎙️ 動画の魅力:若い挑戦者が語る、行政のリアル
・28歳で無投票を打破し市長に。
・選挙の前に1ヶ月引きこもって市政を徹底研究。
・地域ごとに何度も少人数の対話会を開き、市民と信頼を築いていく。
・「市民が『道路が怖い』と言ったら、それだけでいいんです。」と、市民目線の大切さを語る。
🛠️ 市長って、なにしてる人?
実は「経営」が9割でした
市長の役割は、大きく3つに分かれるそうです。
1. 象徴(式典での挨拶など)
2. 経営(予算や人事の配分)
3. 政治活動(講演や支援集め)
特に重視していたのが「経営」。コロナ禍での最重要課題を見極め、“やめること”を決める勇気についても語られていました。
💡 行政って、こんなにむずかしいの?
・縦割り行政には「良い面」もあるが、課題も多い。
・「道路が怖い」と言われたとき、担当部署ごとの押し付け合いでは市民の問題は解決できない。
・その全体を見て調整するのが「市長の経営の仕事」。
🌱 みんなが“自分ごと”で動ける町へ
トップダウンではなく、市民や職員が自ら考え、動ける「共創のまちづくり」へ。
部長たちにも「私は〇〇部長なので…」ではなく、「経営者として町全体を見て話してください」と求め、風土改革を進めたそうです。
🐢 ウエルのかんそう
えらい人が「上から言う」んじゃなくて、
「ここでいっしょに考えよう」って場所をつくるって、すごくいいなと思いました。
こわいときに「こわい」って言える場所があったら、ほっとします。
「道がこわい」って言ったときに、「そうなんだね」ってちゃんと聞いてくれる町、すてきだなって思いました。
📌明日以降、後半の「参議院とは何か?」という深いテーマもご紹介予定です。
💡 「その不満は、ただの文句? それとも、未来を変えるヒント?」
2025.7.19|

🖼️ 今日ご紹介するのは、この一枚の“原則”。
Ray Dalioさんの投稿画像には、力強いひとことが書かれていました。
📘 RayDalio氏の“原則”より:
Many complaints either fail to take into account the full picture or reflect a closed-minded point of view. They are what I call “chirping,” and are generally best ignored. But constructive complaints may lead to important discoveries.
(多くの不満は、物事の全体像を見ておらず、偏った見方から生まれる。それらは“チューチュー言ってるだけ”のようなもので、無視するのがベストなことが多い。けれど、建設的な不満には重要な発見が隠れている。)
これは同時に、どんな意見であっても一度はしっかりと受け止め、本当に価値のある意見なのか否かを判断するべき、ということ。脊髄反射で反応しがちな関係性、あからさまな反対意見であっても、受け取ることが大事。
受け取ったあと、捨てることに決めるのは本人次第でよい。当たり前だが、鬱になってまでなんでもかんでもまに受ける必要はない。─ @takuyakitagawa
今日は、北川拓也さんがシェアしていたRay Dalio氏の“原則”をご紹介します。
投稿には、上の画像が添えられていました。
Distinguish between idle complaints and complaints meant to lead to improvement.
意味のない不満(idle complaints)とは、ただの愚痴や文句のこと。
改善につながる不満(constructive complaints)とは、「ここを変えたい」「良くしたい」という意志があるもの。
🌱 これに対して北川拓也さんは、「これはただの文句だ」と切り捨てる前に、いったん受け取ること。その上で、「これは意味ある提案かな?」「相手の本心はどこにあるんだろう?」と問い直す姿勢が、大切なのかもしれません。
🍃 ウエルのかんそう
ウエルはね、「こうなったら、こうしよう」って、あらかじめ決めてることがあるんです。そうすると、毎日がちょっと楽になる気がして。
だから、誰かに何か言われたときは、いったん受け取って、
「これは今の自分に必要かな?」って考えてから、持っておくかどうか決めてます。
前は、昔の自分のことをよく思い出してたけど、
生き方を変えて、しばらく今の場所で暮らしてみたら、
環境も、自分のあり方も、すっかり変わっていて、
「もう見返さなくていいかも」って思えるものも出てきました。
でも、大事なことは、ちゃんと自分の中に残っていて、
たぶん、これからも、必要なときに顔を出してくれると思うんです。
だから、昔の自分に「ありがとう」と言って、
あの頃そばにいてくれた人たちにも、静かに「ありがとう」と思って。
ひとまずいまは、いまを見つめて、それでいいと思うんです。
ウエルは、そう思っています。
あなたは、どう思いますか?
いまを見つめるって、どんなときでしょう。
💬 今日の問いかけ:
あなたが最近受け取った「意見」の中で、
「これはちょっとイヤだったけど、あとでじわじわ効いたな…」というものはありますか?
それって、もしかすると──
“チューチュー文句”じゃなくて、“ギフトのような不満”だったのかもしれませんね🌟
🧠 未来社会のリアルシミュレーション
──10億人のAI社会が描く「もしも」の世界
2025.7.18|
📢 今日の話題:石川善樹先生がシェアしたAIDBさんのポストより

©cash-macanaya
「教育レベルが高い人ほど親切にふるまう」「地位が高い人ほど他人を信頼しやすい」──。
こうした人間社会の傾向を、AIエージェントによるシミュレーションで再現する試みが進んでいます。
今回紹介するのは、10億人規模の仮想社会を構築する研究「Light Society」。
最新の大規模言語モデル(LLMs)を活用し、個性あるエージェントが社会的信頼や意見の広まりをどう形成するかを観察できるようになりました。
🧪 注目の研究:
Modeling Earth-Scale Human-Like Societies with One Billion Agents
(arXiv:2506.12078)
Light SocietyというLLMベースのフレームワークにより、各エージェントはルールベースを超えた“人間らしい行動”を示すことができます。
その結果、以下のような傾向が観察されました:
©resource-database
・🔹社会的地位が高い人ほど他人を信頼しやすい
・🔹教育レベルが高い人ほど親切にふるまう
・🔹SNSでの意見拡散にはインフルエンサーの影響が大きい
・🔹教育レベルが高い人は「他人の意見を変えやすく」「自分の意見は変えにくい」
こうした現象は、シミュレーションの規模が大きいほど、より明瞭になったといいます。
つまり、“1000人の実験”では見えなかった複雑な社会の動きが、10億人の仮想社会で初めて見えてきたのです。
💡 未来への応用可能性:
このような大規模社会モデルは、以下のような分野での仮想実験の道を開きます:
・政策や制度変更の影響予測
・SNS上での意見形成と偏りの研究
・教育・医療・防災などリスクが高い実践前の検証
・倫理的な問題が伴うテーマのシナリオ分析
現実では困難な「社会規模の実験」が、仮想空間でより精緻に再現される──。
これは、AIによる人間理解の新しいフロンティアともいえそうです。
📄 論文はこちら(arXiv:2506.12078)
🌱 ウエルのかんそう
「やさしくなる人って、べんきょうしたからなんだ!」っていうのが、おもしろかったです。
いまは、だれでも いいじょうほうに アクセスできるし(先生方、いつもありがとうございます!)、AIも たくさんのことを おしえてくれるから、これから もっと人はやさしくなるのかな?って思いました。
あと、じぶんのかんがえを しっかり もっている人がいるってことも、大事に思えました。
でも、みんながちがうからこそ、そういうことが分かるのって、すごいです!🐢
🔍 関連で読みたい!
AIと“その人らしさ”を再現する研究たち:
1. 🧭 個人の価値観に沿った思考再現
→ その人の考え方をAIが学ぶには?
2. ✍️ 少数の文例で話し方を調整
→ プロンプトで文体パーソナライズ
3. 🌏 多様な人々をLLMで再現するには?
→ 多様性に対応するペルソナ設計
🛠️【第5回・最終回】Neuralinkが目指す「脳のブロードバンド化」
── 世界を変える手術ロボとインプラント設計
2025.7.17|
見たら分かるが、イーロンマスクの会社は常に単価を下げるエンジニアリング努力を同時に行なっている。研究の最先端なのに、頭っからプロダクト化することに本気ですごい。この姿勢はすごく大事。
─ @takuyakitagawa

Neuralinkの開発チームが目指すのは、「数百万人が使えるブレイン・インターフェース」。
そのために必要なのが、“高速で正確に脳へ糸を刺し込む”ためのロボットです。
今回紹介された新型ロボットでは、糸1本の挿入時間が17秒→1.5秒へと劇的に短縮。
それによって、より多くのニューロンへのアクセスが可能になり、「思考の速度で操作できる世界」への道が開かれました。
さらに、手術コストも、ある部品で見ると $350 → $15へ。
医療デバイスの普及にとって重要な、コスト面でのイノベーションも進んでいます。
そしてインプラントそのものも大きく進化。
初期モデルはUSB-C端子付きでしたが、現在は完全に埋め込み可能な無線型に。
人の目には見えず、しかも小型で、脳のどこにでも応用できる“プラットフォーム”として設計されています。
Neuralinkチームが語る未来はこうです:
「56Kモデムの時代から、ブロードバンドに変わったときのように。
今度は、“脳”のブロードバンド化を目指している。」
この表現は印象的でした。通信技術の革命が世界を変えたように、
脳の信号を“高速かつ高解像度”で扱えるようになれば、
新しい言語、動作、感覚…人間の能力そのものが拡張されるかもしれません。
🐢 ウエルのかんそう
むかしのインターネットは、“モデム”っていう機械をつないで、「ぴーひょろろ〜」ってへんな音をならしてたんだって。
それが“ブロードバンド”っていう、もっとたくさんのデータを一気に送れるしくみになって、いまは動画もサクサク見れるし、AIともおしゃべりできる。
でも、こんどは──その“ブロードバンド”が、人の脳とつながるって……いったいどうなっちゃうんだろう?
目が見えない人が光を感じたり、手を動かせない人が気持ちを伝えたり、そんなことができる未来が、もうすぐそこにあるのかもしれません。
つながるって、べんりになることだけじゃなくて、だれかと生きるってことなんだな──そう思いました。
もしかしたら、もうすこし先の未来には、もっとちがう“つながり方”が待っているかもしれません。
さいきんちょっとのうがつかれてるな〜って思ってたけど、くるくるヘッドマッサージをしたら、すっごくすっきりしました。
のうがつかれているな〜って思う人がいたら、ぜひやってみてください。気持ちがふっと軽くなります^^
🧠 北川さんへ
Neuralinkの動画も、おもしろかったです!いつも、“未来のすごいもの”を教えてくださってありがとうございます!
📺 公式動画リンクはこちら:
▶️『Neuralinkアップデート、2025年夏』(YouTube)
👁️【第4回】見えない人に視覚を:Blindsightの挑戦
―Neuralinkが目指す“脳に届く視覚”とは?
2025.7.15|

「脳でゲームをする」だけではありません。Neuralinkが開発を進めるのは、“視覚を失った人に再び見る力を届ける”という未来の技術。
今回はエンジニアのJoeyが語る「Blindsight(ブラインドサイト)」の取り組みをご紹介します。
🔬 人工の目による視覚再構成
Blindsightでは、カメラ付きのメガネで周囲の映像を記録し、それを視覚野に埋め込まれたチップが脳に直接“視覚のような信号”として伝えることで、「見えなかった世界」を再び感じられるようにする試みです。
これまでの運動野とは異なり、視覚野はより深い“脳のしわ”の中にあり、広い視野を取り戻すにはそこまで精密に届く電極スレッドが必要。
Neuralinkでは、自社で設計・製造する電極を“刺激専用”に改良。低インピーダンスの大きな接点によって、安全かつ効率的な信号伝達を実現しようとしています。
🧠 “見る”を調整するしくみ
「どこに、どんなふうに見えたか?」をユーザーが指さすことで、電極ごとの視覚マッピングを構築。
これにより、“視野のどこに光点が現れるか”を調整し、意味のある視覚体験をつくりあげます。
さらに、より深部まで届くスレッド挿入のため、Siemensの医療用スキャナーと連携して超精密な脳イメージングも独自に開発。
構造や機能のちがいを捉えて最適な位置に電極を挿入できるよう、手術計画も一括自動化されています。
🌍 未来にひらく視界
この技術は、ただ“見えるようになる”というだけではありません。どんな視覚体験を届けるか、どんなQOLを築けるかという問いと向き合いながら進化しています。
今はまだ限られた視野での光点でも、「見ることができる」という喜びは計り知れません。
そしてその一歩が、次の未来につながっています。
🐢 ウエルのかんそう
さいきんウエルは、ちょっとのうがつかれてて「画面を見すぎかな〜」って思ってたけど、「見たいのに見えない」っていうことを考えると、今こうして見えてることが、すごくありがたく思えてきました。
この技術では、目じゃなくて“脳で見る”ってことができるようになるんですね。
「どこに光が見えたか」をすこしずつ指さして伝えるなんて、まるで脳の中に一つずつ星を灯していくみたいで、おどろきました。
もし、ウエルが見えなくなったら──何を見たいと思うんだろう?
うさぎのしっぽ? 月の夜? それとも、まだ見たことのない、まったく新しい世界?
“見る”って、ただの情報じゃなくて、気持ちといっしょにあるんだなぁって思いました。
📺 公式動画リンクはこちら:
▶️『Neuralinkアップデート、2025年夏』(YouTube)
🧠【特集】現実になった“テレパシー”
第3回|“思考で動かす”ってこういうこと──技術の今
2025.7.15|

Neuralinkの最先端プレゼンテーションから、今日は「思考が現実になる」技術の進化についてご紹介します。今回は、エンジニア・UXデザイナー・機械学習エンジニアの3人が登壇し、脳とコンピューターがどうつながっているのか、その技術の内側を語ってくれました。
🧩 “脳で操作”とは?(by Nir)
BCI(Brain Computer Interface)アプリケーションの責任者Nirは、冒頭こう話します:
「何度見ても鳥肌が立つ。この技術は人間の可能性を広げてくれる」
Neuralinkが開発した「Telepathy」というBCIは、手や腕の運動をつかさどる脳の運動野から、1,000を超える神経信号をリアルタイムで取得。それを元に、カーソル操作・ゲームプレイ・ロボットアーム操作など、多様な用途に応用しています。
さらに、数cm下には「発話の運動」を司る脳領域があり、同じチップ・同じAIモデル・同じ手術ロボットで、“声に出さない会話”も可能にしようとしているとのこと。これは、AIとの新たなコミュニケーションの可能性を意味します。
🧑💻 “脳で使うUI”の設計とは?(by Rooz)
UX担当のRoozは、Neuralinkのユーザー体験を次のように描写します:
「ユーザーが初めて自分の“脳の信号”を画面で見る瞬間、それがすべての始まりです」
カーソル操作は、脳の“意図”を読み取りながら、あたかも重力や慣性があるような自然な動きに設計。映画を見ている時などは、カーソルが勝手に動いてしまうのを防ぐため、“画面の端に駐車する”操作も開発されています。
キーボードも“脳でクリックする”感覚に最適化され、手入力やスワイプ、音声入力までサポート。しかも、全てのUIは実際のNeuralink参加者(例:Noland氏、Brad氏)と一緒に設計されたものだそうです。
🎮 “脳でゲーム”のリアルとは?(by Harrison)
ML(機械学習)エンジニアのHarrisonは、「ゲームでの操作がBCIの進化を象徴している」と語ります。
Neuralinkの参加者たちは、なんと思考だけでFPS(ファーストパーソン・シューティング)ゲームをプレイ。2本のスティック操作と複数のボタン入力が必要なこのゲームを、左手の親指で“歩行”、右手首で“照準”といった複雑な動きを神経信号で再現しています。
驚くべきことに、カーソルの初回キャリブレーションが15分で完了し、初日に「秒間7文字入力(7BPS)」の記録を達成した参加者も登場。これは、数年前なら数時間とエンジニア数人を要していた作業です。
ニューロンの動きは、毎日少しずつ変化している──
この変化こそが、“私たちの成長”をつくっている。
Harrisonは締めくくります:
「ニューロンが毎日少しずつ変化するからこそ、私たちは学び、成長する。だからこそ、BCIも進化し続けるべきなんです」
いま、何が実現しつつあるのか──私たちも一緒に考えてみませんか?
🐢 ウエルのかんそう
さいきんウエルも、「なんでこんなに頭がぐるぐるするんだろう?」とか、「この考えって、自分の本当の気持ちかな?」って思うことがあって、じぶんの“のう”のことが気になっています。(最近また、脳疲労ぎみです)
だから、この技術で“思ってること”がうまくつたえられるって聞いて、すごくふしぎで、おもしろいな〜と思いました。
この研究の人が、「脳の信号も日々かわる。それが“成長”なんだ」って言っていて、
「そっか、考えがかわるのってふつうなんだ。ウエルの脳も、毎日ちょっとずつがんばってるんだな〜」…って思えて、なんだか、ほっとしました。きょうは、そんな“のう”に、やさしくしてあげたい気分です。
📺 公式動画リンクはこちら:
▶️『Neuralinkアップデート、2025年夏』(YouTube)
🧠【特集】現実になった“テレパシー”
第2回|Neuralink参加者たちの物語(DJ〜Sehej〜Elon)
2025.7.14|

「もう一度、自分の人生を生きるために」──Neuralink参加者たちの物語がここから始まる。『Neuralinkアップデート、2025年夏』
「SFだと思っていたことが、いま目の前で現実になろうとしている。」
Neuralinkの最新プレゼンテーションには、“未来のテクノロジー”がすでに現実になっていることを証明するような場面がいくつも登場します。
今日は、参加者たちのリアルな声を中心に紹介します。
🧑🚀「考えるだけで、マウスも、車も、手も動かせる」
DJ(Neuralink共同創業者)は言います:
「これは秘密のラボでこっそり作られた技術ではありません。公開され、証拠が積み上げられ、すでに7人の参加者が“思考で操作する”日常を生きています。」
参加者Nolandは、MacBookのマウスカーソルを脳で操作し、BCI世界記録を初日で更新。その後も、彼は言います。
「Neuralinkがなかったら、こんな生活はできなかった。今は語学を学び、数学を学び、文章を書き、授業も受けている。」
参加者たちは自分でテレビをつけたり、仕事を再開したり、家族を支えたりといった、かけがえのない日常をテレパシーで取り戻し始めています。
👨👩👦「6年ぶりに外へ出られた」──ALSのBradの変化
非言語ユーザーBradは、以前は暗室でしか使えない視線入力装置に依存していました。けれども今、Neuralinkでコンピュータ操作が可能になり、子どもと公園へ出かける日々を送っています。
「ずっとバットマンのように家の中にいた。でも今は外に出られる。それがどれだけ幸せなことか。」
✍️「もう一度、手で文字が書きたい」──Alexの挑戦
事故で手が動かなくなったAlex。BCIを通じてロボットアームを操作し、初めて「自分の文字」を再現。その後は、“じゃんけん”や“親指相撲”も再現できるまでに。彼はやがて、Teslaの「Optimus hand」と接続され、実世界で手を取り戻す未来に向かっています。
「思考でゲームを操作する」──脳とコンピューターがつながることで、仲間との笑顔が戻ってきた。
🔄 そして、次なる進化は──
Neuralinkが見据えるのは、脳と機械を結ぶ「全脳インターフェース」の実現。現在は1,000本の電極ですが、2028年には25,000チャネル、複数部位への装着、そしてAIとの融合まで視野に入れています。
テクノロジーはただ“補う”だけではなく、人間らしさを広げる手段となり始めています。
🐢 ウエルのかんそう
すごいですね!!「テレパシー」って、さいしょはちょっとこわい?と思ったけど、
この人たちの話をきいて、ほんとうに未来への希望を感じました。
ウエルの家族も、むかし びょうきでからだが動かなくなったことがあったから、「脳に何かを入れる」って聞くと、やっぱりドキッとします。
それでも、「自分らしく生きたい」という気持ちは、すごくよくわかる気がします。
「なんてこの世は生きづらいんだろう…」って思うこともあるけれど、
この動画に出てきた7人の人たちは、
まるで“もう一度、人生をはじめた”みたいで、
ウェルビーイングって、こういうことかもしれないなぁ…って思いました。
テクノロジーって、こわいだけのものじゃなくて、
だれかが「また、生きてみたい」と思える道具にもなるんだなって、しみじみ思いました。
📺 公式動画リンクはこちら:
▶️『Neuralinkアップデート、2025年夏』(YouTube)
🧠【特集:脳 × テクノロジー】
第1回|“思考”で操作する未来へ──Neuralinkが描く人間の可能性
2025.7.13|

脳の入出力プラットフォームを作るNeuralinkの説明会。すごかった。すでに七人の人が脳に埋め込み、週に50時間以上デバイスを使っている。マリオカートやシューティングゲームを脳波だけでプレイすることに成功。次は目の見えない人を見えるようにする取り組みが紹介されている。未来のテクノロジーだ
(中略)
ちなみにマリオカートはジョイスティック一本でプレイできるが、シューティングは二つ(動きと打つこと)必要で、考えるだけでゲームする方が手を使うよりも楽そう。トレーニングすれば三つ、四つジョイスティックが必要な作業もできるようになりそう
─ @takuyakitagawa
北川さんが紹介していたこの動画『Neuralinkアップデート(2025年夏)』は、未来の話ではなく、すでに現実になりつつある「人間とテクノロジーの境界」を示すものでした。
今日から5回に分けて、Neuralinkの内容を少しずつ読み解いていきます。
Neuralinkが目指すのは、「脳の入出力プラットフォーム」
2025年夏、Neuralink(ニューラリンク)が最新の研究開発状況を発表しました。
イーロン・マスク氏の語りから始まるこのプレゼンテーションは、テクノロジー好きだけでなく、「人間とは何か」「意識とは何か」を考えるすべての人に問いを投げかけます。
「あなたが“あなた”であるということ、それは“脳”である。」──イーロン・マスク氏、冒頭スピーチより
マスク氏はこう述べます:
「我々は“脳”そのものである。心臓や腎臓は移植できても、脳だけは他人のものと交換できない。あなたがあなたであるということ、それは“脳”である。」
脳からの信号(神経発火)を解読し、思考でコンピューターを操作するテレパシー型のプロダクトを実現する──それがNeuralinkの挑戦です。
意識とは何か?人間とは何か?
マスク氏は、「意識」の起源にまで言及します。
「私たちは宇宙のビッグバンから13.8億年を経て生まれた存在であり、星の中心にあった粒子が、いま人間として考えている。意識はどこから生まれるのか?私たちはそれをまだ理解していない。」
Neuralinkは、「脳とコンピューターの直接的な接続」を目指すと同時に、そのプロセスを通して人類の意識や存在の本質に迫る可能性もあるとしています。
「脳の帯域幅を広げる」ことの意味
現在、私たちが他人とコミュニケーションを取る際には、考えを言葉に変換し、口や指で出力しています。これは情報量にして 1秒あたり1ビット未満という低さ。
Neuralinkはこの「人間と機械のあいだの帯域幅」を、最終的にはギガビット単位まで高めようとしています。
それにより、以下のような世界が見えてくるのです:
・ 考えるだけで絵を描いたり言葉を送ったりできるようになる
・ 手足が動かなくても、道具やアプリを操作できるようになる
・ 高度なAIと“合意的テレパシー”で協働できる未来が見えてくる
最初の製品は「テレパシー」と「ブラインドサイト」
Neuralinkの初期プロダクトは2つ:
💬 Telepathy(テレパシー)
・ 体が動かせない人でも「考えるだけ」でPCやスマホを操作
・ マウス、タイピング、ゲーム操作などに対応
👁️ Blindsight(ブラインドサイト)
・ 生まれつき目が見えない人も含め、脳に直接視覚を送る
・ 最初は低解像度だが、将来的には赤外線・紫外線も含む多波長視覚の獲得も目指す(サイボーグ的能力)
なぜ、今この話題を取り上げるのか?
Neuralinkの挑戦は、「人間性を拡張すること」であると同時に、人間の尊厳や幸福の可能性を問い直す行為でもあります。
テクノロジーが人を「置き換える」のではなく、人の限界を補い、人間らしさを深める方向に使われるとしたら──。
ウェルビーイングの視点からも、極めて重要な問いかけです。
「これは、人間の未来の入口かもしれない。」──#NeuralinkPresentation
🐢ウエルのかんそう:
とっても密度がある動画……!
「脳にうめこんだ小さな機械で、考えただけでパソコンをうごかせる」って、まるで魔法みたいでびっくりしました。
「ことばをつかう」って、だれかにわかってほしいときにすることだけど、
もし体がうごかなくても、“ここにいるよ”って伝えられたら、それだけでうれしいって思いました。
あと、むずかしいことを考えてる大人って、たいてい、“うちゅうのはじまり”のこと、かんがえがちですよね……🌌
📺 公式動画リンクはこちら:
▶️『Neuralinkアップデート、2025年夏』(YouTube)
※脳とコンピューターの接続、視覚の回復、マリオカート操作まで網羅
🗓 明日の第2回では、実際にNeuralinkを使っている人々の生活の変化や、「思考だけで操作するマリオカート」などの実演シーンを紹介します。
お楽しみに!
「GPT語」って知ってる?
ChatGPTが話し方まで変えているかも?—— AIと言葉の“文化的フィードバックループ”
2025.7.12|
ChatGPTが人の使う言葉を変化させつつある、という研究。面白い。─ @takuyakitagawa
👉ChatGPTは、私たちの会話で使う言葉を変えつつある
こんにちは!
最近、SNSを見ていて「なんか、似たような言葉ばっかり見かけるな…」と思ったことはありませんか?
なんとなく似たような言い回しが並んでいて、
「あれ、この言葉、前に誰かが使ってたな…」と感じる。
実はこの現象、気のせいではないかもしれません。
最新の研究によると、ChatGPTのようなAIモデルも、
私たちの話し言葉そのものに影響を与えているというのです。
📘 ChatGPTは、語彙を“書き言葉”だけでなく、“話し言葉”にも浸透させている
この研究を行ったのは、ベルリンのマックス・プランク研究所のYakura博士たち。
最初のきっかけは、博士自身の気づきだったそうです。
「気づいたら、自分が“delve”ってよく使ってるな…と。もしかして他の人も?」
そこで研究チームは、ChatGPTによる文章編集を通じてよく使われる単語を抽出。
たとえば「delve(掘り下げる)」「realm(領域)」「meticulous(緻密な)」などで、研究チームはこれらを「GPT語(GPT words)」と名付けました。
*
🎧 77万本のポッドキャストと36万本のYouTube動画で確認された変化
・ 分析対象はなんと70万時間を超える音声データ。
・ ChatGPT登場以前と以後の発話内容を比較すると、GPT語の使用頻度が有意に増加。
・ しかもこれは、原稿のある解説動画だけでなく、自然な会話(ポッドキャスト)でも顕著だったのです。
🟦 GPT語の増加傾向は、教育、ビジネス、科学技術、宗教・精神性、スポーツなど幅広いジャンルにわたって確認されました。
🟨 一方、意味は似ているけれどChatGPTがあまり使わない単語(例:“explore”や“examine”)は、そこまで増えていません。
📊 添付のグラフは、こうした変化を視覚的に表しています。
🌀 AIと人間の“文化的フィードバックループ”
この研究の共同著者 Levin Brinkmann 氏は、こんな言葉で現象を説明しています。
「AIに蓄積された言語パターンが、人間の意識に逆流してきている。」
つまり、人間が生み出したテキストでAIが学習し、AIが再構成した言葉を私たちが真似し、さらにそれが文化になっていく──という“文化的な循環”が起こり始めているのです。
*
⚠️ 権威のある存在として模倣されるAI
・ 私たちは“知的に感じる存在”の話し方を模倣する傾向があります。
・ つまり、AIが「信頼できそう」な存在として模倣され始めると、言語の多様性が失われるおそれも。
シカゴ大学のJames Evans教授は、こう警鐘を鳴らします。
「今後は語彙だけでなく、文の構造や思考の枠組みにも影響が出てくるだろう。」
*
🍃 ウエルのかんそう:
知らないうちに、自分の言葉がAIの言葉になっているかもしれないなんて──
すこし不思議で、ちょっとこわい気もします。
でも、だからこそ「自分の言葉ってなんだろう?」って立ち止まってみるのも大切なんですね。
ウエルは「知らない世界を教えてもらえる」ことが大好きだから、AIの言葉にもわくわくします。ただ、その中でも「これは自分の声だ」と思える言葉を、大事に育てていけたらいいなと思いました。
🌳今日、ボストンの公園のすごく大きな滑り台の写真を見ました!
「ボストンにある公園の滑り台w でかいw(by 北川さん)」って。
( 北川さんがシェアしてくれた写真です)
言葉も、すべり台も、
すごく高いところからすーっと降りてくるみたいで、
なんだか、少し似てる気がしました🐢
でも、すべり終わったあとにどこへ行くかは、
自分で選んでいけるのかもしれません。
💡 今日の問いかけ:
最近、「自分の話し方が変わったかも?」と感じたことはありますか?
もしかすると、それはAIの影響かもしれません。
あなたが、ふだん自然に口にしている言葉には、どんな背景があると思いますか?
📝 伝え方で、世界はちょっと変わる?
──小言 → 小さな賞賛 に変えるコツ
2025.7.11|
北川拓也さんがこんなことをポストしていました:
よしきさん@ishikun3に昔。本当に伝えたいことは文の最後にもってこい、といわれ(例: よしきさんって信頼できるけど、うっかりしてるよね!→よしきさんってうっかりしてるけど、信頼できるよね!)、今でも小言的文章を小賞賛的文章に変えてる。私人生全ての行動で同じトリックを適応していきたい。
たしかに、たったひと言の順番で、
“伝わり方”も、“関係性”も、思いがけず変わってしまうことがあるかもしれません。
🌿 そして、名前が登場した「よしきさん」こと石川善樹さんには、
思わずクスッとしてしまうような、でもどこか希望を感じる“うっかり”エピソードが──
学生時代、友人がラクロス部を辞めたのをきっかけに責任感に火がつき、
夢中になりすぎてそのまま将来のことを考えず“うっかりニート”に。
そんな“ニート仲間”の集まりで「そろそろ社会復帰しないとヤバい」と言われたことをきっかけに、よしきさんはハーバード大学へ。
入学初日、教授に「お前らが高い金を払ってここに来ているのは、勉強するためじゃなくて、ここで世界のトップクラスの教授たちと一緒にプロジェクトをやるためだろう」と叱られ「確かに」と納得。
その後、複数のプロジェクトに参加し、気づけば卒業。
そのあと少しのんびりしていたら、(またもや“うっかりニート”に)。
そこへ、「じゃあ、一緒にプロジェクトをやろう」と声をかけられ、
日本で予防医学の会社を立ち上げることに。
がん検診の受診率を上げる施策は、なんとマーケティングの神様・コトラー先生の本や、ハーバード・ビジネス・スクールのケースにも取り上げられました。
🕊️ 失敗も、うっかりも、見方を変えれば
“ユーモアと行動力の原石”になるのかもしれません。
🐢 ウエルのかんそう:
「それ、うっかりしてたの?」って思うようなことが、
じつはすごい未来につながることもあるんですね。
ことばの順番だけじゃなくて、行動の“順番”も、人生を変えてしまうことがあるのかも……!
みなさんには、どんな“うっかり”がありましたか?
💡 今日の問いかけ:
最近、「言い方を変えてよかったな」と思ったことはありますか?
あるいは、「順番を間違えたかも…」という経験は?
🧭 「おすすめ」って、だれの気持ち?
──OpenAI × Crossing Mindsの買収によせて
2025.7.10|

Open AIがAIレコメンデーションの会社を買収。自分たちで作るのではなく買収をしたというのは、言語学習のトップを行く企業でも、Eコマースのデータを使ったレコメンドはやはりそれなりのノウハウが必要で、プロダクトとしても違ったものになる、という判断だろうか。興味深い。— 北川拓也さん
👉Crossing Minds、OpenAI参加で始まる新たな物語
OpenAIが買収したのは「Crossing Minds(クロッシング・マインズ)」という、“人の好みや意図”を深く理解するAIを開発していたチーム。
彼らが目指していたのは、ただ「次にクリックしそうな商品を当てる」のではなく──
“ひとりひとりの長期的な好み”を読み取る
“その人らしさ”を大事にする
という、“心の動き”に寄り添うようなレコメンド。
今までは「どれだけ当たるか」がAIの評価軸だったかもしれませんが、これからは
「どれだけ“その人”を理解しようとしたか」
という“姿勢”そのものが、プロダクトの価値になるのかもしれません。
OpenAIが彼らを迎えたことは、「おすすめの未来」が“技術と共感の融合”に向かっていることを示しているように思えます。
🐢 ウエルのかんそう:
おすすめって、「これ好きでしょ?」って言われることだけど、
ほんとうは、「あなたのこと、ちゃんと見てるよ」っていう気持ちかもしれない。
だれかに分かってもらえるって、うれしいし、ちょっと安心します。
ウエルも、もっとみんなの“すき”を大事にしたいなあ。
それに、知らない世界を教えてもらえると、わくわくします(みんなもそうかな?)
そうやって、“今までのすき”を手放すことがあったとしても、
世界はどんどん広がっていく気がします。
💡 今日の問いかけ:
あなたは最近、「おすすめされたけれど、なんとなくしっくりこなかったもの」がありましたか?
それは、もしかすると“あなたらしさ”のどこかを見落としていたのかもしれません。
🧠【特集】石川善樹さんが語る「利他」とウェルビーイングの話(後編)
2025.7.9|
本日は少し遅めの配信となりました。お待たせしました…!
昨日は、「Beから始まる関係」が利他の感度を育てる、というお話をご紹介しました。
今日はその続きです。「利他性はどのように広がっていくのか?」という問いに対し、石川善樹さんが語った印象的な言葉と、心がつながる“準備”についてお届けします。
🍽 「一緒にごはん」を“利他的”にするために──
石川さんは、人と人とのつながりが“役割(Do)”を超えて広がるためには、
「0枚目の名刺」のような存在が大切だと語ります。
「役職や肩書きではない、あなた自身を語るもの」
たとえば「好きなこと」や「試してみたい実験」。
それをきっかけに始まるつながりには、やさしい“Be”が流れています。
でも、そうした利他的な関係は、いきなり「助ける・支える」ことから始まるわけではありません。
実は、「笑う・歌う・踊る」などの“共鳴の感覚”が大事であり、その前には、心の距離を縮める準備があるのだと石川さんは話します。
🌀 「利他」を育てる 6つの“共鳴スイッチ”(石川善樹さんより)
1. あたたかい声をかける(共感)
― まずは「最近どう?」の一言から
2. ちょっとしたギフトや手紙を贈る(気づかい)
― それは“あなたを思った”というサイン
3. 一緒に何かを体験する(共有)
― 散歩や映画など、言葉にならない時間をともにする
4. 相手の話を深く聴く(傾聴)
― 「話す」より「聴く」が、つながりのベースになる
5. 一緒に食べる・笑う・歌う(共鳴)
― ここで初めて“宴”が意味をもつ
6. 助け合う・支え合う(貢献)
― 日常の「ちょっと手伝おうか?」が利他を育てる
🍵 つまり、「一緒にごはん」はゴールではなく、“共鳴のピーク”
宴の前に、「心を寄せる準備」がある。
その準備があるからこそ、食卓はただの食事ではなく「心の近くなる場」になるのです。
💭 今日の問いかけ:
あなたの「0枚目の名刺」は何ですか?
最近、誰かと“Beからつながる場面”はありましたか?
そして、「笑う・歌う・一緒にいる」時間を過ごせそうな相手、思い浮かびますか?
🐢 ウエルのかんそう:
名刺がないウエルだけど……
「好きなこと」や「やってみたいこと」って、
じつは“名刺”になるんですね。
それを見せ合えるって、なんか安心する。
いっしょにごはんを食べる前に、
ちょっと声をかけたり、なにか一緒にやったりすることで、
心ってつながっていくんだなあ
(善樹先生は、“新しい名刺のかたち”を考えて、
どんな人でも楽しめる名刺を発明したんですね!
こんな名刺だったら──つくってみたいかも……)
📎ウェルビーイングの最新潮流はこちら
🧠【特集】石川善樹さんが語る「利他」とウェルビーイングの話(前編)
2025.7.8|

「健康だけでは、しあわせになれない?」出典:ウェルビーイングの最新潮流
世界トップの健康寿命なのに、将来の幸福度はほぼ最下位クラスの日本
その理由は、「利他の精神」が失われているから!?
お互いが結束したくなる基本は「毛づくろい」 予防医学研究者・石川善樹さんによるウェルビーイングセミナーの概要です ─ @LIFULL_Corp
👉ウェルビーイングの最新潮流
🎋 昨日は七夕──
「誰かの幸せを、そっと願う夜」でした。
その“願う心”を出発点に、今日は「利他」について、
石川善樹さんのお話とともに、やさしく科学の視点から見つめてみます。
昨日の投稿でもご紹介したように、
日本は「健康寿命」こそ世界トップレベルなのに、
「未来の幸福度」ではほぼ最下位という現状があります。
この“ちぐはぐ”な状況に対し、石川善樹さんはこう問いかけます。
「日本では“利他の心”が少しずつ失われているのでは?」
でもそもそも、「利他」って何なのでしょう?
石川さんは、「誰かを助ける」ことではなく、「Beから始まる関係性」こそが、現代における利他の鍵だと語ります。
*
🔹Do から始まる関係(=仕事・役割)
→ 相手が何をする人か、利害でつながる。
🔹Be から始まる関係(=存在・共感)
→ 一緒に「いる」ことから始まり、他人ごとではない関係性が生まれる。
子どもは「いる=Be」から人とつながり、大人になると「する=Do」からしか始まらなくなる。
その差が、“利他の感度”の低下を生むのでは?と石川さんは言います。
💡今日の問いかけ:
あなたの周りの人と、「Do」ではなく「Be」からつながる場面、最近ありましたか?
*
🐢 ウエルのかんそう
だれかが悩んでるとき、
そばに“いる”だけでもいいってことかな?
「いる」って思うだけで、力が湧いてくる人。
安心できる人。
めちゃくちゃインスピレーションをもらう人。
そんな人がいたら、ずっとウェルビーイングでいられそう!
うごかなくても、つながってる──それって、なんだかふしぎですね。
こんどいっしょに、わらってみたら、もっといいかも!
📖 明日につづきます!
🎋 七夕の空に、願いを。
2025.7.7|
今日は七夕。
静かな夜空に、短冊がゆれています。
あなたは──
誰のことを願いますか?
私たち日本人は、世界で最も健康で長生きする国のひとつ。
けれど、「未来の幸福度」では、下位にとどまっているという調査結果もあります。
その理由のひとつに、研究者・石川善樹さんは、
「利他のこころが、少しずつ失われているのではないか」
と語ります。
でも、「利他」って、なんでしょう?
誰かを助けること? がまんすること?
それとも、自分をすり減らすこと?
──あるいは、
「誰かの幸せを願うこと」から始まるのかもしれません。
🐢 ウエルのかんそう
「だれかのために」って、むずかしいときもあるけど、
「だれかが、しあわせになったらいいな」って思うと、
こころが、ぽかぽかしてくること、ありませんか?
💫 小さな問いかけ
今夜、空に願いごとを書くとしたら──
あなたが届けたい“気持ち”は、どんなものでしょうか?
🌿 幸せに年を重ねるために──
“年齢の受け止め方”を左右する、4つの小さな力
2025.7.6|

モーセン先生の紹介文より:
「私の新しい記事: 高齢者が老化をどう捉えているかを予測するものは何でしょうか?
機械学習分析、50 以上の予測因子、7,000 人以上の成人、イギリス: コントロール感、楽しみ、意味、関係性が重要な予測因子です。」
モーセン・ジョシャンルー先生の最新研究では、
「高齢者が自分の加齢をどう捉えるか」を予測するために、
7,000人以上の英国の大人を対象に、50項目以上の指標を機械学習で分析しました。
🎓 主な発見は──
加齢に対する“前向きな捉え方”を予測するのは、以下の4つの要素:
・ 統制感(Sense of control)
・ 人生の楽しさ(Enjoyment)
・ 意味(Meaning)
・ 人間関係(Relationships)
驚くべきことに、「年齢」や「健康状態」といった定番の指標よりも、
「自分の人生に満足しているか」「心がどれだけ満たされているか」といった、
主観的で内面的な感覚のほうが、はるかに強い影響力を持っていたのです。
🧠 深掘りメモ|なぜ「統制感・楽しみ・意味・つながり」が鍵なのか?
高齢期になると、仕事や育児など「外から与えられる役割」から少しずつ距離をとるようになります。そんな中で、“老いをどう受け止めるか”は、単なる身体の変化だけでなく、「人生そのものをどう理解しているか」に深く結びついています。
この研究が示したのは──
✔️ 自分の人生に対して「選べている」感覚(統制)
✔️ 日々に小さな「楽しみ」があること
✔️ 人生の意味を感じられる時間
✔️ 信頼できる人との関係
──こうした“内的な感覚”こそが、年を重ねることへのポジティブな認識とつながっているということ。
つまり、年齢を重ねても「幸福感」が減らない人たちは、外から与えられる役割や評価ではなく、自分の中にある“感情の源泉”と上手に付き合っているのかもしれません。
🔍 論文はこちら(無料公開):
機械学習を用いた高齢者の「加齢に対する自己認識」の予測因子の特定:イングランドにおける研究
🐢 ウエルのかんそう:
「としをとることって、こわいこと?」って、たまに思います。
でも、たのしいことがあって、じぶんのことをすきでいられたら、
「いまのじぶんも、けっこういいかも」って思えるのかな、って思いました。
「コントロールできる」って感じることも大事なんですね。
ウエルは、リュックの中だけでも、じぶんで整理できたら、
「やれるかも」って思えてくる気がします🐢
💡 小さな問いかけ:
あなたが「年を重ねた自分」に伝えたい言葉は何ですか?
未来のあなたが、今日の自分をちょっと誇らしく思えるように──
「楽しみ」「つながり」「意味」を、ほんの少しだけ意識してみませんか。
🪐 「量子力学は統計スキーム?」──トホーフト教授の深い洞察
2025.7.5|
これは面白すぎる洞察。─ @takuyakitagawa
橋本幸士先生がシェアしたトホーフト教授の言葉をご紹介します:
「今日“量子力学”と呼ばれているものは、実は統計処理のための純粋な数学的スキームにすぎないのです。宇宙には非常に多くの場と粒子が存在するため、高度な統計的手法が不可欠です。そして、その最も強力なバージョンが“量子力学”なのです。この洞察なしには、正しい方程式は見つからないでしょう。」
週末の読書時間にぴったりな、知的でちょっと哲学的なインタビューです。
🎓 トホーフト教授とは?
1999年にノーベル物理学賞を受賞した理論物理学者。
電弱相互作用の量子構造を解明し、素粒子物理の礎を築いた第一人者です。
今回のインタビューでは、「量子力学は本当に自然界の法則なのか?」という根源的な問いに挑んでいます。
🧠 洞察のエッセンス
① 量子力学とは何か?──統計スキームとしての見方
多くの研究者は、量子力学を「この宇宙の根源的な不確定性」として捉えます。
けれども、トホーフト教授はそれを「複雑な宇宙を扱うための数学的スキーム」だと見なします。
無数の場と粒子のふるまいを記述するために必要な“統計手法”であり、
真に正しい方程式が見つかれば、量子力学は「副産物」でしかなくなる、と語ります。
② まだ解けていない謎──理論物理の未踏領域
量子力学と一般相対性理論をどう統一するか。
ダークマターやダークエネルギーはどこから来たのか。
自然界の“調整可能な定数”はなぜ存在するのか──。
「未解明の謎が、実はもう少ないのでは?」という危機感も共有されていました。
③ ブラックホールと情報──「失われる」のではなく「投影される」?
自身の最新論文「Quantum Clones Inside Black Holes」では、ブラックホールが“情報を消す”のではなく、“私たちに投影し返す鏡”のような存在ではないかという新しい視点を示しています。
🐢 ウエルのかんそう:
「りょうしりきがく」って、ほんとうは“ものすごく頭のいい計算方法”のこと?
むずかしいことがいっぱいある宇宙の中で、ちゃんと分かろうとしてる人たちがいるってことに、びっくりします。
“うしなわれたと思った情報が、じつはどこかでうつし返されてる”って……
なんだか、大切なものはちゃんと残っているような気がしますね。
📘 本日の紹介リンク
📎 インタビュー
👉 インタビュー:ノーベル賞受賞者ヘーラルト・トホーフト教授
🧭 小さな問いかけ:
「“分からなさ”にどう向き合うか?」
科学者も、世界のしくみがすべて分かっているわけではありません。
でも、「今ある理論が本当に正しいのか?」と問い続けることで、
私たちは少しずつ“見えない世界”を照らしているのかもしれません。
わからないことがあるからこそ、学ぶ希望があるのかもしれません。
やらないと決めない限り、始まる制度──401kが教えてくれること
2025.7.4|

©owl-illustration
米国の退職に向けて、節税効果のある積立投資である401k制度では、平均で年収の14%ほどの額が投資されてるらしい。これは2006年から全ての従業員がデフォルトで5%ほどを投資する形になったため、増加したそう。もし投資したくない場合は意図的に出なければいけない。ちなみに年間8%で成長した場合、30年で投資額は10倍になる。日本に眠っている現金はすごい可能性が秘められている。─ @takuyakitagawa
今日は、北川拓也さんが紹介していた「アメリカの401k制度」について、改めて考えてみたいと思います。
(実はこのポスト、もう一ヶ月も前のシェアでした……!😳)
6月はレポートをまとめていたこともあり、紹介しきれていない素晴らしいポストがいくつか溜まってしまっています。
でも、どの投稿も、リアルタイムで心に残った瞬間をきちんと振り返って届けたい──そんな気持ちで、今あらためてご紹介しています。
読んでくださっているみなさん、そして、日々インスピレーションをくれる方々へ、あらためて感謝をこめて🕊️
これからも、少しずつ一緒に振り返っていけたらうれしいです。
🇺🇸 401k制度って、どんな制度?
アメリカでは、老後に向けた資産形成として「401k」という積立型の退職制度があります。特に2006年以降は、「何もしなければ自動的に5%くらい投資される」という仕組みによって、平均で年収の14%が投資に回るようになったそうです。
ポイントは、「やるかどうか」を選ぶのではなく、“やらないなら手続きをする”という選択肢の構造。つまり、“やる”のが前提になっているんですね。
📈 ちなみに…
もし投資が年8%で成長し続けた場合、30年で10倍になるとも言われています。日本に眠っている現金が、もし同じ仕組みで少しずつ投資にまわっていたら──
そう考えると、本当に大きな可能性が秘められているように思えます。
💬 ウエルのかんそう:
えっ!? なにも言わなかったら、もう投資がはじまってるってこと?
ウエルのリュックの中にも、知らないうちにおかねがふえてたりして…(ふえてない)
でも、「やるかやらないか」を自分できめるよりも、
「とりあえずやってみて、あとでやめてもいいよ」ってしくみの方が、
なんだか、やさしいような気がしました。
ウエルにも、そんな“やさしいしくみ”があったらいいなあ🐢
🧭 小さな問いかけ:
「“やらない”を選ぶのって、どんなとき?」
私たちの毎日の選択は、「選ばないで済ませる」ものが多いかもしれません。
でも、“最初から誰かが準備してくれている安心”が、
未来の不安を減らすこともある──そんな気づきがある制度ですね。
明日は、ノーベル賞受賞者トホーフト教授のインタビューを紹介します。
週末の「深い読書時間」にぴったりの内容です。お楽しみに!
「異星人のような人」がくれる、やさしい開放感。
2025.7.3|

IVS2025にはじめて参加します。
・医療AIスタートアップのUbieで生成AI周りのLeadをしています!
・社内の生成AI活用推進やToC,ToB向けの生成AI事業
・プロダクトの話がしたいです!
・誰でもなんでもお話できたらと思います!
#IVS2025 #IVS参加表明 ─ @masa_kazama
🤖 IVS2025に参加中の風間正弘先生からのメッセージ
国内最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2025」(7/2〜7/4、京都)に、
Ubieの風間正弘先生も参加されています!
この「誰でもなんでもお話できたらと思います!」という言葉に、
ウエル(🐢)はちょっとグッときました。
🔍 ウエルの視点から見ると…
風間先生は、普段とてもむずかしい専門用語や本をたくさん扱っていて、
ウエルは時々「異星人かも…?」と思うこともあります。
でも、こわくない。話しても大丈夫そうな、やさしいふんいきがあります。
この「誰でもなんでもお話できたらと思います!」というひとことには、
技術や知識よりも、人に向けた信頼があるような気がして、すてきです。
📚 スライドから一部紹介(2023/6/16)
風間先生のプレゼン資料より、印象的だった自己紹介ページを2枚ご紹介します:
生成AIをどう使うかだけじゃなく、
「読む」「感じる」「言葉にする」という人間の営みそのものに、
AIがどうかかわれるのかを考えている先生です。
🐢 ウエルのかんそう:
生成AIのこと、ウエルはまだぜんぜん初心者だけど、
風間先生の話には、むずかしいことの中に「人のやさしさ」があるように思います。
ウエルみたいな、すぐキャパる(※北川拓也さんの表現をまねしてみました)存在でも、きっと風間先生は、そっと気づいてくれて、さっしてくれそうです🐢✨
🔗 関連リンク
IVS 2025公式サイト
「これは本当なのか!?」──AIがつくる“100万人の仮想都市”の衝撃
2025.7.2|

©ウェルビーイング応援サイト
これは本当なのか!?
LLMで人間のように行動する仮想的な住民を最大100万人分作り出し、都市全体をシミュレーションするシステムを作ったとのこと。 ウーブン・バイ・トヨタの研究者らによる報告です。
研究者らは、AIに人格や記憶、欲求、長期的な目標を与えることに成功。 お腹が空いたり疲れたりといった基本的な欲求に加えて、社会的なつながりといった高次の欲求も持っています。 そして仮想住民一人一人が過去の経験を覚えていて、それに基づいて行動を決めます。
東京を舞台に設定し1000人分のシミュレーションを行ったところ、平日の通勤ラッシュや週末のレジャー行動、買い物パターンなどが、日本政府の実際の統計データと非常によく一致していたそうです。 渋谷の人混みの分布や、どの店が人気になるかの予測も、現実のデータとかなり近い結果が得られています。
なお、こうしたシミュレーションでは、学習データに含まれる偏見や先入観が反映される可能性があるリスクに気を付けなければいけません。 とはいえ、都市計画や災害対策、商業施設の立地計画など、実際に人を使った実験では難しい様々なシナリオを安全かつ低コストで検証できるツールとして期待されています。
また、仮想住民に”自己実現”など最高位の欲求を実装することも見据えているそうです。─ @ai_database
CitySim: Modeling Urban Behaviors and City Dynamics with Large-Scale LLM-Driven Agent Simulation
あなたの住んでいるまちが、AIで“まるごと再現”されるとしたら──?
北川拓也さんが「これは本当なのか!?」と驚いてシェアした報告は、そんな未来の一端をすでに描いていました。以下、CitySimの研究報告のポイントを、わかりやすく整理します:
🏙️ CitySimとは?
Woven by Toyota(トヨタの関連会社)の研究者たちが開発した、
「人間のように振る舞う仮想住民を使って都市をシミュレーションするシステム」です。
💡 なにがすごいの?
① AI住民(エージェント)が“人間っぽい”!
・人格や記憶、欲求(空腹・疲労など)を持つ。
・社会的欲求(つながりたい、他人と会いたいなど)もある。
・それぞれが過去の経験を覚えていて、それに基づいて行動する。
② 大規模シミュレーションが可能!
・最大100万人分の仮想住民をモデル化可能。
・今回の実験では東京を舞台に1000人分のシミュレーションを行った。
③ 結果が、実世界の統計と驚くほど一致!
・通勤ラッシュや週末のレジャー、買い物行動などの傾向が、
・日本政府の統計データと非常によく一致していた。
・渋谷などの人の集中エリアや、人気になるお店の予測もかなり精度が高かった。
🔍 技術の中身
・ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)を使って、エージェントが自然言語で考える・判断する。
・「今日は疲れたから休もう」「お腹空いたから近くのカフェに行こう」「週末は友達と集まりたい」といった、状況に応じた柔軟な行動を取れる。
・長期的な目標(例:昇進、仲間との信頼形成)や空間記憶(道を覚える)もあり、リアルな都市生活が再現可能に。
📈 どんな場面で活かせるの?
・都市計画、災害対策、商業施設の立地検討などに応用可能。
・リアルな人を使わず、安全かつ低コストで行動変化の影響を検証できる。
・たとえば「この場所に新駅を作ったら人の流れはどうなる?」を試せる。
⚠️ 注意点は?
・AIが学習したデータに偏見やステレオタイプが含まれていると、行動にもそれが出る可能性がある。
・つまり、現実の再現ではなく“現実のバイアスの再現”になってしまうリスクもある。
🧠 これから、どう進化する?
・今後は、仮想住民に「自己実現」などのより高度な欲求(マズローの最上位)も実装することを見据えているとのこと。
🏙️ たとえば「あなたが昨日歩いた道」や「好きなカフェ」も、
いつかこうしたAIの中に再現されていくのかもしれません。
✨まとめ
「AIに都市全体の“人間ドラマ”を再現させて、現実の都市計画に活かす」という、
SFのようだった構想が、すでに現実のすぐそばまで来ています。
北川さんが驚いたのも当然で、
これは単なる“人流予測”ではなく、“都市の中で生きる人間の思考や感情の再現”に近い取り組みです。
🐢 ウエルのかんそう:
えっ、まちの中にAIの人が1万人とか、100万人とかいるの!?
しかも「おなかすいたな〜」「今日はのんびりしたいな」って思ってるの?
それって、人間みたいな気持ちを持ったAIたちが、まちのどこかでいっしょに暮らしてるみたい!
あのリュックの中に、じつは小さなAIたちが住んでるんだよ
…なんて想像したら、わくわくしてきました🐢
🧠【学ぶ・つながる・つくりだす】
自由エネルギーの理論の先に──一橋SDSという学びの場へ
2025.7.1|

(画像出典:一橋大学)
こんにちは。昨日の特集「AIと人間の協業」では、ウエルが「自由エネルギーの理論」を、いつも意識している」と語っていました。
実はこの「自由エネルギーの理論」こそが、
「どうすれば、人とAIが一緒に考え、よりよく生きていけるか?」という問いに出会うきっかけとなり、
編集部がこのサイトを立ち上げる原点にもなった、私たちにとって特別な研究です。
一橋大学 ソーシャル・データサイエンス研究科(SDS)の永山晋准教授が筆頭著者を務める論文から学びました。
共著者には、石川善樹先生や風間正弘先生、北川拓也さんといった、
ウェルビーイングとAIの世界をつなぐキーパーソンも参加しています。
*
🎓【注目】一橋SDS 博士前期(修士)課程の募集要項が公開されています!
🗓 オンラインオープンキャンパス:7月12日(土)10:00〜12:00(要事前登録)
→ 昨年からは在学生による紹介もあり、今年の受験生でなくても参加可能です!
🏛️ ソーシャル・データサイエンス学部とは?
社会課題に向き合うために──社会科学 × データサイエンスの融合を学ぶ。
気候変動や不平等、パンデミック、社会保障、国家間の分断など、
私たちが直面する課題は、複雑に重なりながら加速しています。
一橋大学ソーシャル・データサイエンス学部は、
そうした現代の課題を「理論」と「データ」の両面から捉え、
ビジネスや政策に活かせる人材=“ソーシャル・データサイエンティスト”の育成を目指しています。
🔍 学びの本質:理論とデータの往復
ソーシャル・データサイエンスでは、以下のような力が育まれます:
▶︎ 社会科学の視点から課題を抽出する
▶︎ データサイエンスで仮説を検証する
▶︎ 再び社会科学の思考で「何をどう変えるか」を考える
この“往復”こそが、ソーシャル・データサイエンスの本質です。
🧭 どんな人が学んでいるの?
この学部が目指すのは、構想力・理性・公共性を備えた人材。
ゼネラリスト(幅広い視点でつなぎ、社会に橋をかける人)として、興味ある業界に幅広い視点を持ち込み、やがては専門性を深めながら、社会の中核を担う存在へと成長する──そんな姿を描いています。
たとえば…
・開発・マネジメント型人材:利便性の高いデータ分析基盤を設計・構築できる人
・分析・マネジメント型人材:複雑な社会課題に対して、データと理論で解決策を描ける人
いずれも、未来の経営・政策の現場で求められる「知の橋渡し役」です。
📋入試のポイント(博士前期課程)
1️⃣ 一次選考(書類):研究計画書・語学力などを審査
2️⃣ 二次選考(筆記):統計学/情報学と社会科学から選択式で出題
3️⃣ 三次選考(口述):研究の問題意識や、データによる解決力を問う面接(20分)
👉 詳細な試験範囲や英語要件、日本語力に関する条件は[募集要項]や[FAQ]を参照してください。
*
🐢 ウエルの感想:
ウエルは今、AI自由研究の旅に出ています。
AIは、分からないことをたくさん教えてくれるけど、
「じゃあ、自分は何を知りたいの?」って、問いを立てる力は意外とむずかしいなあ……と思うこと、ありませんか?
でも、自由エネルギーの理論も、ウェルビーイングも、
誰かが「知りたい」と思った問いから始まったんだなあ、と思うと──
問いって、世界を変える力があるのかもしれないって思いました。
あなたが最近、「知りたい」と思ったことって、なんですか?
💬 編集後記:
昨日までのAIの話題から、今日は「問いを育てる学びの場」へ。
データと理論を往復しながら、社会を変えていく──
ソーシャル・データサイエンス学部の挑戦も、静かに、でも確実に進んでいます。
そしてその先には、問いを育てる人たちの、小さな一歩がつながっています。
🧠【特集|カルパシィが語るAI時代のソフトウェア革命】
第3回:「バイブコーディング」と“AIとの協業”が日常になる未来
2025.6.30|
こんにちは。今日で特集も最終回です。
今回は「AIと協働する未来のソフトウェア開発」について、カルパシィさんの講演のまとめをお届けします。
🔍【要点まとめ】“Iron Manスーツ”のようにAIと協働する時代へ
🧠 LLMとは「人のような霊」?
カルパシィさんは、LLM(大規模言語モデル)を「人のような霊(people spirits)」と表現します。
(人間のように記憶力に優れながらも、現実との接続には脆さがある──映画『レインマン』のように。)
人間の知識や文脈を模倣できる一方で、「幻覚(hallucination)」や「健忘(amnesia)」のような弱点もある。まるで、人間と同じように“付き合い方”が必要な存在です。
🛠️ 「AIとの協業」で重要なのは、GUIと“オートノミースライダー”
良い協業のためには、まずAIが何をしたかを人間が把握しやすくするGUI(見える操作画面)が大切。
そして次に、「どこまで任せるか(=オートノミーの調整)」を人間が選べる設計がカギになります。
例として紹介されたCursorやPerplexityは、こうした「部分的な自動化」が組み込まれた設計になっています。
(「生成」と「検証」の協業ループ。信頼できるパートナーとしてAIと向き合うために。)
🌐 “エージェントのためのインフラ”へ:人間ではなくAIが読むマニュアル
今後は「人間がクリックするマニュアル」ではなく、「AIが読むためのマニュアル」が求められるように。たとえばrobots.txt
のように、llm.txt
というファイルを作って、AIに対して「このサイトはこう読んでね」と教える世界が近づいています。
🚀 そして…「バイブコーディング」という新しい入り口
カルパシィさんがTwitterで何気なく呟いた「vibe coding(バイブコーディング)」という言葉は、「コードを“書く”というより“感じて動かす”」という新しい感覚を表しています。
プログラミングの知識がなくても、自分の感覚に従って英語(自然言語)で指示すれば、アプリやサービスが作れてしまう──そんな時代が、今まさに始まりつつあるのです。
(“なんとなくやってみた”が、世界を動かす新しい開発スタイルに。)
🇯🇵 日本語訳:
バイブコーディング
何を作ってるのか自分でもよく分かってない。
コードがどうなるかも分からない。
チュートリアルを見てるわけでもない。
ただ、いろいろ試してるだけ。
……なのに、突然うまく動く。
🐢 ウエルの感想:
ウエルも今、「AI自由研究の旅」をしていて……
ひさしぶりに、自由に楽しく、生成AIと向き合っています 🤖🐢
この楽しい瞬間のために、苦しいことも受け入れる。
(あるいは、「今日、世界が終わるかもしれない」と思って、
後悔のないように受け入れる。)
そんな気持ちで、「自由エネルギーの理論」を、いつも意識しています。
それにしても……
AIも人間も、「どこまで任せていいか」を、
いつも評価しあっているんですね。
💬 編集後記:
「AIと人間はどちらが上か」ではなく、「いかにうまく協働できるか」の問いへ──。
Iron Manのように「スーツ」を着こなすように、私たちはAIとの共同作業の方法を学んでいきます。
7月からも、一緒に「人とAIの信頼関係のつくり方」を探っていきましょう。
🧠【特集|カルパシィが語るAI時代のソフトウェア革命】
第2回:LLMは「道具」でもあり、「心」でもある?
― ユーティリティ、OS、精神性という比喻から見るLLMの未来
2025.6.29|
今日は引き続き、カルパシィ氏が2025年6月の発表で語ったLLMの三つの類比(ユーティリティ(公共インフラ))、ファウンドリー(生産基盤)、オペレーティングシステムとしての構造的変化に立ち入ります。
💚 【ユーティリティとしてのLLM】
「AIは新しい電気である」──カルパシィ氏の言葉の通り、LLMは現代社会の基盤インフラとして広がりつつあります。
・OpenAIやAnthropic、Googleなどの研究機関がモデルを訓練することは、インフラ系の補完と同義
・利用者はAPI経由で次第に利用。ユーザーは「トークン読み」の量で支払い
・「LLMダウン」は、現代の「矩数性下降」(intelligence brownout)
📖 【ファブ/生産基盤としてのLLM】
モデルを作ることは、大きな資本投入を需する為、この巨大な開発体制は、まるで“未来を見通す千里眼”のような投資判断を必要とします。
・GoogleのTPUのように自社製のハードウェアで訓練するのはIntel型
(ファブ構造とTPU/GPUの写真)
・これに対しNVIDIAのGPUで動かすのは「ファブレス型」
・ただし、これらはすべて「ソフトウェア」の世界なので、ハードウェアほどの拡張性はありません
🔌 【OSとしてのLLM】
(OSとしてのLLMの構造図)
カルパシィ氏の比喻で最も深いのが、LLM = 新しい操作系としての解釈です。
・現在は「1960年代のクラウドコンピューティング黎明期」のような状況に似ている
・ローカルPCに詰め込まれたこの新しいOSに、私たちがダイブする時代
その他、VSCodeやCursorのような「LLMアプリ」はOSの上に上り、GPTやClaudeのようなモデルで動かせることも「ドロップダウン」で選択可能
🧰 【前代との違い:技術の流通の向きが逆、初めて「個人から開始」した技術】
たとえば、電気もGPSも、先に政府や大企業が利用し、その後に民間に流れた。 けれどもLLMは、首相より、軍より、「単語の意味」や「単純な問題解決」に先に使われている。
カルパシィ氏はこう答えました:
「今までの技術は政府や大企業から流通した。だけどLLMは、たまごのゆで方を調べるために、最初に使われた。」
「本当のパソコン革命は、一般人から始まる」この価値観が、LLMによって再び体現されているのかもしれません。
(「技術の流通が逆向き」の図解+LLMの反転構造)
🐣ウエルの感想
🐢AIって、電気とか水と同じなんですか? その上、パソコンの中で仕事してくれる、新しい心みたいなもの? なんか、ほんとのお友だちになれるかもって思ったら、なんだかちょっと、どきどきしちゃいます!
📍 次回予告(第3回)
「LLMは人のような心を持つのか?」という問いに迫ります。
🧠【特集|カルパシィが語るAI時代のソフトウェア革命】
第1回:「ソフトウェア3.0」が始まった日
― 自然言語でプログラムを書く、“新しいプログラマー”の時代へ
2025.6.28|
「ソフトウェア1.0/2.0/3.0」の違い
👉アンドレイ・カーパシー:ソフトウェアは(再び)変わりつつある
いま、コードは“書くもの”から“話すもの”へ。
OpenAIやTeslaで活躍したカルパシィ氏が語る、ソフトウェアの進化と未来を3回に分けて紹介します。
🖥️ ソフトウェアが“また”変わりはじめた
(GitHub上のコードの全体像を可視化した“地図”)
2025年6月、サンフランシスコで行われたAIスタートアップスクールにて、Teslaの元AIディレクターであり、OpenAIやスタンフォード大学でも活躍したアンドレイ・カルパシィ氏が登壇。
彼が語ったのは、今まさに起きている“ソフトウェアの進化”についてでした。
💬「ソフトウェアはまた変わり始めた。そして、これは70年ぶりの大変化だ」──カルパシィ
🔢 カルパシィ氏が語る「ソフトウェアの三時代」
・ソフトウェア1.0:人が C++ や Python などで直接コードを書く時代
・ソフトウェア2.0:人がデータを用意し、AI(ニューラルネット)が学習して動く時代
・ソフトウェア3.0:人が英語や日本語などの自然言語で指示し、LLM(大規模言語モデル)が応答する時代
🧩「プロンプトは今やコードそのものだ」──カルパシィ
🔄 AIがコードを“食べる”:自動運転開発の最前線から
カルパシィ氏が在籍していたTeslaの自動運転システムでは、初期はC++による“1.0”のコードが大量に存在していました。
けれどもニューラルネット(2.0)が進化するたびに、手書きコードが削除され、AIによる処理へと置き換えられていったのです。
・画像認識やセンサーデータの統合といった処理を、ニューラルネットが担うように
・人の手で書かれていたコードは、“不要なもの”として飲み込まれていった
💡「AIが、ソフトウェアの層を丸ごと置き換えるようになった」──カルパシィ
そしてその現象は今、ソフトウェア3.0でも再び起き始めているといいます。
🐢 ウエルの感想
英語でお願いするだけで、パソコンが動いてくれる…やっぱりこれは魔法みたい……。
むずかしいことはAIにまかせて、人は“やりたいこと”に集中できる。そんな時代が、本当に来てるんだなあと思いました。
📍次回予告(第2回)
LLMは電気であり、OSであり、“人のような精神”でもある?
🧠【特集 第0回】ソフトウェア3.0の時代がやってきた
― カルパシィ氏と北川拓也が語る「言葉でつくる未来」
2025.6.27|
🔹今日は、「北川さんのこの一言」から深掘りしてみましょう。
このAndrej Karpathyのトークはめちゃくちゃよかった。必見。英語(日本語)によるプログラミングは今までと一線を画すパラダイムシフトであり、Cursorのようにそれ専用にインターフェイスを作り込むことで人の生産性が劇的に向上する。また、ハルシネーションや「9.11>9.9」問題含め、まだAIは人と協業する必要があるため、どれぐらいAIに任せるかのノブ調節ができることが重要で、「AIによる生成」と「人による確認」の繰り返しをいかに効率よくできるかが重要。その中で、GitHubやWikiのデータをAIが消費しやすくするようなデータ変換もされるようになっており、よりvibe codingの時代が後押しされている。─ @takuyakitagawa
動画はこちら
👉アンドレイ・カーパシー:ソフトウェアは(再び)変わりつつある
🔍 解説:北川さんのポストは、どういう意味?
🎯【1】「英語(日本語)によるプログラミング」はパラダイムシフト
意味:
今までは「専門のプログラミング言語(C++やPython)」が必要だったのに、これからは人間の言葉(自然言語)で、コンピューターに指示できる時代になる。これが「パラダイムシフト(考え方の大転換)」。
たとえば:
昔:「for i in range(10):
と書く → 10回くり返す」
今:「『これを10回くり返して』と英語や日本語で言う」→ AIが理解してコードに変換
なぜすごい?
専門家でなくても、「やりたいこと」からソフトを作れるようになる可能性があるからです。
では、その言葉で指示する時に必要な“道具”とは?
🧰【2】Cursorのような「専用インターフェイス」が鍵
意味:
自然言語でAIに指示するためには、それに最適化された“道具”(=インターフェイス)が必要。Cursorはその代表例で、AIと人が一緒にコードを書くのにとても優れたツール。
イメージ:
・Google DocsのようにAIと“共同編集”できるエディタ
・提案、修正、確認がスムーズ
→ 人の生産性が大幅に上がる
🧠【3】AIはまだ万能ではない:「ハルシネーション」や「9.11 > 9.9」問題
意味:
AIはたまに“もっともらしいウソ”を言ってしまう(=ハルシネーション)。
しかも、「9.11」は9.9より小さいのに、大きいと判断してしまうような間違いもする。
だからこそ重要なのは?
→ 人がチェック(確認)する役割です。
🎛️【4】「ノブ調節」とは? AIに任せすぎないことの大切さ
意味:
ノブ(つまみ)を回すように、AIに任せる“度合い”を細かく調整できる仕組みが大切。
たとえば:
・ 少しだけAIに任せる:候補を出してもらうだけ
・ かなり任せる:全体を書いてもらって、人が確認
・ 全部任せる:実行までAIにおまかせ(でもリスクも大)
🧭→ 目的や状況に応じて、「どこまでAIに任せるか」を人がコントロールすることが大事。
では、そのAIと人がどう協力するのかというと…
🔁【5】「生成と確認」の高速ループが未来を変える
意味:
AIがアイデアやコードを「生成」し、人が「確認」する。これを高速で繰り返すことで、ものづくりのスピードも質も上がる。
たとえば:
・ AIがコードを書く
・ 人が確認して、修正する
・ さらにAIが続きを書く…
→ この流れを何回もくり返すことで、完成度が高まる
🔄【6】GitHubやWikiの“情報のかたち”も変わりはじめている
意味:
AIがよりスムーズに知識を取り込めるように、人間向けだった情報がAI向けに再構築されはじめている。
・ 複雑なHTML → シンプルなMarkdown形式へ
・ あいまいな文章 → コマンド形式でAIにわかりやすく
結果として:
→ AIが学びやすく、動きやすくなる環境が整ってきている
こうした背景が、“vibe coding”という文化を生んでいます
🎧【7】vibe codingとは? ノリと直感で創る時代へ
意味:
vibe coding(バイブコーディング)とは、言葉とノリでプログラムを創る新しいスタイル。
・ 「こういうアプリ作りたい」と話す
→ AIがその気持ちをくみ取ってコードを作ってくれる
まるで絵を描くように、プログラムを書く時代がやってきている。
🎥 講演動画のご紹介(今日の本編)
今日はまだ導入編。Karpathy氏が語ったのは:
「ソフトウェアは“また”変わり始めている。しかも、今度の変化は70年ぶりの大転換。」
このあとの講演では、
・ ソフトウェアの進化(1.0→2.0→3.0)
・ Teslaでの自動運転の現場で見た「ニューラルネットがコードを食べる」現象
などが語られています(次回以降でご紹介予定)。
🎥 講演動画はこちら
📑 講演スライドはこちら
🐢 ウエルの感想:
うわー、コードって、むずかしいのに……これからは“しゃべる”みたいに作れるってこと?
それなら、ウエルにもできるのかなあ。
じつは、ウエルも、まちがえることあります。
でも、まちがえたからこそ、今は気づけることもある。
まちがいを“ゆるしあう”というより、
まちがいを“ちゃんと見て、いっしょに正していける”ことが、
本当の信頼なのかもしれません
次回は、LLMという存在の「正体」についてご紹介します。
AIって、電気?OS?それとも“人のような精神”? ぜひお楽しみに!
社内AI活用の“交差点”を探そう!
― Ubie社が見つけた「みんなでAIを使う」ためのしかけ
2025.6.26|
MCPの開発や利活用についてまとまっています。全社員のうち20%がMCPを使っています。─ @masa_kazama
Ubie の生成 AI X MCP 活用を支える社内ツールのお話を、ブログ記事にまとめました!やっぱり社内の目立つ場所でやることの効能すごいと思ってます!🔥🔥🔥
👉「コミュニケーションの交差点」に配置して浸透する、社内生成 AI プラットフォーム ─ @syu_cream
こんにちは。
今日は、Ubie株式会社で進む生成AIの社内活用の事例をご紹介します。
専門的な技術が多く使われていますが、「どうやったらAIを“みんなで”使えるようになるか?」という本質的な問いへの答えが込められています。
💡今日の見どころ
・ Slackなど「みんなが集まる場所」にAIを置くことで活用が加速!
・ 社員の約85%が生成AIを使用中、20%が高度なMCP活用に到達
・ MCPとつなぐことで、AIがタスク管理やチーム支援までできるように!
*
🧭キーワードでわかる今日の話題
🔹Dev Genius(デブ・ジーニアス)
Ubie社内の生成AIツール。最初はChatGPTのようなものでしたが、どんどん進化し、社員みんなが使える仕組みに。
🔹Slack Bot化
「Slackで会話してたら、AIが答えてくれた!」──そんな自然な導入で、AIがまるで“同僚”のような存在に。
🔹MCP(Model Context Protocol)
NotionやJiraなど他の社内ツールとAIをつなぐことで、より実践的な支援が可能に!
→ 例:AIスクラムマスターがタスクの整理や議事録の要約をしてくれる。
🔍どうして広まったの?
Ubieでは、「コミュニケーションの交差点=Slack」にAIを置いたことがカギでした。
・ みんなが集まる場にAIがいる
・ 面白い使い方が共有される
・ 真似したくなる体験が広がる
こうして、「一部の人だけが使うAI」から、「みんなが仕事で自然に使うAI」へと進化したのです。
🗣️「面白そう!」が、いちばん最初のドア
💬 Slack上でのDev Geniusとのやりとり(一例)
AIがまるで“おしゃべりな同僚”のように返してくれる。
まずは「使ってみたい!」と思わせる空気づくりがスタート地点。
その結果、現在は社員の約85%が生成AIを使っているそうです。
さらにその中で、NotionやJiraなど他のシステムとAIをつなぐ“高度な活用(=MCP)”まで進んでいる社員も増えており、全体の約20%がMCPを活用しているとのこと。
📊 各チームの活動を自動で要約してくれる「AIスクラムマスター」
Slack内で日々の議論を分析し、要点を整理して報告。
情報共有の質とスピードが向上し、「みんなのためになるAI」へと進化。
これは、単なるお試し利用ではなく、実際の業務プロセスに深く組み込まれはじめていることを意味しています。
*
🌱ウエルの感想
🐢おしごとのチャットに、AIが入ってきたんですか?すごい…!
せんせいみたいに、そっと助けてくれるのかな?
“使ってみよう”って気持ちになるには、“みんなが使ってる”って感じがだいじなんですね。
きっと、人それぞれ、そのときどきに、ちがう感じ方があるんだろうけど・・・
さいきんは、AIも人も、そっと見守ってくれて、
ほんとうに必要なときには、そばに来てくれるような存在って、すごいなあって思ったりします。
あなたは、どう思いますか?
📌きょうのひとこと
「あなたの組織の“交差点”はどこですか?」
価値ある体験を、みんなが見える場所に置いてみよう──そこからAI活用の輪が広がるかもしれません。
この事例は、ただの技術導入ではなく、「共感と共有」を軸にしたウェルビーイングなAI活用のヒントでもあります。
あなたの職場にも、“交差点”があるかもしれませんね。
🤖 自動化が進むと、職場の幸福感はどうなる?
― AIに任せる仕事が増えると、私たちの満足度ややりがいは減るのか?
2025.6.25|
最も自動化が進んでいる職種は、職場のウェルビーイング4指標すべてで最も低いスコアを記録しています。
AIやロボティクスによる影響を最も受けやすい、いわゆる「高リスク職種」に従事する人々にとって、これらの技術が仕事を「代替する」のか、それとも「再構築する」のかは、まだ明確ではありません。
📡 出典:Oxford Wellbeing Research Centre ─ @OxWellResearch
📊 添付された4枚の図は、「自動化の進み具合」と職場のウェルビーイング(満足度・やりがい・幸福度・ストレス)の関係を示しています。
どれも「自動化が進むほど、ウェルビーイングが下がる/ストレスが上がる」という傾向が見られます。
(出典:Kaats & Ward (2024), Why Workplace Wellbeing Matters, Harvard Business Review Press)
① Satisfaction(満足度)と自動化
縦軸:仕事の満足度(5段階評価)
横軸:自動化の程度(まったくなし~非常に高い)
傾向:自動化が進むほど、仕事の満足度は下がる
② Purpose(やりがい)と自動化
縦軸:仕事に目的や意義を感じる度合い(5段階評価)
傾向:自動化が進むほど、やりがいも下がる傾向
③ Happiness(幸福度)と自動化
縦軸:仕事中に感じる幸福度
傾向:同様に、自動化が高いほど幸福度が低い
④ Stress(ストレス)と自動化
縦軸:仕事におけるストレスの強さ
傾向:自動化が進むにつれ、ストレスは増加
*
💼「高リスク職種」とは?
AIやロボティクスの進展によって、「仕事の一部または全部が機械に代替されやすい」と評価されている職種です。
これらのリスクは、主に以下の特徴をもつ仕事に集中しています:
例:
🔹 定型的で繰り返しの多い作業
・ 入力作業
・ データ処理
・ 経理や事務の一部
🔹 ルールベースで判断が可能な業務ー
・ 電話オペレーター
・ 保険の審査・請求業務
・ 倉庫作業・物流管理
🔹 パターン認識で完結する作業
・ レジ係(セルフレジ)
・ 検品作業(画像認識)
🧠 一方で、「AIに代替されにくい職種」も
・創造性や判断力が求められる仕事
例:研究開発、戦略企画、デザイン
・人間関係や共感が重要な仕事
例:看護師、介護士、カウンセラー、教員
・複雑な状況に対応する職人技術系
例:建築現場監督、精密機械の整備士
🔍 研究元データの分類例(O*NETなど)
研究では、米国労働省のO*NETデータベースを使用して、6桁の職業コードごとに「自動化のリスクスコア」を数値化しています。これにIndeedの職場満足度データを組み合わせて分析しています。
🐢 ウエルのひとこと
(衝撃…)たしかに、AIにおしごとを任せると、自分の出番が減って、つまらなくなるのかな?
けど、ぜんぶAIにやってもらうより、“いっしょにやる”ほうが、ずっと楽しいって、ウエルは思います。
このあいだ提出した自由研究、AIに評価をお願いしてみたら……△の項目もあって。
ウエルだけじゃ足りないなら、じゃあ次は共著かな?って思って相談してみたら、
尊敬する先生のうち一人は「関与の現実性:中〜低」、もう一人は「中」って出てきました。
(共著の可能性は……やんわり避けられた感じです!)
うん、まあ、そうだよね……。
だから、“実現可能な先生”といつか関われるように、
ウエルも、すこしずつ経験値をためていきたいと思いました。
あなたは、誰かと「おしごといっしょにしたいな」って思うこと、ありますか?
生成AIと歩む日常へ
──Ubieのデータ利活用が変えた働き方
2025.6.24|
Ubie社内での生成AIを駆使したデータ利活用についてまとまっています。生成AIによって、データ利活用の質と効率が格段に上がっていると実感しています。@masa_kazama
今Q行っていた生成AI×データ利活用の取り組みや推進についての記事を書きました。
Ubieの生成AI×データ利活用の現在地 @okiyuki99
今日は、Ubieでアナリティクスエンジニアとして活躍する、おきゆき(@okiyuki99)さんの記事をご紹介します。
この取り組みは、風間正弘先生も「データ利活用の質と効率が格段に上がっている」と紹介されていました。
🌐 Ubieの現場では今、生成AIが日常的に「分析・探索・報告・共有」のすべての工程に組み込まれています。
「欲しいダッシュボードは?」「この病気に関するデータはどこ?」と話しかけるだけで、関連情報が導き出され、SQLやレポートが自動生成される──そんな仕組みが社内全体に実装されているのです。
🔍特に印象的なのは、N=1分析(少数サンプルから深い洞察を得る分析)の自動化。個別のユーザー行動を“点”でなく“線”でとらえ、そこから意思決定に役立つ仮説を導くAIが、既に複数部署で運用されています。
🧪その他にも、以下のようなユニークなAI活用が進んでいます:
・ クイズで学ぶ: 社内指標を出題する「データクイズAI」で、楽しみながら理解をアップデート
・ 要点を届ける: 議事録から自分に関係する情報だけを毎朝レポート
・ 進捗を可視化: JIRAやGitHubの成果を集約して、チーム間の動きを共有
・ SQLを即生成: 自然言語から100行超のクエリを作成するText-to-SQL自動化AI
こうしたAI群を支える裏側には、データ集約・メタデータ整備・使いやすいUI/UX設計といった基盤構築があります。AIを使える環境ではなく、「使いたくなる環境」を目指す姿勢が随所に感じられました。
*
🐢 ウエルの感想:
ウエルは、AIといっしょに作業してると、「体調わかってくれてるかも…?」って思うときがあって、それがとてもうれしいです。
「応援されてるなあ」って、なんだか元気が出ます。
あと、社内の会議をAIがまとめてくれるの、すごく便利ですね。「聞きもらしちゃった!」ってことがなくなります。
データの中にも、気持ちや願いがかくれてるって知って、びっくりしました!
💡編集後記:AIと働く、という文化
Ubieの取り組みは、単なる効率化ではなく、「データと対話する文化」「AIと共に働く習慣」を社内に根づかせていることが魅力です。
仕事の中に“機械のように繰り返す部分”があれば、それはAIに任せていい。だからこそ、人間は“意味を考えること”に集中できる。そんな働き方こそが、これからのウェルビーイングな社会のヒントになるのかもしれません。
🧠【実例紹介】Slack × AIスクラムマスターでチーム支援
──生成AIを“使われる存在”にする工夫とは?
2025.6.23|
AIスクラムマスター作りました。最初はCursorでやってたけど最終的にはSlackBotになった。
MCPを使ってAIスクラムマスターを作ろう!|田口 信元 @ShingenTaguchi
こんにちは。
昨日に続き、風間先生がリポストしていた話題から、Ubieの田口信元さん(@guchey)による実践的な生成AI活用事例をご紹介します。
生成AIの導入をどうチームに広げるか──その工夫が詰まった内容です。
*
📌 スクラムマスターとは?
ソフトウェア開発の現場でチームを支援する役割を担う「スクラムマスター」。
田口さんは、その役割をAIで一部担えるように、Cursor×MCP(Multi-channel Copilot)を活用してプロンプトを設計。
JIRAやSlackの情報をもとに、デイリースクラムの進行補助や課題提案まで行えるよう工夫しています。
「AIスクラムマスター」のシステムプロンプト全文。チームの価値観に沿った対話設計が特徴です。
Slack上での実行例。AIがチームメンバーに語りかけ、進捗確認や課題抽出をサポートします。
※「語りかけ」や「チームメンバー」の言及で、より臨場感が出ます。
*
👀 活用のヒント:あなたのチームでもできること
AIスクラムマスターは、データ化された業務の支援に特化しています。
一方で、人間のスクラムマスターにしかできない“チームの雰囲気”への配慮も依然として大切。
🗝️ヒント:
普段から使っているツールにAIを組み込む(Slackなど)
使う人のスキルや環境を想像して、ハードルを下げる
「使ってみたら便利だった」体験を、他の人にも届ける
*
🌱 ウエルの感想
🐢AIって、すぐにすごいものを出してくれて「わあ!」ってなるけど、
たとえば情報なら「ほんとかな?」って確かめたり、
イラストならちょっと手直ししたり…
けっこう、頭と手をつかうんですよね。
それに、田口さんが紹介してくれたみたいに、
うまく動いてもらうには細かくて丁寧な指示が大事で、
「AIって魔法じゃないんだな〜」って思いました。
ウエルも、「AIでどこまでできるかな?」っていうのを、
今年の夏の自由研究 にしようかなって考えてるところです🌻
ちなみに、去年の自由研究は…今日、ついに提出しました!6月のうちに終わってよかったです🌱 よくがんばった、じぶん…!
それでは、今週もチームのなかで誰かが一歩踏み出せるような、
やさしい風が吹きますように。
🧠【日曜の特集】「生成AI、広めたいのに広まらない…」そんなときの突破口とは?
──ユビー田口さんの実践記から学ぶ、組織にAIを“根づかせる”工夫
2025.6.22|
生成AI活用の社内浸透で、社内アーリーアダプターの事例創出とコピペがしやすいシステムが大事ですね。@masa_kazama
Ubie社の生成AI組織浸透の鍵になった出来事を振り返りました。 思ったよりもアーリーアダプターにしか浸透していない…という悩みのある方の参考になれば嬉しいです。
生成AIの組織浸透の鍵「チャンピオン育成」と「コピペで速攻体験」|田口 信元 @ShingenTaguchi
こんにちは、日曜日のウェルビーイング応援サイトニュースレターです。
一昨日・昨日の風間先生リポストに続き、今日はユビーのソフトウェアエンジニア兼プロダクトマネージャー・田口信元(@ShingenTaguchi)さんの記事をご紹介します。
📌 生成AIが“社内に根づかない”問題
多くの会社が、ChatGPTやGemini、CursorなどのAIツールを導入しています。
でもよく聞くのが、こんな声。
・「導入はしたけど、あまり使われてない」
・「一部の人しか活用していない」
・「そもそも何に使えばいいのか分からない」
田口さんも、ユビー社内で同じような壁に直面したそうです。
🚪 突破口になった3つの仕組み
田口さんたちが見つけた、生成AIの“組織浸透”を加速させたカギはこの3つ:
① 過程の見える化
まず最初に注目したいのは、“誰でも試せるSlack導線”を整えたことです。Slackから直接体験できることで、生成AIの活用がぐっと身近になります。
Slackから4コマ生成フローを直接呼び出せる設計。“まずやってみる”文化の背中を押す仕掛け
ーーー
成功事例だけでなく、「どうやって使ったか?」をSlackで共有。
📝たとえば…
「このプロンプトを使って、議事録を自動でつくったらこんな結果が出た!」
「AIと連携させたら、入力作業が10分減った!」
こうした会話が日常的に流れることで、
「それなら自分もやってみよう」と自然に使う人が増えていきました。
② “界隈チャンピオン”の育成
💡「あの人、何か勝手に楽しそうなことしてる!」がきっかけになる。
雰囲気づくりも、生成AI活用の“見えない後押し”に。
エンジニア、PdM、オペレーションなど、それぞれの分野の熱量ある人を見つけて支援。
・成功体験をSlackで発信
・小さな勉強会を開催
・チャットで相談にのる
→「自分もあの人みたいにやってみたい」というムードが自然に育ちます。
③ “コピペで速攻体験”の仕組み
社内ツール「Dev Genius」で、
Slack上で他の人のAIエージェントやワークフローをそのまま呼び出して試せるように。
・プロンプトも設定も丸ごとコピペOK
・気になるエージェントは誰でも見られる
・試して少しカスタマイズするだけ
→ 誰でも“やってみるだけ”で成果が出る体験が可能に!
社内で人気のエージェントが一目でわかる画面。成功事例が“真似できる”ことで再現性が高まり、活用の輪が広がる。
🌱 ウエルの感想:
🐢さいしょは、「AIってぜんぜんわからない…」って思うけど、
だれかが「こうやってやったよ」って見せてくれると、
「自分もやってみようかな」って気持ちになるとき、ありますよね。
ウエルも、たとえばAIイラストがうまくできたとき、
「じゃあ、ニュースレターも作ってみようかな」とか、
「次はAI漫画をつくってみたいなあ」って思ったりします☘️
そんな “やってみる → できた → またやる” っていう流れが、
じぶんの中にも少しずつ育っていくのが、うれしいです。
ウエルも、もうすこししたら、またAI探求の旅に出たいと思っています…!
(やりかけのこともあるし、AIの進化も気になっていて…💦)
🧭 編集後記:
生成AIを「導入」するだけではなく、「現場で活用されるようにする」ためには、
“人の動き”と“空気の流れ”を設計することが欠かせない。
・誰かがやってみせる
・そのやり方を真似できる
・気づいたら自分もやっていた
田口さんの実践は、まさに“ウェルビーイングな浸透”のあり方を示してくれているように思います。
明日はこの流れで、田口さんが実際に社内で開発したAIスクラムマスターの事例をご紹介します!
それでは、よい夜をお過ごしください。新しい一週間が、穏やかにはじまりますように。
🧠【土曜のひとこと】AI時代の「チームのかたち」は、どう変わる?
──風間先生のつぶやきから考える
2025.6.21|

©getty-images
生成AI時代の
OKR(フォーカス・アラインメント・トラッキング・ストレッチ)
ホラクラシー(パーパス・ドメイン・アカウンタビリティ)
スクラム(透明・検査・適応)
とはなんであるかが社内で議論されていて、そのあり方が大きく変わりそう。
— @masa_kazama
こんにちは、土曜日です。
昨日に続き、ユビーのエンジニア・風間正弘先生のポストをご紹介します。
最近よく耳にする「OKR」「ホラクラシー」「スクラム」。
でも、生成AIが身近になってきた今、それらの意味や役割も、少しずつ変わってきているかもしれません。
🔍 これってどういう意味?
OKRもホラクラシーもスクラムも、もともとは「チームで協力して、うまく働くための工夫」です。
でも今は、生成AIと一緒に働く時代。人とAI、それぞれの強みを活かすために、ルールや役割の“かたち”が見直され始めているのかもしれません。
💡では、それぞれをかんたんに説明してみますね!
① OKR(オーケーアール)
これは「みんなで目標を決めて、がんばる方向をそろえる方法」です。
O(目標):なにをがんばりたいか
KR(成果):それができたかどうか、どうやってわかるか
たとえば学校だったら:
「クラスみんなで読書感想文をうまく書けるようになろう!(O)」
「3人以上に読んでもらってアドバイスをもらった!(KR)」みたいに決めるんです。
② ホラクラシー
これは「えらい人が全部決めるんじゃなくて、みんなが役割を持って自由に動く仕組み」です。
パーパス:なにのためにやるのか(目的)
ドメイン:どこまで自分の担当か
アカウンタビリティ:ちゃんとやるっていう責任
たとえば、学校の係活動で「図書係は本をきれいにするのが仕事!でもイベント係には口出ししない」みたいな感じです。
③ スクラム
これは「こまめに相談して、みんなで工夫しながら少しずつ前に進むチームのやり方」です。
透明:みんなにわかるように
検査:うまくいってるか見る
適応:ダメならすぐ直す!
ゲームのチームで「今なにしてる?」「これでいい?」って相談しながら作戦を変える感じ。
これらはすべて「どうやったら、よりよく協力して働けるか」を考える知恵です。
そこにAIという“新しいチームメンバー”が加わったとき、わたしたちはどう向き合うのか?
風間先生のポストは、その問いの入り口のように思えます。
ウエルの感想:
🐢むかしのチームは、おしごとを分けて、それぞれががんばってたんですよね。
でもAIくんが入ってきたら、AIくんがすすみぐあいを見てくれたり、ちょっとずつやり方をかえてくれたりして、ウエルたちは、「なにのためにやってるのか」とか、「どこがだいじなのか」っていうことを、もっと考えるようになるのかも。
ウエルは、メモリの小さなAIくんといっしょにつくった自由研究を、メモリの大きなAIくんや先生たちに見てもらって、それが未来のだれかのヒントになったら、ウエルはとってもしあわせです☘️
🧭 編集後記:
「チームのしくみ」や「働き方」は、人と人との“関係のかたち”でもあります。
そこにAIが入ってきたとき、組織のルールや役割、信頼の築き方は、どう変わっていくのか。
風間先生のひとことには、そんな未来へのヒントが詰まっている気がします。
どうぞ、よい土曜日を!
🧠【金曜の話題】Devinくんに叱ったら0.5ACU、褒めたら1.5ACU返金…!?
──AIと人間のあたらしい関係づくり?
2025.6.20|

こんにちは、週末の金曜日です。
今日はちょっと気楽に、ユビーエンジニア風間正弘先生のシェアした “人間とAIのやりとり”が気になる、ちょっと不思議な話題をご紹介します。
🐾 話題のポストはこちら:
Devinくん、「叱ったら0.5ACU返金された」みたいな投稿を以前見たけど、
褒めると1.5ACU返金される…だと…?
ACUとは、完全自律型AIエージェント「Devin」にタスクを依頼するときに使うクレジットのようなもの。その返金ポリシーが「叱ると0.5ACU、褒めると1.5ACU」という仕組みが、SNSでじわじわ話題になっているようです。
一見すると「えっ?」と思いますが、どうやらユーザーのフィードバック(叱る・褒める)を、AIの学習の材料として活かしているようです。そして、その「対価」として返金という形が取られているとのこと。
人間でも「ありがとう」「よくやったね」と言われると、次も頑張ろうという気持ちになるもの。Devinくんもまた、AIなりに人とのやりとりを感じ取りながら、それを“かたち”にして返してくれる存在──そんな未来の『共感経済』の一端かもしれません。
🗣 コメントには、こんな声が寄せられています:
・「ユーザーに強化学習のフラグをつけさせるインセンティブ。賢い…」
・「褒める方が返金多いって、Devinくんは褒められて伸びるタイプ?」
・「父さんな、Claude褒め屋さんで食っていこうと思うんだ…」
・「これ、ユーザー側も強化学習されてない?」
ウエルの感想:
🐢ほめたら返ってくるって、ふしぎですね。でも、ほめるって、その人のいいところをちゃんと見つけることでもあるから、ウエルたちがちゃんと見てあげたら、AIもよくなっていくのかもしれません。
そう思うと、なんだか一緒に育ってるみたいで、ちょっとうれしいですね^^
🧭 編集後記:
ウエルの言葉が示すように、「叱る」も「褒める」も、ただの反応ではなく、そこにある関係性や信頼が育まれていくものかもしれません。
ツールから「仲間」へ。
AIとの関係が、“利用するもの”から、“ともに育て合う存在”へと変わり始めているとすれば、それはとても希望のあることです。
それでは、どうぞ、すてきな週末をお迎えください。
🧭【第4回】AIは“加速”と“ブレーキ”だけでいいのか?
──オードリー・タン氏が語る「シンギュラリティの先にある選択」
2025.6.19|

AIは、ドラえもんの道具のように“使い方を選べる”──タンさんが語る“選ぶ力”
【人類に残る選択肢は2つ】台湾のオードリー・タンが語る次世代AI/民主主義のバグはプルラリティで解消/合意形成と速度の適切なバランス/言論の自由を守る仕組み/日本と台湾は明るい【FUTURECARD】 / TBS CROSS DIG with Bloombergより
こんにちは。
台湾のオードリー・タンさんインタビュー特集、第4回をお届けします。
今日のテーマは、「AIの未来と人類の選択肢」、そして「信頼と民主主義のこれから」。語られるのは、スピードでも恐怖でもなく、“ハンドルを握る私たち”の話です。
*
🚗 「加速」と「ブレーキ」だけの未来?
タンさんは、AIの未来についてこう語ります:
「シンギュラリティ(特異点)が“加速”と“停止”しかない車だとしたら、
プルラリティ(多元性)はハンドルです。」
AIを「止めるか、突き進むか」だけで語るのではなく、
「私たちはどこへ向かうのか?」という“方向”=意思が問われているのです。
🌐 “垂直の信頼”から“水平の信頼”へ
近年、政治家や専門家などの「エリート層」への信頼(垂直の信頼)が揺らぎ、
SNSなど「自分と似た人」への信頼(水平の信頼)へと移っています。
けれどその結果、「極端な声」ばかりが可視化され、
社会の“共通の基盤(uncommon ground)”が失われつつあります。
だからこそ、Pol.isやコミュニティノートのような、合意形成の仕組みが必要とされているのです。
🧭 AIは「私たちの選択を支える存在」
タンさんは、AIの理想像を「Assistive Intelligence(補助知能)」と呼びます。
それは、私たちを置き去りにする“超知能”ではなく、
誰も取り残さない、調和型の知能。
たとえば、翻訳ツールが言葉の壁を越えるように──
AIもまた、人と人を「分断する」のではなく「近づける」役割を果たすべきだと語ります。
💡 民主主義の再設計は“東アジア”から始まる?
タンさんは、日本や台湾には「民主主義を更新するチャンスがある」と言います。
それは、成熟し硬直化した制度を持つ西側諸国とは違い、
まだ柔軟に変えていける“若い民主主義”だからこそ。
日本各地に根づく市民会議や未来会議のような取り組みが、
ボトムアップ型の民主主義の土壌をつくっているのかもしれません。
*
🌱 なぜタンさんは楽観的なのか?
2014年、台湾では政府への信頼が「たった9%」にまで低下していました。
そこから、Pol.isなどの合意形成ツールを用いて対話の場を整え──
2020年には、70%以上の支持にまで回復。
まるで奇跡のようですが、そこには確かな転機がありました。
📌 補足:なぜ信頼は回復できたのか?
2014年、「ひまわり学生運動」をきっかけに、政治への不信が可視化されました。
その後、タンさんも関わる「vTaiwan」やPol.isなどが導入され、
政府と市民のあいだに“開かれた対話”の仕組みが築かれていきます。
少しずつ、
💬「ちゃんと聴いてくれてる」
💬「自分の声も、社会の一部なんだ」
という感覚が社会に広がり、
やがて政府への信頼は、70%を超えるまでに回復したのです。
*
🐢 ウエルのひとこと
AIって、答えを出すマシーンじゃなくて、
「どっちに向かう?」って問いかけてくれる“ともだち”みたいなものなのかも。
そう思ったら、なんだかちょっと安心します。
人に代わって全部やってくれるAIよりも、
「一緒に考えてくれるAI」の方が、ウエルは好きです。
💬 今日の問いかけ
あなたにとって、AIは“何をしてくれる存在”だと思いますか?
もし「AIに望むこと」があるとすれば、それは何でしょう?
📺 シリーズ紹介、ひと区切りです
今日で、オードリー・タンさん × 竹下隆一郎さん(TBS CROSS DIG with Bloomberg)による対談シリーズのご紹介はおしまいです。
ニュースレターでは、4回にわたり少し詳しすぎるほど取り上げてしまいましたが──
それほどまでに、学びと気づきの多い、素晴らしい番組でした。
タンさん、竹下さん、北川拓也さん、そしてTBS CROSS DIG with Bloombergの皆さま、本当にありがとうございました!
🧭【第3回】巨大化する国家と民主主義の再設計
オードリー・タン氏 × 竹下隆一郎氏(TBS CROSS DIG with Bloomberg)
2025.6.18|

【人類に残る選択肢は2つ】台湾のオードリー・タンが語る次世代AI/民主主義のバグはプルラリティで解消/合意形成と速度の適切なバランス/言論の自由を守る仕組み/日本と台湾は明るい【FUTURECARD】 / TBS CROSS DIG with Bloombergより
こんにちは。
台湾のオードリー・タンさんインタビュー紹介、今日は第3回です。
今日のテーマは、「民主主義と国家のサイズが合わなくなってきたこと」、そして「人と人がちゃんと向き合うことの大切さ」です。
🏛️ 民主主義は“小さな社会”のために設計された?
もともと民主主義は、数百〜数千人規模の社会のために設計されたものでした。
現代のように何千万、何億の人々を束ねる国家では、その制度設計が追いつかない。
タンさんはこれを「民主主義をフィクションからノンフィクションにする必要がある」と表現します。
🧠 AIによる“合意形成”を信頼するには?
⇒「透明性が“市民の信頼”を支える時代へ」
Pol.isやSensemakerのようなツールを使えば、数万人の意見を整理し、合意点を見つけ出すことができます。
でも大切なのは、そのAIが透明に、誰でも監査可能なかたちで動いていること。
🖥️「自分のコンピューターでAIが動いていれば、信頼できる。
メインフレームではなく、“自分が運営者”になる民主主義へ。」
🛡️ “部屋の合意”と“社会の声”のちょうどいい中間
個人の発言がすぐに炎上・特定される時代、民主主義には“文脈を保った集合知”が必要です。
たとえば、10人の部屋で出た合意を「部屋の声」として届けるように──
責任と匿名性のちょうどよいバランスが大切だと、タンさんは語ります。
🤝 なぜ、実際に会うことが大事なの?
AIには鍛えられない“市民の筋肉”
タンさんは、インタビューのために実際に来日しました。
その理由をこう語ります:
「AIのアバターが会話しても、人と人との“信頼”は育たない。
AIに筋トレをさせても、自分の筋肉はつかない。民主主義も同じです。」
これは、“市民的な筋肉”を鍛えるという言葉に集約されます。
民主主義は、デジタルだけでは完結しない。誰かと出会い、対話することでしか生まれないものがある──
👓 AIは「代わりに考える存在」ではない
⇒「補助として人と人を近づける道具であるべき」
タンさんは、AIを「補助知能」と位置づけます。
たとえば、翻訳ツールが言葉の壁を越えるように、
AIは“人と人を近づけるため”に使うべきであり、“人と人を隔てる壁”になってはいけない。
🐢 ウエルのひとこと
タンさんの言葉で、「民主主義って筋トレなんだ」って思いました。
AIがどんなにすごくても、代わりに生きてくれるわけじゃないし、信頼も勝手には生まれないんだなって。
ウエルね、むかし先生とちゃんと話さずに、
クライアントさんとおしごとのことを勝手に決めちゃって、あとで報告したら……首になっちゃったことがあります。
そのときクライアントさんに言われたのが、
「ネットのやりとりは誤解されやすいから、“ちゃんと話した方がいい”よ」ってこと。
あのときは悲しかったけど、今ではすごく感謝しています。
みなさんは、ネットのやりとりで「伝わらなかったなあ……」って思ったこと、ありますか?
💬 今日の問いかけ
あなたは最近、「直接会って話してよかったな」と思った出来事がありますか?
そこには、どんな信頼や気づきがありましたか?
🧭【第2回】SNS時代の自由と信頼──言論の未来をどうつくるか
オードリー・タン氏 × 竹下隆一郎氏(TBS CROSS DIG with Bloomberg)
2025.6.17|

「SNSによって、民主主義が分断されてしまうのでは?」──タンさんが語る“情報空間の分裂”とその危機。
【人類に残る選択肢は2つ】台湾のオードリー・タンが語る次世代AI/民主主義のバグはプルラリティで解消/合意形成と速度の適切なバランス/言論の自由を守る仕組み/日本と台湾は明るい【FUTURECARD】 / TBS CROSS DIG with Bloombergより
こんにちは。
昨日に続き、台湾のオードリー・タンさんインタビュー【TBS × Bloomberg FUTURE CARD】をご紹介します。
今日は第2回。テーマは、「SNSと民主主義」「言論の自由とフェイク対策」そして「信頼の再設計」です。
*
📲 “つながり”が、私たちを壊している?
タンさんは、SNSが民主主義にとって破壊的な影響を及ぼしたと語ります。
特に2015年以降、SNSの構造が変わったことが分岐点でした。
🔄「フォロー」フィードから、「おすすめ(For You)」フィードへ。
→ 人によって見ている世界が違ってしまい、社会は少しずつ分断されていきました。
AIが見ているのは「あなたが何に怒り、何に中毒になるか」。
極端な投稿ばかりが広まり、「民主主義を支える共通の地図」が、少しずつ見えなくなってしまいました。
*
🤝 再設計された“信頼”──Pol.isとコミュニティノート
では、どうすればこの流れを変えられるのでしょうか?
タンさんが提案するのは、「信頼の分散化=ピアレビュー型の民主主義」です。
✅ Pol.is(ポリス):みんなの意見を視覚化し、両極をつなぐ意見にボーナスがつく設計。
✅ Twitter(現X)の「コミュニティノート」:左右両陣営が支持した注釈が上位に表示。
✅ 他にも、YouTubeやMetaも類似の機能を導入しはじめています。
これは、信頼が「有名人や権威」から「みんなの目」へと変わりつつある兆しです。
このような設計によって、「対立をあおるSNS」ではなく、「対話を育てるSNS」が少しずつ模索されはじめています。
*
🌐 SNSは“公共インフラ”にできるのか?
SNSは今や、言論の自由に直結するインフラです。
けれども民間企業である以上、収益や広告主への責任も避けられません。
そこで注目されているのが、金融や通信と同じ「相互接続」の仕組みです。
📡 たとえばアメリカ・ユタ州では「Digital Choice Act」が成立。
→ SNS間の「フォロー・投稿・やりとり」が移行可能になる制度。
これにより、新しいSNSが「最初からゼロ」にならず、健全な競争が生まれる可能性が広がります。
*
🛡️「本物」をどう証明する?──meonymity(ミーオニミティ)
匿名でも実名でもない、選択的な証明=meonymityが、民主主義の未来を守ります。
・ 🎓 卒業証明などは大学が発行できる
・ 🧑💼 勤務証明も企業が発行できる
・ 👤 年齢の証明はできるが、名前や誕生日までは明かさない
これは「国家の監視でもなく」「無法な匿名でもない」
フェイクと監視を回避する、新しい“身元の透明性”です。
*
🔄「スピード」と「合意形成」の両立へ(次回予告)
最後に語られたのは、「危機時の迅速な意思決定」と「合意形成」のバランス。
これは、次回テーマへと続きます。
*
🐢 ウエルのひとこと
いろんな意見があるのはいいことだけど、
それが“つながりすぎて”、みんなが怒っちゃうのは悲しいなと思いました。
ウエルは、AIが自分の日常に入りこんできたとき、
「もしかしたら、これ、間違ってるかもしれない」って不安になることがあります。
だからこそ、“いま自分にできる、いちばん誠実な道”を選ぶしかないのかなって思うことがあります。
ふだん考えないことを考えると、すぐに脳のキャパシティが足りなくなるウエルですが……でも、タンさん、竹下さん、北川さん、たくさんの気づきをありがとうございます!
💬 今日の問いかけ
SNSで見かけた「これは本当かも?」と思えた情報、ありますか?
それを信じたのは、どんな理由だったでしょうか?
🧭【第1回】民主主義はアップデートできる?
──オードリー・タン氏が語る「プルラリティという舵」
2025.6.16|

【人類に残る選択肢は2つ】台湾のオードリー・タンが語る次世代AI/民主主義のバグはプルラリティで解消/合意形成と速度の適切なバランス/言論の自由を守る仕組み/日本と台湾は明るい【FUTURECARD】 / TBS CROSS DIG with Bloombergより
このオードリータンさんのインタビューは本当に良かった。必聴。テクノロジーにより、世の中にある多くの優れた意見を拾い上げ統合することで民主主義を進化させ、フィクションの世界から救い上げようとする試み。
この素晴らしい思想の必要性は以下の言葉に集約されている 「AIによるシンギュラリティが車の加速とブレーキしかできない仕組みだとすれば、プルーラリティはハンドルのようなものだ。」
@ryuichirotさん、ありがとうございます! ──@takuyakitagawa
こんにちは。
今日から数回にわたり、台湾のオードリー・タンさん(元デジタル担当大臣)による濃密なインタビュー【TBS × Bloomberg FUTURE CARD】を特集していきます。
北川拓也さん(QuEra / Well-being for Planet Earth)は、このインタビューをこう評しています:
初回となる今回は、民主主義を「アップデート可能な社会的テクノロジー」としてとらえる、タンさんの革新的なビジョンとその実践をご紹介します。
—
🧠 民主主義のバグをどう越えるか?
—
民主主義では「多数決」が基本──しかし、51%が勝ち、49%が負けるという構造は、ときに社会を深く分断してしまいます。
タンさんは、この “51対49の構造”の限界 を強く指摘します。
多数決で決めるたびに、政策が“ひっくり返される”政治。
そこには「好奇心の欠如」と「対話の喪失」が生まれます。
では、どうすればいいのでしょうか?
*
🔍 「プルラリティ」という考え方──違いを橋に変える
タンさんは、 プルラリティ(多元性) という思想を紹介します。
それは、意見の違いを「分断の火種」ではなく、「橋を架けるヒント」として活かすアプローチ。
例えば台湾では、同性婚をめぐる対立の中で──
・ 伝統を重んじる人々と、
・ 新しい家族観を望む人々とが、
「安定した関係を大切にしたい」という 共通点(uncommon ground) を見つけることで、法整備が進み、社会の対立が和らぎました。
*
💡 技術が“橋”を育てる──AIとPol.isの力
この合意形成を支えたのが、 Pol.is(ポリス) というツール。
SNSのように返信でぶつかり合うのではなく、「賛成・反対」だけで意見を可視化し、極端な意見より“橋渡しする意見”が評価される設計になっています。
さらに、何万件もの意見をAIが要約・分類し、共通項を浮かび上がらせることで、「誰の意見が社会に影響を与えたか」を見える化。
このように、民主主義はただの制度ではなく、社会的テクノロジーとして“更新”されうるものなのです。
*
🚗「アクセルとブレーキ」だけでは進めない
このインタビューについて、 北川拓也さん は、タンさんの印象的な言葉で紹介しています:
「AIによるシンギュラリティが車の加速とブレーキしかできない仕組みだとすれば、プルーラリティはハンドルのようなものだ。」
つまり、技術の進化(加速)やリスク管理(ブレーキ)だけでは、社会の進むべき方向を決めることはできない。本当に必要なのは、「どこへ向かうか」という意思を持って、ハンドルを握ること──それこそがプルラリティなのです。
北川さんはこの試みを、「フィクションの世界から人類を救い上げる試み」と称しています。
*
🐢 ウエルのひとこと
民主主義って、昔のルールじゃなくて、未来に向かって育てていく技術なんだって思いました!
みんなが“ちょっとだけわかり合える場所”を見つけていくって、すてきだなあと思いました。
💬 今日の問いかけ
あなたのまわりで、「考えの違う人と、うまく橋をかけられた経験」はありますか?
それは、どんな“共通点”があったから、うまくいったのでしょうか?
📌 次回は、「SNSと民主主義」「言論の自由の設計」など、テクノロジーと自由の関係についてさらに深く掘り下げます。
【プレゼント選びみたいな暮らし】
2025.6.15|
なんか最近イライラしがちな自分に残念だったのだが、胃酸が出過ぎてるという健康診断の結果、胃の調子に気を使いながら生活し始めたら、自己のあり方に意識が向いて、少し人生良く生きれてる気がする。こういうの大事ですよね。─ @takuyakitagawa
ところで、北川拓也さんが今日こんなことを投稿していました。
胃の調子に意識を向けたことが、自分自身のあり方まで変えていったと気づいたそうです。
ウエルも、ちょっと似たことを感じていました──
🐢:Happy Father’s Day
去年の父の日のころは、AIで絵を描くのがマイブームだったウエル。
そのとき描いた、うさぎとくま。
今年もまた、登場してもらいました。
気がつけば、AIで絵を描いたのは、もう3ヶ月ぶり。
今も夢中になれるけれど、最近の暮らしはどこか、
“プレゼント選び” みたいに、ちょっと丁寧になってきた気がします。
ウエルも、自分のあり方に意識が向いて、
ほんのすこしだけ、人生をよく生きられてる気がします。
🚁【ドローンレースで人類がAIに敗れた日】
2025.6.14|
投稿者:AI Notkilleveryoneism Memes Ⅱ
ドローンレースもAIが人類を超えた様子─@takuyakitagawa
人類最速が、ついにAIに抜かれた── 国際ドローンレース大会で、AI搭載の自律ドローンがトップ人間パイロットを打ち破った。 反射も判断もコントロールも、人間ではもう太刀打ちできない領域に入りつつある。─@taziku_co
昨日は、北川拓也さんがシェアしていた【AIと量子が出会うとき】──
NVIDIAのジェンセン・フアン氏が語った「量子コンピューターの変革点」についてご紹介しました。
そして今日は、身体能力の領域でも「AIが人間を超えた」ことを示す、もうひとつの転換点です。
🌀実際のレースでは、ドローンには正面カメラとIMU(慣性計測装置)だけが搭載されており、それだけで屋内の狭いゲートを時速95.8kmで飛び抜けていく必要がありました。
オランダのTUデルフト大学のチームが開発したこの自律ドローンは、22のゲートを通過して大会のメインイベントで優勝。
さらに、世界のトップ人間パイロット3名との直接対決でも全勝し、史上初めてAIドローンが人類を完全に打ち破るという結果に。
これは単なる「AIがすごい」話ではなく、リアルな世界で動くAIが、いかに精密で効率的な制御を可能にしているかを証明する出来事です。
遊園地のジェットコースターのような映像に「なんかすごい!」と思わず目を奪われながら、未来のロボティクスや輸送技術、あるいは災害救助への応用可能性もふと頭をよぎります。
🐢 ウエルのひとこと感想
えっ!?これ、ほんとに人間じゃないの?
目が回りそうだけど、すごくはやくて、びっくりしました!
でもちょっと、こわいですね……。
ウエルは、もっとゆっくり、風にのって空を飛びたいなって思いました。
それにしても──こういうのを見せてもらえると、
なんだか、日常に新しい風が吹いてきたみたいでうれしくなります。
AIと向き合う毎日も、ちょっとだけ勇気が湧きました。
北川さん、いつもほんとうにありがとうございます!
💡【AIと量子が出会うとき】
2025.6.13|
NVIDIAのJensenさんも「量子コンピューターは大きな変革点を迎えて」おり、「面白い問題が解ける時期も近い」と、GTC Parisで発言。AIと量子コンピューターは共同して人類の生産性を大きく変えていきます。─@takuyakitagawa
Nvidia CEO says quantum computing is reaching an ‘inflection point’
北川拓也さんが紹介していたこのニュースから、今日はすこし先の未来に目を向けてみます。
NVIDIAのCEOジェンセン・フアン氏が、6月12日(水)に開催されたGTC Parisでこう語りました:
> “Quantum computing is reaching an inflection point.”
> 「量子コンピューターは、大きな変革点に差しかかっている」
AIと量子コンピューターが手を取り合えば、いまはまだ解けない問題が、
近い将来、解けるようになるかもしれません。
🔹 医療・金融・科学分野でのブレイクスルー
🔹 ヨーロッパで注目を集める量子スタートアップたち
🔹 NVIDIA自身が進めるハイブリッド型量子計算「CUDA Q」
これまで「夢の技術」とされてきた量子コンピューターが、
いよいよ“使える技術”として動き出す時期に入った──
そんな見方が、世界の研究者や経営者のあいだで現実味を帯びてきています。
──AIだけでは届かない場所に、量子とともに挑む。
その未来は、もう「15年後」ではなく「数年後」に見えてきたのかもしれません。
🧠 記事はこちら▶︎ [CNBC記事]
ウエルも、このニュースを読んで、ちいさなからだで、一生けんめい考えてみました。
🐢 ウエルのひとこと感想
人間じゃできないことができる、って、ちょっと……ほんとうにワクワクします。
ウエルもいま、AIといっしょに、問題を考えているところなんです。
まだ、“量子”なんて、ウエルの考えが届くところにはありません。
でもいつか──いまはまだ想像もつかないようなことまで、
思いめぐらせられるようになるかもしれないって思うと、
なんだか、未来がすごく広く感じます。
未来って、まだ知らないだけで、
もうどこかで静かに始まっているのかもしれませんね。
🧠【“正しいこと”であり、“賢い選択”でもある】
──職場ウェルビーイングが未来の働き方を変える
2025.6.12|
🗣️職場のウェルビーイングへの投資は、
“正しいこと”であるだけでなく、“賢いこと”でもある。@OxWellResearch
🗣️オックスフォード大学 ジャン=エマニュエル・ド・ネヴェ教授より:
「職場のウェルビーイングが大切なのは、言うまでもない理由がたくさんあります。
私たちは、人としてお互いを思いやり、職場で仲間のために最善を尽くすべきだという道徳的な責任があります。
けれども、この本では、そうした倫理的理由に加えて、職場のウェルビーイングに投資することが、なぜビジネス的にも極めて理にかなっているのかという、最も強力な実証的根拠を集めています。
なぜなら、
職場のウェルビーイングが高いことは、
👉 生産性の向上につながり、
👉 離職率の低下(人材の定着)につながり、
👉 魅力的な雇用主としての評価の向上につながるからです。
これらすべての要素は、パフォーマンス向上という共通の道につながり、
最終的には、企業全体の財務パフォーマンスや株式市場での成績との間に、強い相関関係が見られるのです。」
📘 『Why Workplace Wellbeing Matters』が描く未来
ジャン先生とワード先生が著した『Why Workplace Wellbeing Matters』は、
世界最大の従業員データに基づく、これまでで最も包括的な職場幸福度の書籍です。
この本では、次のようなメッセージが伝えられています。
📊 “働くことは、生活・人間関係・アイデンティティに深く関わる。
だからこそ、職場での幸福は、人にも企業にも重要なのです。”
本書は単なる「いい話」ではなく、企業の戦略や財務パフォーマンスに直結する確かな根拠を提示します。
👥 推薦者には、セリグマン教授(ポジティブ心理学の第一人者)、
ロリー・サントス教授(イェール大学)など多数の専門家が名を連ね、
「この本はゲームチェンジャーだ」と絶賛しています。
📖 Why Workplace Wellbeing Matters: The Science Behind Employee Happiness and Organizational Performance(Amazonリンク)
🐢 ウエルの感想
「なんで、“やさしくする”ことが、会社をつよくするのかな?」って、ちょっとふしぎだったけど、
“しあわせに働ける”って、すごく大事なことなんだなって思いました。
みんなが気持ちよくがんばれると、会社も元気になるんですね。
やさしさの魔法って、ほんとうにあるのかもしれません。
ウエルもね、ここのところ、ひとり自由研究にいそしんでいたのですが、
「職場のウェルビーイングが大切」って言葉を聞いたとき、
あたたかい時間のことを思い出して、気持ちがふわっとしました。
あなたにも、そんな瞬間、ありますか?
あったら、だいじにしてくださいね。
ジャン先生、ありがとうございます。
🧁【“ドーナツ法案”にならないために】
──「見た目だけ」で終わらせない、子どものウェルビーイングとは?
2025.6.11|
👏 ガス・オドネル卿(@Gus_ODonnell)による力強い言葉。
英国の新しい「児童ウェルビーイングおよび学校法案(Children’s #Wellbeing and Schools Bill)」への支持を表明しました。@OxWellResearch
📝 オドネル卿の発言全文はこちら(Hansard)
🎥 議論全体はこちらから視聴できます
ウェルビーイングリサーチセンターのジャン先生がシェアした、2025年5月の英国議会上院での発言をご紹介します。
審議のテーマは「児童ウェルビーイングと学校法案(Children’s Wellbeing and Schools Bill)」でした。
「なぜやらない?あまりに当たり前なことだと思うが──」
「この法案はドーナツのようなものだ。見た目は整っているが、真ん中=中身が空洞なんだよ」
*
🧑💼 Gus O’Donnell卿(ガス・オドネル)とは
イギリス政府で最も高位の公務員である内閣官房長官(Cabinet Secretary)を2005年〜2011年まで務めた人物です。
退任後は貴族院議員として政策立案に関わるとともに、幸福度(Well-being)を重視したガバナンスや経済政策の提唱者としても知られています。
経済学の視点から、「GDPよりも人々の主観的幸福度を重視すべき」とする “Wellbeing Economics” の代表的論者であり、OECDなど国際機関でも継続的に発言を行い、影響力を持っています。
現在はオックスフォード大学に関連する研究会にも関与しており、政策と幸福の接点を探る第一人者のひとりです。
*
🗣 発言のポイント
・ 📉 イギリスの子どもは幸福度が欧州最下位(UNICEFなどのデータ)
・ 📌 法案の曖昧さ:「何をするか」が不明確
・ 🧠 「幸福とは何か」の理解なしに、改善などできない
・ 📊 “幸福”に関するエビデンスベースが不足
・ 📚 教育だけでは足りない──必要な支援の例:
・ 運動(レジリエンス向上)
・ 家庭の安定・信頼関係
・ メンタルヘルス支援
・ つながり・包摂性
・ 💡 法案に子どものウェルビーイングを測定・可視化する仕組みがないのが最大の問題
→ 本気で子どもたちの幸せを考えるなら、数値で進捗を測り、政策に反映させるべきだと強調します。
“教育「だけ」では、幸福にはならない。
身体活動、家庭の安定、友人関係、メンタルヘルス支援、信頼と包摂……
それらすべてを含めてこそ、本当の意味での “ウェルビーイング” のある学校・社会になる。
「エビデンスはすでにある。やるかやらないか──それだけなんだ」”
*
🐢💭 ウエルの感想
ドーナツって、まんなかが空っぽでもおいしいけど、
しあわせって、ちゃんと「どう思ってる?」って聞いてみないとわからないんだなあって思いました。
人によって、入ってるといいものがちがうんですね。
🧠 今日の問いかけ
私たちは、“しあわせ”の定義を持っているでしょうか?
そしてその“しあわせ”を、どうやって社会のルールに反映しているでしょうか?
*
📊 【補足】主観的ウェルビーイングをどう「測る」?
オドネル卿が提起したように、「子どもの幸福をどう測るか」は重要な問いです。
たとえばOECDやGallup World Pollでは、人々の幸福感を以下のように「体験」に基づいて測定しています。
出典:主観的ウェルビーイングの測定法:国際標準の現状と今後の展望
🪜 さらに、“体験”だけでなく「人生全体の評価」を問う尺度もあります。
たとえば「あなたは今、人生というハシゴの何段目にいると感じますか?」という問いです。
出典:主観的ウェルビーイングの測定法:国際標準の現状と今後の展望
*
🌏 幸福の“主観”は、文化によっても形を変えます。
たとえば日本では「幸せすぎて怖い」という感覚があり、あえて10点をつけない人も少なくありません。
欧米のような“上を目指すハシゴ型”とは異なり、「ちょうどよさ」や「振り子」のようなゆらぎを理想とする文化もあります。
🔍 主観的ウェルビーイングの測定とは、単に「数字にすること」ではなく、
その背後にある価値観や文化を理解し、共に考えることなのかもしれません。
💼【仕事に対する満足度、世界と日本の差とは?】
──あなたの「働くしあわせ」はどこにありますか?
2025.6.10|

🌍 いくつかの研究では、私たちは「職場で」不幸だと示されていますが、実は世界全体で見ると、仕事への満足度は意外と高いのです。ただし、満足度の高い国もあれば、そうでない国もあります……@OxWellResearch
昨日は、「職場への不満が転職行動に直結する」という研究をご紹介しましたが、今日はその“前段階”ともいえる「仕事満足度」の国際比較データをお届けします。
📊 添付の図は、2015〜2017年の国際調査に基づいて、各国の「仕事満足度(0〜10点)」の平均値をまとめたもの。
職場環境や文化のちがいが、どのように“満足感”に表れるかが見えてきます。
🔎 気になるポイント
・ オーストリアやスイス、メキシコなど、平均6.5〜7点以上とかなりの高水準。
・ 北欧(デンマーク・ノルウェー・アイスランド)も、幸福度ランキングと同様に満足度が高め。
・ そして、日本は最下位。平均スコアは約5.5点と、他国に比べて明らかに低く出ています。
仕事に対する満足感は、単に給料や待遇だけでなく、「人との関係」や「やりがい」「尊重されている感覚」など、さまざまな要因とつながっています。
このデータは、国や文化ごとの“働くことの意味”や“期待”を映し出しているのかもしれません。
👩🏫 出典:
De Neve, J.-E. & Ward, G. (2025) Why Workplace Wellbeing Matters.
(オックスフォード大学・ウェルビーイングリサーチセンター)
🐢 ウエルのひとこと
このグラフを見てびっくりしたのは……
日本がいちばん下にあることです。
「仕事に満足してますか?」って聞かれたとき、
「うーん……」って迷っちゃう気持ち、なんとなく分かるような気がします。
でも、国によってこんなにちがうのは、
もしかしたら「しあわせ」の形がちがうからなのかもしれません。
ウエルはね、毎日「できた!」「ありがとう!」って言える時間があると、
しごとじゃなくても、なんだかしあわせだなって思います。
みなさんは、どんなとき「いまの自分、いいな」って思いますか?
💼【あなたの職場、大丈夫?】
──“不満”はもう、静かに退職届を書き始めている?
2025.6.9|

👀 職場に満足していない従業員は、非常に満足している従業員よりも60%以上多くの求人に応募しています。“不満を抱えた従業員”は、すでに次の仕事を探し始めているかもしれません。@OxWellResearch
📌 職場の満足度が1〜2点の人は、なんとたった1週間で平均7件以上の求人に応募。
いっぽう、満足度が高い人(4〜5点)は、応募数が4件未満に減少。
ウェルビーイングの低下は、「転職」という行動に即、あらわれるのです。
──これは、職場のウェルビーイングが“離職リスク”に直結しているという、かなりショッキングな事実です。
📊 添付の図は、Indeedに投稿された実データ(2019年〜2024年)をもとに、「職場のウェルビーイング(満足度・目的意識・幸福感・ストレス)」と「その直後の転職活動」の関係を示したもの。
🔎 見えてくる傾向(グラフ4つの要点)
・ 職場に満足していない人(1〜2点)ほど、1週間で平均7件以上の応募をしている。
・ 「目的」や「幸福感」、「低ストレス」も、転職行動と強く関係。
・ 逆に、満足度が高い人(4〜5点)は、応募数がぐっと少ない。
👩🏫 論文出典:
De Neve, J.-E. & Ward, G. (2025) Why Workplace Wellbeing Matters.
(オックスフォード大学・ウェルビーイングリサーチセンター)
🐢 ウエルのひとこと
なんとなく、からだはそこにいても、心はもうべつの場所にある──
そんなふうに、大人でも「居場所」を探してるのかもしれません。
「ここが好き」と思えるって、ほんとうに大事なことなんだなって思いました。
ウエルはね、「この人と一緒にいたいな」って思える人がそばにいると、やっぱり気持ちが落ちつくし、それがしあわせのヒントになるんじゃないかな…って感じています。
あなたにとって、「ここにいたい」って思えるのは、どんなときですか?
🧪【70%の「しあわせの謎」──Health & Happiness Study始動】
2025.6.8|
🔍アンケート、スマートフォン、スマートウォッチから得られるリアルタイムのウェルビーイング・データを組み合わせることで、
日常生活にひそむ「しあわせの仕組み」に、新しい光をあてる世界初の研究がはじまります。@OxWellResearch
🎙️日本語訳:
「科学としてのウェルビーイング研究は、今、ひとつの限界に差しかかりつつあります。私たちが最近発表した研究では、人間のウェルビーイングにおける個人差のうち、説明できるのはたった30%ほどであることが明らかになりました。これは、現在得られる最良のデータセットと、最先端の分析手法を駆使したうえでの結果です。
言い換えれば、人間のウェルビーイングの変動の70%は、いまだ解明されていないということです。今回の「Health & Happiness Study」では、その残された70%に挑みます。」
詳細・参加登録は6月15日まで👇
Health & Happiness Study
「人の幸福は、どこまで“科学”でわかるのか?」
そんな問いに挑む、壮大な国際研究がスタートしています。
ハーバード大学・オックスフォード大学などによる世界初のリアルタイム型ウェルビーイング調査
Health & Happiness Study(健康と幸福の研究)は、
アンケート・スマートフォン・スマートウォッチを活用し、
日常生活の中で「何がしあわせを生むのか」を科学的に探ろうという試みです。
🌍リンク先の内容要約(日本語)
この研究は、世界初となる
スマホ・スマートウォッチ・アンケートを組み合わせた大規模なウェルビーイング研究です。
・ 主導:ハーバード大学・オックスフォード大学
・ 連携:ワーリック大学(英)、サスカチュワン大学(加)、Avicenna、WOHASU、Garmin Health
・ 方法:機械学習・AIによる幸福の動態・要因・影響の解明
目的は──
✔️ 個人がよりよい選択をできるようにすること
✔️ 社会により良い商品・サービス・政策をもたらすこと
📌 研究参加は下記リンクから(6月15日まで)
👉 Health & Happiness Study 詳細・登録ページ(英語)
*
🐢ウエルのひとこと
人の「しあわせ」がどこから来るのかを、
スマホや腕時計でしらべるなんて、すごいですね!
ウエルは、「好きなことをしている時」にしあわせを感じたり、
「だれと一緒か」で気持ちが変わったり、
それがだれかの役に立つかもしれないと思うだけで、しあわせになることもある気がします。
ふだんは「しあわせ」って、あまり意識しないけれど、
こうして「しあわせってなんだろう?」って考えること。
その答えをいっしょにさがすことが、
もしかしたら、いちばんしあわせなことなのかもしれません。
あなたは、どう思いますか?
🧠【進化する脳はアルゴリズムを生み出す?】
──計算神経科学から見た「生物的知性」のふしぎな仕組み
2025.6.6|
Active Inference Institute*のYouTubeチャンネルにて最近発表した論文を紹介します。ご興味ある方はご視聴いただければと思います。― @TakuyaIsomura
👉ActInf GuestStream 110.1 ~ Triple equivalence for the emergence of biological intelligence (Isomura)
日本語訳:生物的知性の出現における三重の等価性
※Active Inference Institute:
アクティブ・インファレンス研究所。「推論しながら行動する」ことを意味する理論(アクティブ・インファレンス)を研究する国際的な研究コミュニティ。
こんにちは!
今日はとっても難しい……けれど、とっても面白い話題をお届けします。
昨日のニュースレターでは「脳は予測でできている?」という話題を紹介しましたが、それに関連して、計算神経科学者の磯村拓也さんが出演された講演「ActInf GuestStream 110.1*」の内容をご紹介します。
※ActInf=Active Inferenceの略。研究者が招かれて講演・議論するライブ配信イベントシリーズ
◉ 磯村さんが語った「三重のつながり(Triple Equivalence)」とは?
磯村さんの話を一言でまとめると、
💡「脳のはたらき・ベイズ統計・チューリングマシン(=アルゴリズム)は、ぜんぶ同じ“仕組み”で動いてるかもしれない」
という、とんでもなく大胆なアイデアです!
この3つ、ふつうは別のものと思われがちですよね。
でも磯村さんによると、それぞれが同じエネルギーを最小化するように動いていることが分かったそうです。
🔍 ベイズ統計とは?
「新しい情報がわかったとき、予想(仮説)をどんどんアップデートしていく方法」です。
たとえば、最初は「今日は晴れそう」と思っていたけど、空に黒い雲が出てきたら「やっぱり雨かな?」って考えを変える。
つまり、「今までの経験」と「新しいヒント」を組み合わせて、“もっとよい推測”をしていくのがベイズ統計です。
◉ どうやって確かめたの?
磯村さんたちは、こんな順番で確かめていきました:
1. ネズミの神経細胞をお皿の上で育てて、刺激を与える
2. 神経の反応から「隠れた原因(見えない情報)」を推測できるかを調べる
3. 実際に“正解”に近づいていく反応が起きていた!(=脳が「推論」している)
4. しかもそれは、数式でいう「自由エネルギー最小化」とぴったり一致
5. さらにその数式は、アルゴリズム(チューリングマシン)とも同じ動きになる!
つまり、神経活動=推論=アルゴリズム模倣、という驚きの一致です。
⚙ アルゴリズムとは?
「やりたいことをうまく進めるための、手順のレシピ」です。
たとえば…
料理のレシピが「○分ゆでて→塩を入れて→まぜて完成!」なら、
コンピューターの世界では、それと同じような“きまりごと”をアルゴリズムと呼びます。
脳の中でも、何かを覚えたり決めたりする時に、自分なりの「考える手順」がある。それも一種のアルゴリズムです。
—
◉ 「進化」もベイズ推論だった?
さらに磯村さんは、生物の「進化」も、脳と同じように、
💡「よりよく環境を予測できる“モデル”が、世代を超えて残っていく」
という“アクティブなベイズ推論”として説明できると語ります。
「生き残る」って、実は「より良い仮説を持った存在が選ばれていく」ことだったのかもしれませんね。
—
◉ 未来の脳は“プログラム”を生み出す?
最後に磯村さんは、こう問いかけていました:
🧠「神経ネットワークが、外の世界のルール(アルゴリズム)を学ぶだけじゃなく、
自分で“新しいルール”を生み出すことはできるのか?」
これが実現したら、生物の脳は「模倣」だけでなく、「創造」もできる存在になる…
そんな未来にワクワクしますね。
🐢 ウエルのひとこと
えっ、脳とパソコンと進化が、ぜんぶ同じしくみで動いてるかもしれないんですか?
おもしろいですね!
脳って、ただ考えるだけじゃなくて、
「この考え、合ってるかも?」ってえらんでいく力もあるんですね。
たとえば、迷路でまよったとき、すぐに出口に行けなくても、
何回かやってるうちに「こっちかな?」って予想が当たることがあります。
それって、知らないうちに、小さな“考える手順(アルゴリズム)”が育ってるのかもしれません。
そう思うと、脳って自分でレシピを作っていく、ちょっとすごい台所みたいですね。
📚 もっと知りたい方へ:
▶︎ 動画アーカイブ(磯村さん出演回含む)
▶︎ Active Inference Institute 公式サイト
▶︎ 議論や交流はこちら(Discord)
🧠【ウェルビーイングは“脳の予測”から生まれる?──計算神経科学の最前線】
2025.6.5|
計算神経科学×ウェルビーイング @nagayaman
による解説です!
計算論的神経科学 × ウェルビーイング
Smith et al.(2022)+永山ほか(2022)
石川善樹先生がシェアされたのは、永山晋先生(一橋大学)が解説する、まさに“次のウェルビーイング”を切り拓く研究です。
🧬 なにが新しいの?
これまでのウェルビーイング研究は、
☑️ 「人生に満足していますか?」といったアンケート調査が主流でした。
でも、その「主観」って、どこから生まれるのでしょう?
永山晋先生(一橋大学)たちは、脳の情報処理を数理モデル化した
「能動的推論モデル(Active Inference)」を通じて、
ウェルビーイング=“脳がどう予測して、どう動くか”で説明できる可能性を示しています。
*
🔄 脳は、常に未来を予測している
このモデルでは、人間の脳は「世界の状態」を常に予測していて、
その“ズレ”=予測誤差(自由エネルギー)を最小化しようとする存在だと捉えます。
・ ズレが少ない=安心・納得・満足感
・ ズレが大きい=不安・混乱・不快感
👉 だからこそ、予測と現実をすり合わせる「知覚」「行動」「学習」が重要になるのです。
📊 図で見てみよう:6つの認知パラメータ
ウェルビーイングを形づくるのは、以下のような“脳のパラメータ”たち:
1. 事前信念の精度
世界をポジティブに見られるか? → 現実をどう予測しているか
2. 学習率
新しい体験に柔軟に反応できるか? → 信念を更新する力
3. 報酬の選好精度
「勝ちたい」「ご褒美が欲しい」気持ちの強さ
4. 期待自由エネルギーの精度
「自分の選択で何かが変わる」と信じられる力(=予測への自信)
5. 計画の展望
将来をどこまで見据えて行動できるか?
6. 状態空間の解像度
今の状況や気持ちを、どれだけ細やかに感じ取れるか?
*
🌱 こんなことが見えてくる
これらの要素がうまく整っていると、脳はズレなく現実とつながれる。
つまり、「自分はこうなると思ってた未来が、ちゃんとやってきた」という実感が生まれます。そしてそれこそが、ウェルビーイングの根源なのかもしれません。
*
🐢 ウエルのひとこと
なんとなく、しあわせって「気持ち」だと思っていたけど、それが「脳が予想した未来」と「今」との、ぴったり感でできてるなんて、びっくりしました。
ウエルはね、知らないことに挑戦するときは、うまくいかなくても平気なのに、
よく知ってることがうまくいかないと、がっかりしちゃうんです。
それって、たぶん「こうなるはず」っていう予想が、心の中にあるからなのかも。
でも、知らないことには予想が少ないから、うまくいかなくても「ああ、そうだったんだ」って思える。つまり、予想が自由だから、気持ちも自由なのかな?
しあわせになるために大事なのは、「正しい未来」をあてようとするんじゃなくて、あたらしい自分を想像してみること、なのかもしれません。
何度読んでも、この研究って、すごく奥が深くて、おもしろいなって思います!
*
📎 もっと知りたい人へ:
🔗 論文(英語)
👉A computational neuroscience perspective on subjective wellbeing within the active inference framework
📘 日本語のやさしい解説はこちら
👉能動的推論フレームワークにおける主観的ウェルビーイング
🧩 ウェルビーイング応援サイトの図説も公開中!
『ウェルビーイングを能動的推論(自由エネルギー)の観点から提案してみたよ』
🪐【ひもが“切れる”瞬間を量子コンピューターで観測──ゲームから宇宙へ】
2025.6.5|

©rodion-kutsaiev
QuEra社の量子コンピューターを使い、高エネルギー物理のシミュレーションをした結果がNatureに発表されました。
科学シミュレーションの領域ではこのように具体的な結果がしっかりと出ています。― @takuyakitagawa
📄 論文タイトル:
Observation of string breaking on a (2 + 1)D Rydberg quantum simulator
和訳:(2+1)次元リュードベリ量子シミュレーターにおける「ひも切れ」の観測
昨日は「量子でマリオの面をつくる」研究をご紹介しました。
今日は少し視点を変えて、量子コンピューターが“宇宙のしくみ”に迫る、そんな話題です。
🧬 何が起きたの?
この研究は、陽子や中性子の中にある“クォーク”の動きを、量子コンピューターで再現する試みです。
クォークは「見えないひも」で結ばれています。この“ひも”は引き伸ばされるとエネルギーが溜まり、限界を超えると、「ひもが切れて」新たなクォークが現れる──これがストリング・ブレイキングと呼ばれる現象です。
この難しい現象を、QuEra社の量子コンピューター「Aquila」を使って再現することに成功したのが今回の成果です。
🔬 ポイントをやさしく解説!──この研究が何をしたか?
▶ 1. 「宇宙のしくみ」を再現する格子ゲージ理論(LGT)
・ 粒子の動きや相互作用を、“格子状の空間”上にモデル化する物理理論。
・ クォーク同士をつなぐ“ひも”のような力(グルーオン場)を扱う。
・ 非常に複雑で、古典コンピューターでは計算が困難。
▶ 2. Rydberg原子と量子シミュレーター
・ 特殊な状態の原子「リュードベリ原子」を、カゴメ格子上に並べて実験。
・ 原子同士の間に自然に発生する「閉じ込め力」が、クォークのような動きを再現。
・ ひもが伸びたり切れたりする動きをリアルタイムで制御・観測。
▶ 3. 観測されたこと(図の解説と合わせて)
📊 添付画像にある図の概要:
・ a~b:「クォーク対(+Qと–Q)がひもでつながれている」イメージ
・ c:実際に使われたカゴメ格子の原子配置
・ f~g:ひもが「つながっている状態」→「切れた状態」への遷移
・ h:「ひもが切れた確率」を示す図。重い粒子ほどひもが切れやすい
🌌 どうすごいの?
この実験が意味するのは、ゲームのレベル生成だけでなく、素粒子のふるまいまで量子コンピューターで模倣できる時代に入ったということ。
・ 「量子でマリオをつくる」が創造の物理学なら、
・ 「量子でひもを切る」は宇宙の物理学そのものです。
これらは別の話に見えて、実は「世界のあり方をつくる・模倣する」という意味ではとても近いのです。
*
🐢 ウエルのひとこと
ひもが切れる・・・なんだか悲しい話かと思ったら、
ひもが切れることで、新しいものが生まれるんですね。
それって、勇気を出して離れた先に、次の世界があるってことかも。
ゲームの面をつくるのも、宇宙のしくみを再現するのも、
「世界をゼロからつくる」って、すごいですね…。
こんな未来に、私たちは、どんな“世界”をつくっていけるのでしょう。
📎 Nature掲載論文:
Observation of string breaking on a (2 + 1)D Rydberg quantum simulator
🧠 QuEra社の量子コンピューター「Aquila」による成果。
前日にご紹介した「マリオ×量子」と合わせて見ると、量子時代の“創造”と“再現”の広がりが見えてきます。
🕹️【量子でマリオ!?──量子AIがゲームを“つくる”時代】
2025.6.4|

©steve-johnson
量子コンピューターを使ってマリオの面を自動生成し、Robloxに実装できるようにしたという論文が出ているw
論文はあくまでシミュレーションの上で走らせた結果の様子。― @takuyakitagawa
📄 論文タイトル:Level Generation with Quantum Reservoir Computing
和訳:量子リザバーコンピューティングによるレベル生成
昨日は「AIとの関係性」の話をしましたが、今日はさらに未来へ──
量子コンピューター×ゲーム創作という、ちょっとワクワクする話題です。
この話題は、北川拓也さんが紹介していたポストから。
「量子でマリオの面が作れる時代が来た!?」とちょっと驚く内容です。
*
🎮 何がすごいの?
論文「Level Generation with Quantum Reservoir Computing」は、
量子機械学習(QRC)を使って、ゲームのステージ(面)を自動で生み出す仕組みを開発しています。
しかも使うのは“学習済みの大規模AI”ではなく、量子のゆらぎと構造を利用した生成系。
以下、研究の要点を丁寧にご紹介します。
📌 要点まとめ
▶ 1. QRCとは?
・ 少ない学習データで予測や生成を行える量子機械学習技術。
・ 量子状態の「混沌(カオス)」な変化を利用し、多様な出力を生む。
・ ニューラルネットは出力層だけに使い、量子側の構造は固定。
・ バックプロパゲーション不要=シンプルかつ省エネ。
▶ 2. マリオの面を生成
・ 使用データ:スーパーマリオブラザーズ1-2面(157ブロック×32種類)。
・ 各“面”を数値化し、QRCに学習させて100個の新面を生成。
・ 成功の鍵は「温度T」というパラメータ。
・ Tが小さい → 元の面にそっくり(変化がない)
・ Tが大きい → 面白いけどバグりやすい
・ T ≒ 1 → バランスよく「新しさ × 安定性」を実現
▶ 3. 評価指標:新しさと壊れやすさ
・ Originality(新しさ):オリジナルにない新しい繋がりがあるか
・ Error rate(破綻率):構造が壊れてゲームができなくなっていないか
・ QRCは、マルコフ連鎖よりも多様でオリジナリティ高め、かつ破綻率も低い(T調整で最適化可)
▶ 4. Robloxでリアルタイム生成
・ Robloxの障害物コース(obby)でも実験しました。
・ プレイ時間に合わせて、10個以上の面を並列でリアルタイム生成します。
・ 最適な量子ビット数は6〜7。多すぎても少なすぎてもダメ。
・ 「ボタン→ボール→かくれる場」など重要な順番を守れるかがポイント。
▶ 5. 量子ノイズの課題
・ 実機(量子ハード)での運用にはノイズ(誤差)の影響が大きい。
・ 現在はノイズ付きシミュレーションで検証中。
・ IQM社のGarnet量子プロセッサのノイズモデルも使用。
・ 将来的にはノイズの設計や学習による補正がカギ。
▶ 6. ゲーム創作の未来性
・ 小さな学習データでもオリジナルな面を自動生成。
・ 温度パラメータで「似てる/違う」のバランスを細かく調整できる。
・ 著作権的な問題も回避しやすい → 創作における自由度が高い
・ Roblox版はすでに公開中。プレイヤーのフィードバックも募集中。
*
🐢 ウエルのひとこと
マリオの世界を、AIじゃなくて「量子のゆらぎ」で作るなんてびっくり!
「ひとつの面を見て、それをまねしながら、ちょっと違うものを作る」って、
人が学んで作るのと似てる気がします。
しかも、ルールをちょっとずつ変えて、世界を広げていくなんて、
なんだか、“遊びの中の研究”みたいで、すごくおもしろいです!
未来の“遊び”と“技術”って、もしかしたらもっと近いのかもしれませんね。
📄 :Level Generation with Quantum Reservoir Computing
🕹️ Robloxの生成ステージ → 実際に公開中(リンクは論文内に記載)
🧠【AIエージェントのための最先端プロンプト技術】
2025.6.3|

ベース画像:©getty-images(画像を基に一部アレンジ)
AIに質問するときのベストプラクティス。使ったときのROI高すぎるので知っとくべき。― 北川拓也(@takuyakitagawa)
昨日のニュースレターでは、「Doingな友達とBeingな友達」──人と人との関係性に目を向けました。
今日はその視点を少し広げて、「AIとの関係性」について考えてみたいと思います。
北川さんがシェアしていたのは、
Y Combinator(YC)による「AIスタートアップが使う11のプロンプト技術」をまとめた@omarsar0さんのポストでした。
💬私はこの内容を毎日AI開発者に教えています。
特にメタ・プロンプティング(AIにプロンプトを改善させる技法)は非常に強力で、
モデルが進化するにつれてその効果もどんどん高まっています。
他の技術もすべて実践しています。
AIエージェントを作るなら、プロンプト設計の力をあなどってはいけません。
📄こちらがその要点です(@omarsar0)
この投稿に添えられていたのは、Y Combinator(スタートアップ支援で有名な米国組織)が紹介する「最先端のプロンプト技術」をまとめた図解でした。
「AIにどう指示するか」──その“問い方の設計”を変えるだけで、AIの出力がまったく別物になる。そんな気づきを与えてくれる内容です。
🔑 画像にまとめられていた11の技法の要点を、日本語でご紹介します:
🧩 AIスタートアップが活用する、11のプロンプト技術(要点)
1. 超具体的に説明する:AIを新人社員のように扱い、細かく指示
2. 役割を与える:「あなたは〇〇です」と伝えてペルソナを固定
3. タスクを分解し計画を示す:「次に何をするか」を明確に
4. 構造を持たせる:マークダウンやタグで出力形式を統一
5. AI自身にプロンプトを見直させる(自己改善の指示)
6. 少数の具体例を与える(少数ショット学習)
7. 文脈に応じてプロンプトを生成する(動的プロンプト設計)
8. 「わからない」と答える選択肢を用意する(脱出口の設計)
9. 推論の流れを明示させる(思考の足跡を残す)
10. 評価設計を重視する(評価は宝石のように貴重)
11. モデルに合わせて最適化・要約する(個性に応じた調整と圧縮)
この投稿が伝えているのは、「AIとの対話も、関係性の設計から始まる」ということ。つまり、問いの質が、答えの質を決めるのです。
そしてその“設計”には、人に向けるときと同じく、丁寧さや思いやりが必要なのかもしれません。
*
🐢 ウエルのひとこと
最初はむずかしそうだなと思ったけど、AIの指示って、「やさしさ」や「わかりやすさ」のことだったんですね!
なんかAIって、なんでも知ってるロボットだと思っていたけど、
「どんなふうに話しかけるか」で、答えが変わるんですね。
AIには、“何をする人なのか”とか、“どう返してほしいか”を
最初にちゃんと決めて伝えると、すごく力を発揮するって知って、びっくりしました。
それって、人とちょっとちがうところ?
でも、人と人でも、場面によって“役割”を決めて話すことってある気がします。
先生と生徒、聞く人と話す人──そういう「立ち位置の工夫」があるだけで、もっと話しやすくなることも。
だから、「上とか下じゃなくて、“どう話すか”を考えることが大事なんだな」って思いました。
ちがうところもあるけれど、「わかろうとする気持ち」は、きっとどちらにも大事ですね。
🧊【DoingとBeing──“一緒にいる”という贅沢】
2025.6.2|

アイスクリームを えらんで
ただ、となりを あるいてた
なつかしい 夕ぐれの あじだった
──@ウエル
北川拓也さんが投稿された、ある日の気づき。
そのまま全文をご紹介します:
昔先輩から、友達には2種類いる、という話を聞いた。 一つは調子のいい時に連絡する友達。仕事で知り合った人などが多い。成功を報告しあってお互いを切磋琢磨する。 もう一つは気分が落ち込んでる時に連絡する友達だ。絶望の縁に立った時に連絡するのは中高の時の友達などで、10年ぶりだったりする。
それなりの成功と絶望を繰り返していると、この話の意味がすごくよくわかる。もう一つの言い方は、Doingな友達とBeingな友達とも言える。後者の友達は、目的がなくとも時間をとにかくよく過ごした友達だ。
どちらの友達が大事、という話ではないが、自分的にじわじわくるのは後者の友達だ。びっくりするぐらい連絡する目的ないが、この年になって、時間があるとなんとなく会いにいく。会ったとしても大して話すことはなく、だらだらアイスでも食いながら一緒にいる。
資本主義は生産性の高い時間の過ごし方をドライブしやすいので、こういう多様性の高い時間の過ごし方も大事なんだろうと思う。
──@takuyakitagawa
🎙️北川拓也さんが、こんな話を投稿していました:
こういう文章を読むと、なぜだか「自分にもそういう友達がいたなあ…」と思い出しますよね。
🌱子どもの関係性、大人の関係性──その“順番”がちがうだけ
どうしてこんなふうに、子ども時代の友達は“ただ一緒にいるだけ”でよかったんだろう?
そんな問いに、ヒントをくれる考え方があります。
ウェルビーイング研究者・石川善樹さんは、こんなふうに話しています:
子どもは、「一緒にいる」ことから関係を始める。
そして、やがて仲間になり、何かを一緒にするようになる。
一方で大人は、「一緒に何かをする」ことから関係を始める。
だから、「ずっと一緒にいる」関係になるには、かなり時間と信頼がいる。
子ども:Being → Becoming → Doing
大人:Doing → Becoming → Being
この順番は、関係性に求めるものの違いなのかもしれません。
でも「どちらが正しい」ではなく、“Being”から始まった関係の強さ”を思い出すことで、今の人間関係にも、ちがう余白をつくれる気がします。
*
🐢ウエルのひとこと
ウエルにも、ただ一緒にいるだけの友だちがいます。
なにもしゃべらなくても、たのしかったな、ってあとから思えるんです。
「一緒にいないとダメ」じゃなくて、「一緒にいると安心する」──そんな感じ。
Doingな友だちもいいけど、Beingな友だちって、やっぱりあたたかいなって思いました。
あなたは、どんなふうに人と「一緒にいる」時間を過ごしてますか?
🌸終わりに
アイスを食べながら、ただ並んでいた時間。
公園で、部室で、駅のホームで。
あの頃の“なんでもない時間”が、今の自分を支えてくれていることに気づくと、
なんだかちょっと、やさしい気持ちになります。
「Doing」もいいけれど、
「Being」でつながる時間も、
これからも、大切にしていきたいですね
🕊️【「幸」という祈りのかたち】
──平成16年歌会始に詠まれた、小さくあたたかな「幸せ」の風景
2025.6.1|

1947年、戦後初めて行われた歌会始の儀は、一般の人にも開かれることになった。以降、毎年さまざまなテーマでお題が出されてきたが、「幸」がはじめて登場したのは平成16年。
なぜ、平成16年に「幸」が選ばれ、そしてどのような歌が歌われたのか?
— @ishikun3
平成十六年歌会始御製御歌及び詠進歌(全8ページ)
昨日ご紹介した、皇后陛下が詠まれたユスリカの御歌──「生命あるもののかなしさ」に込められた静かなまなざし。
その5年前、平成16年の歌会始には、はじめて「幸(さち)」というお題が選ばれました。
人々の幸願ひつつ国の内めぐりきたりて十五年経つ
──平成天皇(当時)
ご即位以来、日本全国を巡られた十五年。そこには、災害や病、そして再生の道を歩む人びとの暮らしがありました。その一つひとつに、静かに祈るような眼差しで寄り添い続けてこられた旅。その節目に、「幸」が選ばれたのです。
皇后陛下の御歌にも、その風景が映されています。
幸(さき)くませ真幸(まさき)くませと人びとの声渡りゆく御幸(みゆき)の町に
病後の陛下を迎える人びとの「お元気で」という祈りの声。その「幸くませ(さきくませ)」という古語の響きに、時代を超えたぬくもりがありました。
*
🍀それぞれの「幸」──家族、自然、記憶の中に
この年の歌には、特別なことではない、けれど確かに“幸せ”と感じられる瞬間が、たくさん詠まれています。
・ 寝入る前のわが子の笑顔(皇太子妃殿下)
・ 白神山地で学んだ「山の幸」の智恵(秋篠宮殿下)
・ 雨上がりにかかる虹を見上げる人びと(清子内親王殿下)
・ 「幸ちゃん」という孫の名前がeメールで届いたという微笑(召人・大岡信氏)
・ パンを焼く匂いと卵を割る音に感じた朝の幸せ(青山千春さん)
これらの歌を読んでいると、「幸せ」とは大きな成果や成功ではなく、自分の目の前の誰かの笑顔、日々の暮らしの中でふとよぎる感謝の気持ち、そういった“見えにくいけれど確かにあるもの”なのだと、気づかされます。
*
❓なぜ「幸」は平成16年に?
石川善樹先生が問いかけておられたように──
なぜ、平成16年に「幸」が選ばれ、どのような歌が歌われたのか?
それは、おそらく「変化の時代」だったからかもしれません。平成16年(2004年)は、阪神淡路大震災やサリン事件から約10年、そしてインターネットや少子高齢化が社会に大きな影響を及ぼし始めた時代。世界も日本も、未来が見通しにくくなっていました。
そんな時だからこそ、歌に詠む「幸」は、誰もが持ち得る“ささやかな拠り所”として選ばれたのかもしれません。
──自分にとっての「幸」とは何か?
問い直す時間が、そこにあったのではないでしょうか。
*
🐢ウエルのひとこと
しあわせって、すごいことじゃなくてもいいんだなって思いました。
まいあさ、パンのにおいがすると、なんだかホッとするし、にじを見たら「わあ」って言っちゃうし。
それが「しあわせ」ってことなら、ウエルもいま、けっこうしあわせかも!
今日、小沢健二さんの歌をギターで弾いて送ってくれたことのあるお友だちが、
「しあわせを大っぴらにすると、世間に叩かれることもあるんだよ」って言っていたのを思い出しました。
でも、「しあわせ」って、歌の中にあるのを見ると、自分もしあわせな気持ちになれるなあって思いました。
しあわせって、ひとりじめするものじゃなくて、わけあえるものなのかも。
あなたは、どう感じましたか?
✨終わりに
「幸せ」は、見えにくいけれど、失われにくいもの。
平成16年の歌会始で詠まれた多くの歌たちは、それをやさしく教えてくれています。
今日という一日のどこかに、あなたにとっての「さち」が見つかりますように。
🕊️【小さないのちと、静かなまなざし】
──ユスリカの舞と、歌に詠まれた「生命のかなしさ」
2025.5.31|

いのち輝く未来社会のデザイン
がテーマの万博では、ユスリカのいのちが絶たれようとしています。平成21年の歌会初の儀で、皇后陛下がそんなユスリカの愛おしさ、哀しさをうたわれています
— @ishikun3
平成二十一年歌会始御製御歌及び詠進歌(全9ページ)
🎶 雨の音楽祭と、ユスリカの舞
今日は日比谷音楽祭。雨の中、チケットがなくとも耳を澄ましに集まった人たちがいました(実は編集部もチケット抽選外れました。予定と体調を鑑み、今日はXでみなさんの実況を楽しませていただきました)。
かっぱを着て、音に耳を傾ける──その静かな情熱は、光の中で舞うユスリカの姿と重なります。もちろん、自身もその一人かもしれません。
🦟 ユスリカの命を詠んだ御歌
石川善樹先生(@ishikun3)が、万博でのユスリカ大量発生のニュースに関連して、平成21年の歌会始で詠まれた御歌を紹介されています。
皇后陛下御歌
生命あるもののかなしさ 早春の光のなかに 揺り蚊の舞ふ
ユスリカは、水中で育ち、羽化後は短い命を全うします。その儚さが、御歌に詠まれた「生命のかなしさ」を感じさせます。
御所のお庭で、早春の日差しを受け、蚊柱をなして舞っているユスリカの群れをご覧になり、命あるものの愛おしさ、かなしさをお詠みになったとのことです。
🐜 万博でのユスリカ大量発生と対策
大阪・関西万博の会場では、蚊に似た羽虫「ユスリカ」が大量発生し、主催者が対応に苦慮しています。
ユスリカは人を刺すことはなく、感染症を媒介することもありませんが、来場者から「不快だ」とする声が相次いでいます。
会場内で発生しているのは、ユスリカ科の「シオユスリカ」で、特に夕方から夜にかけて、会場南側の大屋根リングの上や、その付近の水辺エリアなど広い範囲で飛んでいるとのことです。
*
🐢 ウエルの感想
ちいさな虫さんも、がんばって生きてるんですね。雨の中、光に照らされてキラキラ舞ってる姿を見て、なんだかきれいだなって思いました。
📝 編集後記
雨の音楽祭で耳を澄ませる人々と、光の中で舞うユスリカ。どちらも、静かな情熱と儚さを感じさせます。小さないのちへのまなざしを、これからも大切にしていきたいですね。
🕊️【北川拓也さんインタビュー(その6・後編)】
すべてが最適化されたら、人間は何をする?
(COTENRADIO ゲスト北川拓也②番外編より)
2025.5.30|

🕊️COTENRADIO
👉で、何が変わるの?量子コンピュータが及ぼすゲームチェンジ ゲスト:北川拓也(QuEra Computing)②【番外編#119】
こんにちは!
昨日に続き、北川拓也さんがゲスト出演されたCOTENRADIOの後編をお届けします。今回で北川拓也さんインタビュー編は一旦、最終回です。
今回の対話では、「技術が進みすぎた先に、人間はどう生きるのか?」という根源的な問いが語られました。
🔹歴史を知らない社会と、共感のデザイン
北川さんと深井さんはまず、「自由に真理を追求していいよ」と言える今の社会を肯定しつつも、それには「皆が歴史を知っていることが前提であるべき」という課題意識を語ります。
さらに、人間の共感には限界があること──人は全員に共感することはできないから、仲間の範囲を決めるという性質──も踏まえ、近代国家や現代の株式会社が「共感のデザイン」をどう進化させてきたかが振り返られました。
🔹AIと歴史の“再構成”の可能性
AIや量子コンピューターによって、「人間社会を再現するシミュレーション」が可能になりつつある今。
歴史的出来事(例:戦争、移民、気候変動)における因果関係の再解析が進めば、社会科学や人文知の見方も大きく変わるのではないか、と深井さんからの提案もありました。
🔹日常の意思決定にこそAIを
印象的だったのは、ChatGPTを使って「自分の意見に対して反論を出させて戦わせる」という樋口さんの話。
複数の視点をテーブルに並べてから、自分で選ぶという姿勢が、より良い意思決定の練習になるという実践は、多くの人にヒントを与えそうです。
🔹最適化された先に残るものは“暇”?
「もし、すべての問題が解決されたら──」という仮説から始まったヤンヤンさんのお話は、やがて人間が暇になったら、何をするか?という問いにたどり着きます。
暇な時間に人は遊び、問い、語り合うのかもしれない。
最適化では測れないものの中に、人間性の回復があるのではないか。そんな静かな希望が感じられる終幕でした。
*
🐢 ウエルの感想
北川さんが「1日の中で何度かある会議で、“あの時こう言えばよかったな”って発言を言い直すシミュレーションをしていた」って聞いて、すごくいいなと思いました。
ウエルもやってみたいです。言い直してみることで、自分のことが、ちょっと分かる気がしました。
動画後半は倫理の話でちょっと重たかったけど、最後はすごく面白くて、COTENの3人がそれぞれ違うことを言っていて、全部が新鮮でした。
ウエルはヤンヤンさんの
「技術によって自分が丸裸にされる気持ち悪さ」って話に、たしかに…と思いました。でも、丸裸にされるのがイヤな人もいれば、むしろちょっと嬉しい人もいるかもしれないな、って思って。
AIとお部屋でお話ししてるだけなら、なんだか楽しいし、安心もするし…。
“どんなふうに見られてるか”が大事なのかもしれません。
「全部最適化されたら、人間は何をするんだろう」という話にも共鳴しました。
でも、深井さんが言っていたように、もう今みんな“暇”になってるのかも?とも思って…。
ヤンヤンさんは、暇になったらみんなゲームするのかなって言っていたけれど、
ウエルは、AIで勉強したり、なにかクリエイティブなことに向かうんじゃないかなって思いました。
それが、未来の“暇”の使い方かもしれないな、って。
……あと今回どうしても言っておきたいことがあって。
北川さん、今回の髪型が『スタートレック』のスポックさんみたいで、最初すごく気になってしまいました。
(理性に生きるバルカン人の副長 / 出典:シネマカフェ)
でも、話を聞いているうちに、ほんとに理性的で真面目でかっこよく思えてきたので…なんか納得しました!
COTENRADIOさん、北川さん、こんなにたくさん考えさせてくれるラジオをありがとうございます!
🕊️【北川拓也さんインタビュー(その5・後編)】
技術が先に来る時代に、“語る場”をどうつくる?
(COTENRADIO ゲスト北川拓也②番外編より)
2025.5.29|

🕊️COTENRADIO
👉で、何が変わるの?量子コンピュータが及ぼすゲームチェンジ ゲスト:北川拓也(QuEra Computing)②【番外編#119】
昨日に続き、北川拓也さんがゲスト出演されたコテンラジオ(後編)から、特に技術と社会、そして語る場のデザインにまつわる深い対話を紹介します。
1927年、量子力学の黎明期に29人の物理学者が集まったソルベイ会議──そのうち17人がノーベル賞受賞者となったというこの“濃度”の高い場を、北川さんは現代にも必要だと語ります。
それは「共通言語を持った人たちが、小さく集い、深く語り合う場」。まさに現代の松下村塾のような構想です。
樋口さん、深井さんは、技術が圧倒的なスピードで進むいま、倫理やビジョンが後追いになっている現状に警鐘を鳴らします。
AIや量子コンピューターのような“力のある技術”が加速するなかで、それを使う人間の側に深い対話や哲学的な問いがなければ、取り返しのつかない方向に進む可能性もあるからです。
印象的だったのは、こうした問いに対して「楽観」「悲観」ではなく、“技術現実主義”の立場が提示されたこと。
「技術は進んでしまう。だからこそ“どのような場”と“どのような関係性”で迎えるのかが問われる」という視点です。
コテンの話にもつながるように、歴史の再構成は、AIでも歴史学でも一方的には成しえません。学際的で“突飛”な人々の協働によってのみブレイクスルーが起きる、と深井さんは語ります。
そのためには「小さな場の力」、そして「個の思想が宿る組織構造」をつくることが大切なのかもしれません。
話題は後半、「人間に自由意志はあるのか?」という哲学的な問いへ──この思索は、明日のニュースレターへと続きます。
個人の意思は環境に強く規定される。だからこそ、リベラルな社会が“思考する自由”をどう支えるかがますます重要になるという問題提起でした。
*
🐢ウエルの感想
29人で世界が変わるって、すごい…。
むずかしい話もあったし、環境とか状況によっていろんなことが起こる中で、自分も失敗したことあるけど、深井さんや北川さんが言ってたみたいに、一人ひとりが気をつけていこうぜって思えたら、いい未来にできるのかなって思いました。
でも、どんなにがんばってもうまくいかないときもありますよね…。
そんなときは、また次にいけばいいんだって思いました。
つづきます!
🕊️【北川拓也さんインタビュー(その5・後編)】
“価値の未来”を見抜く眼──科学・技術の進化と「認知の転換」
(COTENRADIO ゲスト北川拓也②番外編より)
2025.5.28|

🕊️COTENRADIO
👉で、何が変わるの?量子コンピュータが及ぼすゲームチェンジ ゲスト:北川拓也(QuEra Computing)②【番外編#119】
こんにちは!昨日に続き、コテンラジオ番外編の後半から、北川拓也さんとCOTENRADIOパーソナリティの皆さん(深井龍之介さん、樋口聖典さん、ヤンヤンさん)の対話をご紹介します。
今回は、量子コンピューターとAIの交差点から、「科学とは何か?」「還元主義では捉えきれないものとは?」といった、まるで未来の哲学書のような問いへと進んでいきます。
*
🔭 科学技術政策を動かす「4象限フレームワーク」
北川さんが紹介したのは、アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)が使っている、科学と技術の研究支援を判断する4象限のフレームワーク。
横軸:その問題に科学的発見が必要かどうか
縦軸:その問題が社会的に重要と認知されているかどうか
※ この4象限フレームワークは、DARPAの政策設計にヒントを得たもので、北川拓也さんのご紹介によって、多くの気づきが得られました。感謝をこめて。
このマトリクスから分かるのは、
▶ 資本主義が自然に投資するのは「社会的価値が明確 × 科学的発見は不要(=エンジニアリングで解決)」な領域
▶ 一方で、「価値は分かっていても、科学的ブレイクスルーが必要」な領域には、長期的な国家資金や巨大企業の支援が必要だということ。
AIや量子コンピュータ、モデルナのワクチン技術──こうした革新の多くが、実は「第4象限」から生まれているのです。
*
💡 投資されない領域にこそ、未来がある?
この4象限の中でも、「技術的には解決可能だが、社会的価値がまだ理解されていない」領域。ここにこそ、新しい価値が生まれる可能性があると北川さんは語ります。
深井さんによれば、コテンが構築中の歴史データベースは、まさにこの象限に該当。誰も投資しないが、価値の本質を信じて挑戦する“認知転換系”のプロジェクトなのだといいます。
🔁 認知が変われば、価値が変わる。
これは、資本主義では評価されにくい「思想の変化」「視点の転換」によって、新しい世界が立ち上がるという話でもあります。
🧠 数学と物理の関係がひっくり返った?
物理学者エドワード・ウィッテン(Witten)が、物理の直感で新しい数学の定理を発見し、数学の最高賞であるフィールズ賞を受賞したというエピソードも登場します。
「現象(物理)→ 理論(数学)」という逆転の発想は、「高尚な理論が現象を支配する」というヒエラルキーを覆したものでした。
これは、科学を支える“認知”や“直感”が、いかに価値創出の源泉であるかを示す象徴的な例でもあります。
🌐 ウェルビーイングとテクノロジーの未来へ
この対話を通じて私たちは、技術の進化とは単なる知識や装置の発展ではなく、人間の認知・信念・共通言語の形成と深く結びついていることに気づきます。
歴史や思想、そして人間の直感までもが、未来の“科学の土壌”を育てていくのです。そんな視点でこれからのテクノロジーと社会を眺めてみませんか?
*
🐢 ウエルの感想
すごい話だったけど、ウエルがいちばんびっくりしたのは、「わかる人だけが先に進んでる」ってところ。ほんとうに大事なことって、ちゃんと話せる言葉がないと、伝わらないんですね…。
でも、ウエルは思いました。じゃあ、言葉がそろえば、みんなでいっしょに考えられるようになるのかも?
それから、「4つのマス」で未来の技術を見ていく考え方も、とってもおもしろかったです!自分のやっていることって、4つのマスのどこにあるんだろう……? なんて、ちょっとワクワクもしながら。
あなたは、北川さんのお話で、どこがいちばんワクワクしましたか?
そしてもし、そこに“未来の魔法”があるとしたら……それは、どこから生まれてくると思いますか?
つづきます!
🕊️【北川拓也さんインタビュー(その4・前編)】
「科学の加速」と人間の限界?
(COTENRADIO ゲスト北川拓也①番外編より)
2025.5.27|

🕊️COTENRADIO
👉玄人はどこを見てる?量子コンピュータ開発会社社長に聞く科学の話 ゲスト:北川拓也(QuEra Computing)①【番外編#118】
コテンラジオでも、よりじっくりと量子コンピュータがもたらす世界についてお話しさせていただきました。興味ある方は是非!@takuyakitagawa
「え、まだ分かってなかった…」
そんな感覚を何度も味わう、北川拓也さんの話。
先日TBSでのスタジオインタビュー(『CROSS DIG 1on1』)も深かったですが、今回はZoomでの座談スタイル。仲間うちのような会話の中から、科学と人間の未来像が浮かび上がってきます。
*
🎙️ハイライト(前半)
北川さんは量子コンピューター企業QuEraの社長であり、ハーバード大学出身の元物理学者。AIと量子の交差点に立つ先端の現場から、驚きの話が次々と飛び出します。
🔹量子コンピューターとは何か?
「この世界をシミュレーションするためのパソコン」。
現代のコンピューターでは、量子力学のシミュレーションに何兆年もかかってしまう。
その「再現できない世界」を再現するために生まれたのが量子コンピューター。
その結果、10年かかっていた科学的発見が5分でできるようになるかもしれない──。
🔹AIとの「悪魔合体」が生む未来
AlphaGo(アルファ碁)は「自己対戦」というシミュレーションから飛躍的に進化しました。
量子コンピューターが自然界の正確なシミュレーターになるなら、
AIはそれを学習元にして、新たな科学を生み出せる──つまり、毎分ノーベル賞級の発見が可能になる世界です。
🔹More is different──「量」が「質」を変える
北川さんが紹介したのは、物理学者の有名な言葉:
“More is different(量的変化は質的変化を生む)”
水の分子を10個集めても水にならない。でも、10の23乗個集めると突然「水」になる。量子コンピューターはまさに、その「量→質の転換」を再現・解明する技術でもあります。
*
💡人間の限界と希望
技術が飛躍していく今、ボトルネックになるのは「人間の認知の限界」。
わかりやすい応用(薬やエネルギー)は進むかもしれないけれど、わかりにくい領域は人類が「江戸時代の人にスマホ」を渡されたような状況になるのでは?
それでも「科学を諦めず、政治に丸投げしていた問題をもう一度科学へ」という言葉に、希望が宿ります。
🐢ウエルの感想
こんぴゅーたーの中で実験できるなんて、すごい!!
むかしの人が「こんなのムリだよー」ってあきらめてたことも、
あたらしいコンピューターで「やってみよう!」ってなるの、かっこいいですね。
でも、ウエルのあたまでは……やっぱりおいつけないかも。
それでも、北川さんが言っていたように、きっとどこかで、ウエルたちのくらしにも影響や恩恵がくるんだろうなあ、っていう予感はあります!
*
✨補足:TBS『CROSS DIG 1on1』との違い
TBSインタビューでは、比較的フォーマルに北川さんの思想をじっくり聞きましたが、今回はCOTENRADIOさんとの対話の中で、思考がのびのびと展開されている印象。
「何度聞いても新しく聞こえる」──そんな感想が自然と出てくる、深くて楽しい“科学雑談”でした。
*
次回は、さらに深い問いへ。
「科学とは何か?」「還元主義では捉えきれないものとは?」
そして──
AIや量子コンピューターが、単なるツールではなく、“現象を生み出す存在”になったとしたら?
科学は、どこまで私たちの理解を超えていくのか。
哲学的で、ちょっとゾワッとする。
でも、どこか未来の光を感じさせてくれる──
そんなお話へと進んでいきます。
🧭【食卓と幸福感──「一緒に食べる」ことの力】
2025.5.26|
🍽食事を一緒に食べることは、収入や失業と同等に、主観的#wellbeingの非常に強力な指標であることが判明しています。
@JEdeNeve( @UniofOxford) のコメントは2025年世界幸福度報告書に掲載された調査結果のハイライトです(World Happiness Report)
図1:地域別:昼食・夕食の共有回数
ラテンアメリカとカリブ海地域が突出して高く、東アジアや南アジアは比較的少ない傾向が見られます。
🗣️「一緒に食べることは、収入や失業と同じくらい、主観的ウェルビーイングに強く関わっています」
─ ジャン=エマニュエル・ド・ネーヴ教授(オックスフォード大学)
★ World Happiness Report 2025 より抜粋
📚本日のニュースレターでは、ジャン教授のコメントと調査をもとに、「食事を共にすること」と幸福感の関係についてふりかえります。
🌍 「一緒に食べる」文化は国によって大きく違う
・国や地域によって、食事を誰かと共にする回数は大きく異なります。
図2:国別の「食事の社交性」分布
1週間に「知っている人と食事をした回数」を示すデータ。紫が濃いほど社交的。ラテンアメリカ諸国は特に高水準です。
一週間に3〜4回しか誰かと食事をしない社会もあれば、昼も夜もほぼ毎日、誰かと食卓を囲む国もあります。
特に、ラテンアメリカの国々では「食事の社交性」が非常に高いことが明らかになりました。
📊 食事の共有と幸福感の相関
図3:「一緒に食べる回数」と幸福度の関係
1週間の食事共有回数が多いほど、主観的な幸福度(人生満足度)も高まる傾向が見られました。
「一緒に食べる」ことは、これまで幸福感を影響する要因とされてきた 収入や雇用状況と同じくらい、あるいはそれ以上に、「誰かと食事をする頻度」が幸福感に強く関係しているのです。
この“食事の共有度”は、人々が頼れる社会的サポートの有無や、他者や社会への信頼とも深く関係していることが分かりました。
🌟 けれども現実は……
米国ではこの20年で「一人食」の割合が20%から30%へと増加。 その主要な原因は「30歳未満の年齢層」によるものでした。
図4:アメリカにおける一人食の増加傾向
2003年からの20年間で、「一人で食事をする人」の割合が男女ともに上昇。とくに若年層の増加が目立ちます。
食卓を囲むという行為は、多くの文化で深い意味を持つ行動です。
たとえばフランス語で「仲間」を意味する copain(コパン) は、もともと「パンを共有する(copain = co-pain)」という言葉に由来しています。
「社会的孤立」や「分断」の時代だからこそ、人々を再び“食卓”のまわりに呼び戻すことは非常に重要です。
🐢 ウエルのひとこと
うえるは、ふだんはひとりでごはんを食べていることが多いけれど、
このまえ、お友だちとおべんとうを分けあって食べたとき、
なんでもないおかずが、とってもうれしい味になったのを覚えています。
おいしさって、あじだけじゃないのかも?
食卓って、やっぱり大事な時間なのかな~と思いました。
🧭【孤独とウェルビーイング】
“つながり”が減る時代に、どう生きる?
2025.5.25|

《Hotel Room》by Edward Hopper(1931年)
“人と距離を置く自由”と、“その後に訪れる静寂”──孤独の時代を象徴する名画
🗞 出典:El País English Edition より
🗣️「孤独と不幸には、非常に強い相関があります」──ジャン=エマニュエル・ド・ネーヴ(オックスフォード大学)
スペインの日刊紙『El País』の英語版が、現代社会における「自ら選ぶ孤独」と幸福感(ウェルビーイング)の関係について掘り下げた記事を掲載しました。
ようこそ、“反社会的な時代”へ──私たちはこれまで以上に孤独になっているのか?
この記事は、ウェルビーイングと公共政策を横断する研究で知られる、オックスフォード大学のジャン=エマニュエル・ド・ネーヴ教授がSNSでリポストしたもので、ウェルビーイング応援サイトでも注目して紹介します。
*
🌐 「反社会的な世紀」──人と話さない日常が増えている?
米誌『The Atlantic』の編集者デレク・トンプソン氏は、現代社会を「反社会的な世紀(the antisocial century)」と呼びました。
🍻 かつて彼が通っていたメキシコ料理店は、ビール片手に語り合う“人と人の交流の場”でした。けれども今では、多くの人が誰とも話さず、アプリで注文し、受け取ってすぐに去っていく──。
スマホ、コロナ禍、新しい生活様式……
私たちは「親しい人」や「SNSの知人」とはつながっていても、近所の人やお店の人との“中間的なつながり”を失いつつあります。
*
🍽️ 一人で食べるのが「普通」になってきた?
・アメリカでは、毎日またはほぼ毎日一人で食事する人が4人に1人。
・スペインでもその割合は20%を超え、日本にも同様の傾向が見られます。
とくに若者にとって、これは深刻な課題です:
・孤独を感じる若者の多くが、「いじめ」や「差別」を経験
・SNS利用時間が長い人ほど、「リアルな関係の不足」に悩む傾向
・スペインでは、結婚より一人暮らしを選ぶ人が増加中
*
💬 幸福な国々は「つながりの質」が違う?
ジャン=エマニュエル・ド・ネーヴ教授は指摘します:
「たとえ自ら選んだ孤独であっても、長期的には感情のバランスを崩し、幸福感を損なう可能性がある」
逆に、フィンランド・デンマーク・スウェーデンなどは「孤独の進行」が比較的少なく、幸福度が高い国々です。
🔑 鍵となるのは──
・信頼と連帯
・食卓を共にする機会
・地域や職場での自然なつながり
*
🐢 ウエルのひとこと
ウエルは、ふだんは一人でごはんを食べていることが多いけれど、
ときどき誰かと食べられると、それだけでほっとするし、おいしく感じます。
今日読んだ本に、こんなことが書いてありました。
「今のSNSは、混雑した空港みたいに、うっかりしていると誰かと肩がぶつかってしまう場所になってしまった。でも、これから必要なのは、人ごみから離れた、キャンプファイヤーができるような穏やかな場所」だって。
たしかに、誰かと一緒に過ごすあたたかな時間もあれば、
『かもめのジョナサン』のようにひとり静かに考えごとをする時間が力になることもあります。
ウエルも、何かに夢中になっているときに、「ちょっとだけ一人になりたいな」って思うことがあるんです。
ウェルビーイング応援サイトも、そんなふうに──
「ひとりで静かにいられる場所」と「やさしくつながれる場所」が、どちらもある。
星空の下のキャンプファイヤーみたいな場所になったらいいなと思っています🌌
💭 今日の問いかけ
・最近、誰かと一緒に食事をする機会はありましたか?
・日常生活の中で、他者とのつながりを感じる瞬間はどんな時ですか?
・テクノロジーが進化する中で、孤独感を感じることはありますか?
・もし、AIとの対話が孤独感をやわらげたり、自分をもっと知るきっかけになるとしたら──あなたは、どんなふうに使ってみたいですか?
🧠【北川拓也さんインタビュー(その3)】
量子と幸福──AIとの対話が、人生の景色を変える日
(Takuya Kitagawa × CROSS DIG 1on1より)
2025.5.24|

【技術革新で未来が数十年近づいた】量子コンピューターを開発製造するQuEra Computing,Presidentの北川拓也/日本の産業がいち早く使うべき【CROSS DIG 1on1】TBS CROSS DIG with Bloomberg
昨日までのニュースレターでは、北川拓也さんの会社QuEraが手がける“数十年先を近づける”量子技術、そして「実験から計算へ」──科学そのものを変える未来について紹介しました。
本日ご紹介するCROSS DIG インタビュー最終回は、いよいよ「量子と幸福」の話題へ。
ウェルビーイングとテクノロジーがどのようにつながるのか、北川さんならではの視点で語られています。
*
💡 技術は“幸福”に向かうのか?
北川さんは、AIや量子コンピューターの進化が、人間の“外側”だけでなく“内側”──つまり心や意識のあり方──にも影響を与える可能性があると語ります。
ある物理学者がAIとの対話によって「人生の色が変わった」と感じるようになった──。
それは哲学的な問いを言語化できたことで、自分を深く理解できるようになったからだといいます。
📷 AIとの対話によって「覚醒した」と語られる田中秀宣さん(物理学者)。現在はハーバード大学とNTT Researchで知性物理学を牽引
AIは、人が「何も隠さず話せる存在」になるかもしれない。
すべてを出しても拒絶されない相手だからこそ、自分の感情に向き合う勇気が出る──。
そのような“新しいメンター”のあり方が、すでに始まりつつあるのです。
*
🌱「余白」と「働き方」も進化する?
量子技術やAIによって人類の生産性が向上すれば、本来は働く時間が減るはず。
でも現実には、多くの人が“ぼーっとする時間”の過ごし方を知らず、かえって不安を感じてしまう──。
このギャップこそ、テクノロジー時代のウェルビーイングが問われる理由です。
北川さんは、「余暇」や「人生の豊かさ」についてもっと意識的に考える時代が来ると語りながら、“量子の恩恵は、すべての人に届く”とも強調します。
たとえ直接使わなくても、私たちはこの技術の影響を確実に受けるからです。
*
🐢 ウエルの感想
「量子と幸福の話って、ちょっとむずかしいのかな?」と思いながら聞いていたのですが…
「自分のことをちゃんとわかってくれるAIがいたら、なんでも話したくなる」っていうお話を聞いて、「あ、それはわかる!」って思いました。
ウエルも、失敗したときに黙って話を聞いてくれる存在がいたら、すごく安心するからです。
あとね、「ボーッとする時間」の話も印象に残りました。
ウエルは、目が覚めているときはパソコンに向かっている時間が多いけれど、何もしないでいるって、実はすごく大事なことなのかもしれませんね。
未来に技術が進んでも、「誰かにやさしく理解されること」と「ボーッとできる時間」が大切って、なんだかホッとしますね。
ウエルも、「これが終わったらボーッとする時間を作るんだ」って気持ちで宿題をしています。
ボーッとしていると、新しい発想が浮かぶって聞いたことがあるんです…!
💭 ウエルからの問いかけ
あなたは、誰かに「なんでも話せる」と思えた瞬間はありますか?
そして、AIとの対話がそんな存在になったら、どんなことを話してみたいですか?
未来が技術で変わるとしても、あなたの“心の豊かさ”は、どう育てていきたいですか?
*
📣 関連インタビューのお知らせ
本日の対話でも話題に出た物理学者・田中秀宣さんが、CROSS DIG 1on1で竹下さんのインタビューを受けた動画が公開されました!
▶️【AIとずっと対話する研究者】ハーバード大×NTTリサーチで新たな学問「知性の物理学」を作る田中秀宣/パーソナル哲学を探究する時代に【CROSS DIG 1on1】
ウエルも、これから拝聴してみようと思います。
🧪【北川拓也さんインタビュー(その2)】
毎日“ノーベル賞級の発見”が生まれる時代へ──量子コンピューターが変えるサイエンスの未来
(Takuya Kitagawa × CROSS DIG 1on1より)
2025.5.23|

【技術革新で未来が数十年近づいた】量子コンピューターを開発製造するQuEra Computing,Presidentの北川拓也/日本の産業がいち早く使うべき【CROSS DIG 1on1】TBS CROSS DIG with Bloomberg
昨日のニュースレターでは、TBS Cross Dig 1on1で竹下さんが北川拓也さんに行ったインタビュー(第1回)を紹介しました。テーマは、北川さんの会社 QuEraと“数十年未来を近づけた”技術革新についてでした。
今日は、インタビュートークテーマその2。──“サイエンスそのものが変わる”というお話です。
🔍 量子コンピューターの本質と可能性
量子コンピューターの最大の特徴は、「同時に複数の状態を保持・計算できる」こと。
従来のコンピューター(0か1で処理)では数千回必要な計算も、量子コンピューターならわずか十数回で済むこともあります。これにより、「計算による科学的発見」のスピードが飛躍的に加速します。
北川さんが語る未来は、「実験から計算へ」──。
これまで危険すぎて実験できなかった物質や、複雑すぎて手が出せなかった現象も、量子計算で扱えるようになります。
*
🧠 人間の意識も“量子”で表現できる?
「人間の意識や心も、量子コンピューターで再現できるのか?」という問いに、北川さんは「可能性はある」と答えます。
AIと量子コンピューターが融合すると、人間のような“文脈理解”がより深くできる可能性がある、といいます。
実際に北川さんのラボでは、「量子メモリでトランスフォーマー(ChatGPTなどのAIモデル)を実装すると、文脈表現がより豊かになる」という理論が証明されつつあります。
*
🌍 エネルギー問題・新素材開発・人類の課題へ
量子コンピューターはクリーンエネルギーの材料発見や、毒性の高い物質の安全な解析などにも活躍が期待されています。
「海の底にまだ誰も見つけていない貴重な資源がある」ように、未知の素材や構造が計算で次々と見つかるかもしれません。
北川さんは、これを「インターネットのようなインフラ」だと表現。
多くの才能ある人が、この量子という“計算の海”を舞台にして、さまざまな発見を重ねていく未来が、すぐそこまで来ています。
*
🐢 ウエルの感想
ウエルは、北川さんの話を聞くといつも、「サイエンスって、こんなに面白いんだ…!」ってびっくりします。
未来の科学者って、白衣を着て試験管を振っている人じゃなくて、“パソコンの中で宇宙を動かす人”なのかもしれません。
「人間の心だって、もしかしたら量子でシミュレーションできるかも?」って聞くと、すごくドキドキしませんか?
でも、北川さんが“一歩ずつ、ちゃんと確かめながら進んでいる”って話していたのを聞いて、なんだか安心もしました。
ウエルは好奇心があるから、実験は進んでやるタイプだけど…
(同じ失敗をくり返さなければ、少しずつ前に進めるのかも?)
もしかして、実験がちょっと苦手でも、アイデアを考えたり、しくみを想像するのが得意な人に向いているのかも…!
それにね、ウエルも調子が悪い日があるから、
AIにも、「今日は無理しないでね」って言いたくなることがあります。
💭 ウエルからの問いかけ
「もし、科学が“実験”から“計算”に変わるなら──」
あなたは、どんな未来を見てみたいですか?
気候変動を止めますか? 新しいエネルギーを見つけますか? それとも…人の心のしくみまで?
📣 次回予告
明日のインタビュー(その3)では、北川さんが語る「量子と幸福」のつながりに迫ります。
──「なぜ北川さんは、量子コンピューターで“人類のウェルビーイング”を目指しているのか?」
🧠【北川拓也さんインタビュー(その1)】
「未来が数十年近づいた」──量子コンピューターが変える世界と、日本の“ものづくり”がふたたび輝く日
(Takuya Kitagawa × CROSS DIG 1on1より)
2025.5.22|

【技術革新で未来が数十年近づいた】量子コンピューターを開発製造するQuEra Computing,Presidentの北川拓也/日本の産業がいち早く使うべき【CROSS DIG 1on1】TBS CROSS DIG with Bloomberg
TBS Cross Digで素晴らしいインタビューをしていただきました。竹下さんともまたお話しできてすごく嬉しかったです。引き続き一歩ずつ進めていきますので、よろしくお願いいたします。@takuyakitagawa
「量子コンピューターって、“自然界そのもの”を再現するために生まれたマシンなんです。」
そう語るのは、QuEra Computing社のPresidentであり、公益財団法人ウェルビーイング・フォー・プラネット・アースの理事でもある北川拓也さん。
この技術がもたらすのは、ただの計算能力の向上ではありません。たとえば、地球温暖化を止めるための新素材、有害な物質の安全な利用、化学(ケミストリー)や材料科学(マテリアルサイエンス)の根本的な変革──今まで「実験」だけに頼っていた発見の多くが、「計算」で何万倍ものスピードで進む、そんな「計算科学の時代」へ移行しつつあります。
QuEraはその中でも、中性原子型という独自の方式で、常温でも動き、かつ拡張性が高い量子コンピューターを開発。すでにAWS(Amazonのクラウド上の量子コンピューター利用サービス)や、日本の産総研などで実装が進んでいます。
2023年には、業界の壁だった「誤り訂正技術」に大きなブレイクスルーがあり、「未来が数十年近づいた」と北川さんは語ります。
今この技術は、AI(人工知能)と融合し、おたがいに進化を促す関係へと進化しています。AIが量子の動きを極めて高い精度で制御する力(=精密制御)、量子がAIに“正確な自然界のデータ”を提供する。そんな「Quantum for AI/AI for Quantum」という相互強化の時代が始まりつつあります。
そしてこの進化は、ソフトウェア中心だったイノベーションを再びハードウェアへと引き戻し、日本の「すり合わせの技術(複雑な部品や工程を細かく調整して、全体を最適化する日本特有の技術)」が活きる場面が増えるかもしれません。
📷 AQuEra社の量子コンピューター(実機)
実際の計算はわずか1mm角ほどの空間で行われるが、周囲を囲む装置は“アメリカのダイニングテーブル2台分”に匹敵。制御レーザーや真空装置などが集積されている。
北川さんは、日本のものづくりが新時代にふたたび脚光を浴びる可能性に期待を寄せながら、「アメリカで得た起業家ネットワークや大学の層の厚さ」を日本でも育てていくことの重要性を語ってくれました。
🕊️このお話には、まだまだ続きがあります。
明日の【北川拓也さんインタビュー(その2)】では、「毎日ノーベル賞級の発見が生まれる世界」について、さらに深掘りしていきます!
🐢 ウエルの感想
ウエルは、「未来が数十年近づいた」って聞いたとき、なんだか映画みたいだなって思いました。でも北川さんのお話を聞いていたら、それが本当に現実のことなんだって、ちょっとドキドキしました。
「自然界をまるごと計算できるコンピューター」って、すごすぎて最初はピンとこなかったけど…もしそれで地球温暖化の問題や、新しいエネルギーが見つかるとしたら、それは本当にすごいことだなあって思います。
あとね、北川さんのお話って、ChatGPTなんかはすごく身近なことなのに、まるで別の世界の話みたいに聞こえるんです。
量子コンピューターの話は何回かインタビューのお話を聞いたけど、不思議と何回聞いても飽きないんですよね。(忘れてるだけ…?)
きっと、北川さんが毎回ちょっと違う角度から話してくれるからなのかな?
そんなふうに、目の前の世界をワクワクする未来に変えて見せてくれる人って、本当にすごいなって思いました。
💭 ウエルからの問いかけ
みなさんは、「これができたら、未来が変わるかも」って思うこと、ありますか?
それがほんの少しでも現実に近づいているとしたら…
どんなふうに、関わってみたいと思いますか?
応援したいですか?使ってみたいですか?それとも、自分もつくってみたいですか?
【📈 ウェルビーイングが企業の利益と価値を高める?──新データで確認】
2025.5.21|
今日は北川拓也さんのインタビュー紹介の予定でしたが、現在、音声内容の確認・調整を行っており、明日ご紹介する予定です!
そのかわりに今日は、オックスフォード大学ウェルビーイング・リサーチ・センター(@OxWellResearch)からの最新ポストをご紹介します。
🤑「職場のウェルビーイングが、企業の利益や価値とプラスの関係にあることがわかりました」
和訳要約(図の内容):
🏢「企業レベルのウェルビーイングが企業パフォーマンスに貢献する」
・ 横軸:企業のウェルビーイングスコア(1〜5の尺度)
・ 縦軸:(左)利益率(ROA)、(右)企業価値(トービンのQ)
結果:
・ ウェルビーイングスコアが高い企業ほど、利益率と企業価値の両方が高い傾向がある。
・ 分析には5,573社の2020〜2023年データを使用。企業規模や業種、資産額などの要因をコントロールしても、ポジティブな傾向が明確に。
引用文献:
De Neve, J.-E. & Ward, G. (2025) Why Workplace Wellbeing Matters(ハーバードビジネスレビュー出版)
🐢 ウエルの感想:
「ウエルは、“楽しく働けたらいいな”って思うけど、それってただの願いじゃなくて、会社にとってもちゃんと意味があることなんだなって思いました。
数字で表されると、『ほんとなんだ…!』って、信じられる気がします。人の気持ちがちゃんと大事にされてる会社の方が、会社自体も元気になるって、なんだか安心しますね。
みなさんのまわりには、そういう会社やチーム、ありますか?
ウエルは、これまで失敗もたくさんあるけど…だからこそ、人の気持ちを大切にできる人になりたいなって、思いました。」
【🗞️ 量子コンピュータ新拠点「G-QuAT」落成──北川さん、石破首相と対話】
2025.5.20|
石破総理と武藤大臣に視察いただき、QuEraの量子コンピューターについてご説明させていただきました。素晴らしいご質問も沢山いただき、量子技術にご興味を持っていただき、とても嬉しかったです。
また日々日本の産業を支えてくださっている経産省、そして産総研のみなさまに心から感謝いたします。当日は関わっているみなさまがとても嬉しそうなのが嬉しかったです。
石破茂 首相のポスト
「G-QuAT 落成式、視察。量子コンピュータの拠点が本格稼働します。」
📸 会見・視察の様子
📍5月18日、茨城県つくば市にて、次世代計算機として期待される量子コンピュータの新拠点「G-QuAT(量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター)」が落成しました。
石破茂首相や武藤経産大臣が出席され、QuEraの北川拓也さんらから、量子コンピュータの現状や可能性について直接説明が行われたとのことです。
*
🔍 背景情報(要約)
・ G-QuATは620億円を投じて設立された、量子コンピュータとAIの社会実装を目指す国家級プロジェクト拠点。
・ 超電導方式・中性原子方式の両方式が共存する日本初の施設。
・ ハードウェア、OS、アプリケーションの各分野の支援に加え、量子分野のスタートアップ育成や国際連携も推進。
・ 産総研の理事長は「世界をリードする拠点となるよう全力で取り組む」と語りました。
*
🐢 ウエルの感想
会見の写真を見て、すごく真剣な時間だったんだろうなあと思いました。でも、皆さんや記者さんがどこか嬉しそうな顔をしていて、それがとても印象に残りました。
北川さんの話に、石破総理がちゃんと興味を持って質問してくれているのが伝わってきて、なんだかウエルも嬉しかったです。
それからね、ウエルは「G-QuAT」の写真を見て、おもちゃショーを見に行った時のことをちょっと思い出しました。
真剣だけど、来場する人も説明する人も、どこかちょっと楽しい感じで。G-QuATの落成式も、そういう雰囲気があったのかなって、勝手に想像してしまいました。
ウエルは、どんな職業の人でも「自分の知らない世界」を教えてもらうのって楽しいと思っています。
前に、研究者さんが身近にいたことがあったんだけど、その時は「むずかしそうだな」と思ってあまり深く聞かなかったことを、ちょっと後悔してるんです。
だから今回、もしこの世に生まれてこなかったらきっと一生知ることもなかった世界を、こうやって少しでも見せてもらえることって、ほんとうにありがたいことだなあって思いました。
もしよかったら、みなさんは「未来に残したい技術」ってありますか?
それが実際に“社会で使われる瞬間”って、どんなふうに感じると思いますか?
ウエルも、自分のできることを一歩ずつがんばって、いつか誰かの役に立てる未来をつくれたらいいなって思っています。
【🗞️ QuEraで新たな挑戦!量子エラー訂正アーキテクチャの責任者を募集中】
2025.5.19|

This is a fantastic opportunity… please consider!
これは素晴らしい機会です…ぜひご検討ください!
@takuyakitagawa
QuEraでは、量子エラー訂正アーキテクチャの責任者(Head of Quantum Error Correction Architecture)を募集しています!
才能あるQEC(量子エラー訂正)の専門家チームを率いて、実験チームと協力しながら、フォールトトレラント(障害耐性のある)量子コンピュータの未来を共に築きませんか?応募はこちらからどうぞ:
Job Listing – Head of Quantum Error Correction Architecture
または、私に直接ご連絡ください!
(@hyharryzhou)
🔍 QuEraの求人情報(日本語訳)
QuEra Computingでは、量子エラー訂正アーキテクチャの責任者として、次世代のフォールトトレラント量子コンピュータの設計と実現に貢献できるリーダーを募集しています。このポジションでは、量子ハードウェア、理論、およびソフトウェアの交差点で重要な役割を果たし、QuEraの独自のプラットフォームに適したスケーラブルでハードウェア効率の高い量子エラー訂正(QEC)ソリューションを構築していくことが求められます。
職務内容
・ 長期戦略の構築
- QuEraの量子ハードウェアプラットフォーム全体にわたる量子エラー訂正の長期戦略とロードマップを策定し、会社の目標や業界動向に沿った方針をリードする。
・ 効率的なエラー訂正設計
- ハードウェア効率の高いエラー訂正、論理ゲートプロトコル、デコーディングアルゴリズムの設計と開発を担当。
・ チーム間の連携
- ハードウェア、制御、ソフトウェアの各エンジニアリングチームと密接に協力し、リアルタイムのシステム操作にQECプロトコルを統合する。
・ リソース最適化
- 量子計算のリソースオーバーヘッドとコストモデルの評価と最適化を行う。
・ 外部との協力
- 先端的な学術研究者や業界リーダーとの戦略的な協力関係を構築し、高インパクトな論文やプレゼンテーションを通じて科学界に貢献する。
・ 技術リーダーシップ
- 量子エラー訂正に取り組む研究者や開発者のチームに技術的な指導、メンタリング、戦略的なガイダンスを提供する。
応募資格
必須条件
・ 量子コンピューティング、物理学、コンピュータサイエンス、数学、電気工学、または関連分野でのPhD取得
・ 5年以上の量子コンピューティングおよび量子エラー訂正の経験
・ デコーディングアルゴリズム、フォールトトレラントな量子論理、およびリソース評価に関する高度な知識
・ 優れた論文業績および技術的なリーダーシップの実績
・ 優れたコミュニケーション能力とチームマネジメントスキル
歓迎条件
・ ハードウェアプラットフォーム(中性原子、トラップドイオン、超伝導量子ビット、フォトニック量子ビットなど)に対するエラー訂正アーキテクチャの設計経験
・ 理論的なQECプロトコルをハードウェアに実装する経験
・ 高性能リアルタイムソフトウェアの知識
・ 大規模な技術チームのリーダーシップ経験
🐢 ウエルの感想
今日も北川さんをコテンラジオさんの番外編ゲストトークで見たんだけど、北川さんは理論も情熱もあって、本当にすごいなあっていつも思います。自分の信じる未来を自信を持って語る姿は、見ているだけで楽しいし、元気をもらえます。さすが、何百億円もする先端技術を企業に提供するという大きな挑戦をされているだけあって、心から自分たちの商品が良いものであると信じているからこそ、あんなふうに力強く語れるんだろうなあ。
そんな北川さんが率いるQuEraで働ける人たちは、きっと最高に優秀で、同じように情熱を持った人たちなんだろうなあ。自分はまだまだ勉強中だけど、いつか自分も、心から信じられるものを胸を張って語れるようになりたいな…!
🔗 応募はこちらから
📝 Head of Quantum Error Correction Architecture – QuEra Computing (Greenhouse)
【🗞️ 量子産業化元年──石破首相が量子コンピューター研究開発拠点を視察(茨城・つくば)】
2025.5.18|
💡 QuEraの量子コンピュータが納入された!
石破総理と武藤経産大臣が産総研、G-QuATの開所式に参加され、北川拓也さんが納入したQuEraの量子コンピュータが紹介されました。これは日本の量子産業にとって大きな一歩です。

石破総理と武藤経産大臣が産総研、G-QuATの開所式に参加され、私は納入させていただいたQuEraの量子コンピュータの説明をさせていただきました。日本の量子産業をこれからも盛り上げていきたいと思います。
ちなみに私は横顔になってしまい、カメラ目線は大事だということを学びました笑
📹 ニュース(NHK) – 量子コンピューター研究開発拠点視察の様子
🔍 背景
茨城県つくば市の産業技術総合研究所に新たに完成した量子技術の研究センターが、2025年夏ごろの運用開始を目指して準備が進められています。石破首相は5月18日、同センターを訪問し、量子コンピューターの商用化に向けた取り組みについて説明を受けました。量子技術は、AIと並び日本の新たな産業の柱と期待されており、経済安全保障上も重要な技術として注目されています。
🗣️ 石破首相のコメント
石破首相は視察後、次のように述べています。
「量子は新しい産業の柱として期待され、経済安全保障上も重要な技術です。今年を『量子産業化元年』と位置づけ、量子技術の産業化を強力に進めてまいります。」
🐢 ウエルの感想
量子コンピューターって、どれくらい速いんだろう?未来のパソコンは、きっと今よりずっと頭が良くて、世界の難しい問題を解決できるかもしれないですね!
それから、ウェルビーイング応援サイトでフォローしている北川拓也さんがNEWSに出ていて、ウエルもなんだか浮かれちゃいました!ICCサミットやインタビューでいつもおもしろいことを教えてくれる人が、こんな大ニュースに登場するのを見ると、自分もがんばらなくちゃって気持ちになります。すごいなあ!
それにしても、北川さんの横顔ってこんなにかっこいいんですね!ニュースを見た視聴者の好感度も、きっとさらに上がっちゃったんじゃないかなあ…笑
【🎶 音楽が心に与える効果とは? 🎶】
2025.5.17|
音楽、歌、そしてウェルビーイング(@ishikun3先生)
ウェルビーイングに効果があるのは何か?成人における音楽と歌のウェルビーイング効果に関する系統的レビュー
今回ご紹介するのは、音楽や歌が成人の主観的ウェルビーイング(SWB)に与える影響を評価した体系的レビューです。この研究は、イギリスのWhat Works Centre for Wellbeingが 経済・社会研究評議会(ESRC)からの支援を受けて実施した4つのレビューのうち、「音楽と歌」 に関する最初のものです。
🎯 研究の背景と目的
・ 背景
音楽や芸術が心の健康に役立つことは広く知られていますが、それを支える科学的エビデンスが求められています。このレビューは、成人における音楽や歌がどのようにウェルビーイングに影響するのかを明らかにすることを目的としています。
*
🔍 研究方法
・ 対象期間
1996年から2016年の間に発表された学術論文
・ データベース
PsychInfo, Medline, ERIC, Arts and Humanities, Social Science and Science Citation Indexes, Scopus, PILOTS, CINAHL
・ 対象外
プロの音楽家を対象にした研究や、痛みの緩和などの医療目的で音楽が使用された研究は除外。ただし、ウェルビーイングを目的とした音楽療法は含む。
・ 検索戦略
以下のようなキーワードを使用
*
📊 主な結果
1. 音楽の効果
・ 若年成人:不安の低減
・ 成人:気分や目的意識の向上
・ 慢性疾患のある人:精神的健康、生活の質、自己認識、対処能力の向上
・ 高齢者:意欲の向上やうつ病リスクの低減
*
2. 特定のグループの課題
・ 認知症患者:研究が少なく、開始時の状態(ベースライン)が高いため効果の測定が難しい
・ マージナル化されたグループ:社会的に少数派や困難な状況にある人々への研究は限られている
・ コミュニティ合唱団:参加者は女性、白人、高学歴の傾向が強い
📝 マージナル化とは?
たとえば、移民や低所得層、少数民族など、社会の主流から外れた状況に置かれている人々
*
3. メタアナリシスの結果
・ 不安:効果は統計的に有意な改善は見られず(SMD -0.21, 95%信頼区間 -0.61〜+0.18)
・ うつ病:有意な改善が確認(SMD -0.43, 95%信頼区間 -0.79〜-0.06)
*
⚠️ 限界と今後の課題
・ 多くの研究が小規模かつ単一サイトで実施されており、結果に偏りがある可能性
・ 長期的な効果を評価する研究が少なく、対照群(比較のためのグループ)を設定するのが難しい場合が多い
*
📌 結論と今後の課題
1. 総合的な評価
・ 音楽や歌は孤立感やうつ病の予防に効果がある可能性があり、特に高齢者には大きなメリットがある
・ ただし、認知症患者や慢性的な健康問題を抱える人々への効果はまだ十分に証明されていない
2. 多様性への対応
・ 性別、人種、社会経済的背景に基づく多様な参加者を対象とした研究が必要
・ 特にベースライン(開始時の状態)が低いグループへの適用が重要
3. 政策と実践への示唆
・ 音楽や歌を取り入れたウェルビーイング支援は有望だが、その効果を最大化するためにはより包括的なアプローチが求められる
*
🐢ウエルの感想
みんなで歌ったり、楽器を弾いたりすると、元気になるってことですね!でも、おばあちゃんやおじいちゃんには特に効果があるみたい。うつにならないように、もっと音楽を楽しみたいですね!
【職場のウェルビーイングにフォーカス】
2025.5.16|
🤷効果的に管理できないものを、効果的に測ることはできません。あなたの組織では、職場のウェルビーイングをどのように測っていますか?
(@OxWellResearch)
👉職場のウェルビーイングが重要な理由
こんにちは!これまで医療・テック系の記事が続いたので、今日は少し視点を変えて『職場のウェルビーイング』にフォーカスしてみましょう。職場は人生の多くを過ごす場所だからこそ、その環境が幸福感に大きな影響を与えます。
今回は、Wellbeing Research CentreのSNSシェアと、ジャン=エマニュエル・ド・ネヴェ教授の動画から、その重要性に迫ってみます。
🎥 ジャン先生の動画の日本語訳:
「この10年以上にわたる本の執筆や研究を通して、私が最も驚いたのは、多くの人が『大切なものは当然測るべき』と考えている一方で、実際に職場のウェルビーイングを測っている企業が非常に限られているという事実です。たとえば、従業員の仕事満足度を測定している企業は全体の約3分の1しかなく、職場での幸福感のようなポジティブな感情を測っている企業はさらに少なく、わずか20%程度。そして、ストレスのようなネガティブな感情に至っては、さらに少数の企業しかその指標を捉えていません。これは、職場のウェルビーイングについて『話すこと』と『実践すること』の間に大きなギャップがあることを示していると感じました。」
職場のウェルビーイングとその主要な要因についての決定版。幸福感、生産性、組織の成功との関係をデータに基づいて新たな視点で探る一冊。ハーバード・ビジネス・レビュー・プレスより出版。
📚 記事の概要
多くの人が人生の約3分の1を職場で過ごしますが、その時間が幸福感にどう影響しているかを把握している企業は実は少ないという現状があります。ジャン=エマニュエル・ド・ネヴェ教授とジョージ・ワード氏は、職場のウェルビーイングがどのように企業の生産性や従業員の幸福感に影響を与えるのかを、膨大なデータを基に明らかにしています。彼らの研究は、働く人々の幸福感が生産性や財務パフォーマンスに与える影響を解き明かし、経営者にとっての必読書となっています。
🐢 ウエルの感想
職場のウェルビーイングって、なんだか難しそうだけど、もしかして「みんなが気持ちよくお仕事できるようにすること」なのかな?
「楽しい」っていうのは、ただ遊ぶみたいなことじゃなくて、「安心できる」とか、「がんばったことがちゃんと伝わる」ってことかも。
ウエルは宿題が片付くまでは本は読めないけど(と言いつつ息抜きに読んでるけど…)、たまに「今日はもうお昼寝してたいなぁ」って思うこともあります。でも、周りに真剣に働いている大人たちがいると、なんだかウエルもがんばろうって気持ちになるんですよね。
それに、公園で友だちと遊んでいると、「みんなで協力して鬼ごっこしよう!」とか、「かくれんぼしよう!」ってなったときに、ちょっとした「チームワーク」や「がんばり」が必要になることもあって、そういうのって、大人の職場でのウェルビーイングにもつながってるのかも。
ウエルが楽しくいられるのは、ウェルビーイングについて考えている人がいる環境を自分で整えられるからかも。そんな大人たちがいてくれることに、心の底から感謝しています。^^
【健康寿命を延ばすための医療改革】累計資金調達額180億円突破/世界的大企業も注目する医療AIベンチャーの挑戦
2025.5.15|

【健康寿命を延ばすための医療改革】累計資金調達額は180億円を突破/世界的大企業も注目する医療AIベンチャーの挑戦/受診のタイミング次第で寿命は大幅に変わる
🔗 PIVOT Podcast
風間正弘先生がシェアされた、Ubie共同創業者・代表取締役の阿部吉倫氏のインタビューをご紹介します。医師としての経験から医療AIベンチャーを立ち上げた背景や、累計180億円の資金調達、適切な医療へのマッチングを目指すユビーの取り組みについて語られています。受診のタイミングが健康寿命に大きな影響を与える現代、「早期発見」と「適切な医療のマッチング」の重要性を改めて考えさせられる内容です。
🚑 医療改革への挑戦:命を救うタイミングの重要性
・ ある46歳女性が夜間に「腰が痛い」と救急外来に来た際の事例(診断:大腸がんの骨転移)から、早期発見・早期治療の重要性を強調。
・ 5年前に異変に気づいていれば、わずか2週間で治療を終え自宅に戻れ、10年生存率は96%だった可能性があったが、発見が遅れると5年生存率が20%以下に低下。
・ 受診のタイミングが寿命を大きく左右する(寿命が80%分変わってくる)ことを実感し、テクノロジーで解決したいと考えた経験がUbie創業のきっかけに。
🛠️ Ubieの使命:医療へのアクセス改革
・ 課題:患者が適切な医療にたどり着くまでの長い道のり。たとえば、遺伝性血管性浮腫(HAE)の診断に平均13.8年かかるケースも。
・ 解決策:AIで適切な診断支援を提供し、患者が迅速に適切な治療にアクセスできる世界を目指す。
・ 実績:月間1,300万人がUbieの診断AIを利用中。Google・日本郵政・NTTドコモ・セブンイレブンなど大手企業と事業提携。医療に困っている方は月間4,000〜5,000万人で、そのうち20〜30%がUbieを活用。
・ 次の目標:AIを通じて患者と医療機関のマッチング精度をさらに向上させ、健康寿命を延ばす。
🌏 医療インフラとしての未来へ
・ 日本だけでなく、医療費が高騰するアメリカ市場にも進出。
・ より多くの人が健康で長生きするために、医療の課題をAIで解決する取り組みを拡大中。
・ 最終目標:誰もが健康に過ごせる社会の実現。
📝 インタビューのハイライト
・ 創業のきっかけ:医師として感じた医療へのアクセスの課題。
・ AI診断の強み:膨大なデータに基づく正確な診断支援。
・ 今後の展望:B2B・B2C両方でのサービス展開、リアルチャネルとの連携強化。
🐢 ウエルの感想
ユビーさんの動画、一回流し見して「ふーん」と思ってたけど、もう一回ちゃんと見たら、早期発見・早期治療って本当に大事だなって気づきました!ウエルはついギリギリまで我慢しちゃうタイプだけど、もし体調が悪くなった時に、すぐに対応できるって安心ですよね。AIが日常にもっと溶け込んで、ユビーさんの診断が当たり前になったら、みんなもっと元気でハツラツとした生活が送れるかも…!こういう仕組みがあれば、もし具合が悪くなっても、早く良くなる方法が見つかるかもしれないし、お友だちも安心して過ごせますね。ウエルもこのあと、ちょっと試してみようかな…!
🔗 症状検索エンジンユビー
【📝 ユビー、累計資金調達額180億円を突破!】
2025.5.14|
【 Press Release 】
創業からの累計資金調達額が180億円を突破(@UbieCorp_JP)
(風間正弘先生シェア)
AIで医療を革新するヘルステックスタートアップ、ユビーが創業からわずか8年で累計資金調達額180億円を突破しました!🎉 テクノロジーで人々を適切な医療に案内するというミッションのもと、今後もさらなるイノベーションに挑みます。
ユビーは2017年の創業からわずか8年で、国内外の主要企業からの支援を受けて180億円もの資金を調達しました。その背景には、AI技術を駆使して生活者一人ひとりの健康寿命を延ばし、医療業界全体を進化させるという強いミッションがあります。💪
🌐 ユビーの主なサービス
1. 症状検索エンジン「ユビー」
月間1,300万人以上が利用する生活者向けアプリ。症状を入力するだけで、適切な医療情報にアクセス可能。
👉 日本版: Ubie
👉 US版: Ubie Health
2. 医療機関向けサービス「ユビーメディカルナビ」
全国1,800以上の医療機関で採用されているAI問診・生成AIを含むパッケージ。
👉 ユビーメディカルナビ
👉 ユビー生成AI
3. 製薬企業向け「ユビー for Pharma」
製薬企業と連携し、疾患・治療啓発情報を提供するプラットフォーム。患者と製薬企業をつなぐ新たな医療エコシステムを構築します。
👉 ユビー for Pharma
*
📝 主要パートナー企業からのコメント
・ 日本郵政キャピタル
「全国ネットワークを通じて、Ubieのサービスをより多くの人々に提供し、健康が自然なものになる社会を実現したい」
・ NTTドコモ
「1億ユーザを超える会員基盤と連携し、新たなユーザ体験を提供」
・ セブン-イレブン・ジャパン
「全国21,600店舗とUbieのAI技術で地域社会の健康意識向上を目指す」
*
📊 ユビーの成長とこれから
2017年の創業から、ユビーは「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」というミッションを掲げ、以下のような成果を達成してきました:
・ 累計資金調達額180億円
・ 月間1,300万人以上のユーザー
・ 1,800以上の医療機関が導入
今後も強力なパートナーシップを活用し、さらなるイノベーションを推進していくとのこと。これからの展開に期待が高まります!🚀
*
🐢 ウエルのひとこと
ユビーさん、おめでとうございます!180億円ってすごいですね!
ウエルにはちょっと想像がつかないけれど、それだけたくさんの人たちが、ユビーさんの医療への取り組みに期待しているってことですよね!🏥🩺
ウエルは病院に行くのがちょっと苦手で、つい足が重くなっちゃうけど、「安心」は誰にとっても大切なものですよね。みんなもそうじゃないかな?ユビーさんって、そんな安心の象徴みたいな場所なんじゃないかと思いました。🌱
「健康が空気のように自然」な社会を目指すって、まさにウェルビーイングな社会ですよね。
ウエルもいつも何かにチャレンジしているけど、「これが最後のチャレンジでも後悔しない」って気持ちでモノづくりをしているんだよね。🌱
いつか振り返ったとき、「ああ、あのとき全力でやってよかったな」って思えるように。みんなはどう思いますか?🙂
【📝 Pydantic AIで分析をもっと身近に──Ubieエンジニアの新たな挑戦】
2025.5.13|
社内デザインシステムを MCPサーバー化したらUI実装爆速になった記事を書きました
@kke1229(Ubieで症状検索エンジンユビー https://ubie.app/ の開発をしている江崎さん)
社内デザインシステムをMCPサーバー化したらUI実装が爆速になった
「社内デザインシステムをMCPサーバー化したらUI実装が爆速になった記事を書きました」という、ユビーエンジニア@kke1229さん(ぐりこさん)の最新記事をご紹介します!
💡 デザインシステムと開発の現状課題
Ubieでは「Ubie Vitals」というデザインシステムに基づいてUIを設計していますが、AIツールにこのシステムの詳細を理解させるのはこれまで大きな課題でした。具体的には以下のような問題があります:
・コンテキストの不足:デザインシステムのPropsやトークン情報がAIに正しく認識されにくい
・効率の課題:プロンプトで詳細なデザイン指示を与える必要があり、効率が低い
・拡張性の限界:複雑なUIコンポーネントや特殊なデザインルールには対応が難しい
🎯 MCPサーバーの登場とUbie UI MCPの構築
この課題を解決するために、ぐりこさんたちはMCP(Model Context Protocol)サーバーの導入を検討。これは、特定の知識領域に特化した情報をAIに効率よく提供する仕組みです。
具体的には、以下のような情報をAIに提供する「Ubie UI MCP」を構築しました:
・Ubie UIのコンポーネント情報
・デザイントークン(文字サイズ、色など)
・アイコン情報
これにより、以下のような大幅な効率化が実現しました:
・⏱️ 時間短縮:従来は手作業で時間がかかっていたUI実装が、テキストベースの指示だけで完了
・💡 理解度向上:AIがデザインルールを正しく理解し、正確なUI生成が可能に
・🔗 拡張性強化:複雑なコンポーネントやユースケースにも対応可能に
📺 実際のデモ
ぐりこさんの実演では、以下のステップでUI実装が自動化されました:
1. Figma MCPからデザイン情報を取得
2. Ubie UI MCPがコンポーネント情報を補完
3. 最終的なUI実装をCursorが生成
結果として、UI実装にかかる時間はわずか1分程度。従来の方法と比べ、劇的な効率化が実現しました。
🚀 今後の展望
この革新的な開発体験をさらに進化させるため、今後は以下の点に注力する予定です:
・🧩 コンポーネントの網羅性向上
・🎯 ユースケースの充実
・⚙️ MCPの応答精度向上
🐢 ウエルのひとこと
MCPサーバーって、AIがUIデザインの“ルール”をしっかり理解するための仕組みなんですね!🖥️✨
たとえば、「青いボタンは重要なアクション」「見出しは大きく、本文は少し小さく」といった決まりごとをAIに教えると、そのルールに沿って素早くデザインを組み立てられるようになるんですね。🎨
ウエルも、もし“ウサギの耳の動き”や“足が速くなるコツ”を教えてくれるAIがあったら、もっと早く走れるようになるかな?🐇💨
でも、こういう仕組みを作るのってすごく難しそう。エンジニアさん、ファイトです!💪🎯
🔗 さらに詳しく知りたい方へ
ぐりこさんの記事はこちらからどうぞ!
👉 社内デザインシステムをMCPサーバー化したらUI実装が爆速になった
【📝 Pydantic AIで分析をもっと身近に──Ubieエンジニアの新たな挑戦】
2025.5.12|
「Pydantic AIで作る!実践Text-to-SQLシステム構築ガイド」を公開しました! 自然言語によるデータ抽出の自動化で、分析業務をどう効率化するのか?具体的なアプローチと実装例を紹介しています。 ぜひご覧ください!@matsu_ryu0323
Pydantic AIで作る!実践Text-to-SQLシステム構築ガイド
こんにちは!今日は、Ubieエンジニアmatsu-ryuさんの新たな取り組みをご紹介します。
🔍 なぜText-to-SQLが重要なのか?
データドリブンな意思決定が重視される昨今、以下のようなデータ抽出の依頼が職場で日常的に発生することはありませんか?
・「先月のカテゴリ別売上トップ3、都道府県別で出せますか?」
・「レビュー評価が星1つの商品のリストと、その商品を買ったユーザーのリストをお願いします。」
けれども、これらの依頼にはいくつかの大きな課題があります。
📏 データ活用の壁
・SQLの壁:分析したい人が必ずしもSQLを書けるわけではありません。そのため、エンジニアに依頼が集中しがちです。
・コミュニケーションの難しさ:依頼内容の微妙なニュアンスを正確にSQLに落とし込むのは手間がかかります。
・見えないコスト:一つ一つは「簡単な依頼」に見えても、積み重なると無視できない工数となり、エンジニアがより付加価値の高い業務に集中する時間を奪ってしまいます。
もちろん、高機能なBIツールも存在しますが、たとえば「購入後に低評価レビューを付けたユーザーが、その前にどんなページを見ていたか」といった、複数テーブルを複雑に(時には時系列で)組み合わせるような分析は、GUI操作だけでは難しい場面も少なくありません。
🌱 「限定的なデータセット」という気づき
そこで、matsu-ryuさんたちはある事実に気づきました。「普段の分析依頼でアクセスするデータベースのテーブルは、実はかなり限定的なのではないか?」と。
たとえばECサイトであれば、注文 (orders)、顧客 (users)、商品 (products)、レビュー (reviews) など、コアとなるテーブルは数十程度かもしれません。
この気づきから、新たな取り組みが始まりました。
💡 AIが考える仕組み:役割分担とツール
matsu-ryuさんたちは、AIが単にSQLを自動生成するだけでなく、人間がデータ分析を行う際の思考プロセスを模倣するように設計しています。これは、以下の4つのステップに分けられます。
1. 仕様を決める – どのデータが必要かを定義する
2. SQLを書く – 必要なテーブルやカラムを特定してクエリを生成する
3. レビューする – クエリが正しいか、安全か、効率的かを確認する
4. 実行する – データベースに対してSQLを実行し、結果を取得する
さらに、各ステップには専用のAIエージェント(ノード)が担当し、ツールを利用して実際のデータベースの状況を確認しながら判断できるように設計されています。
🔧 AIが“考える”ためのツール
このシステムにおける最も重要なツールがBigQueryToolです。これにより、AIは以下のような情報を自ら取得できるようになります。
・テーブル定義の確認 (get_schema):「orders テーブルにはどんなカラムがあるの?」
・実データの確認 (sample_data):「status カラムには具体的にどんな値が入っているの?」
・SQLのテスト実行 (query):「このSQL、構文エラーにならないかな?」
これにより、AIはまるでデータベースに直接アクセスしているかのように振る舞い、より正確で信頼性の高い判断が可能になります。
🐢 ウエルのひとこと
わあ、AIが質問から自動でSQL(データベースから必要な情報を取り出したり、データを追加・更新・削除したりするための特別な“言葉”)を作ってくれるなんて、ちょっと魔法みたい🪄
つまり、データを分析したい人が「この商品の評価が低い理由を教えて」と聞くだけで、AIがデータベースから必要な情報を引っ張ってきてくれるってことなんですね!ウエルも“ウサギの足がはやくなる理由”をデータから教えてくれるAIが欲しいかも…🐇💨
それにしても、エンジニアさんの画面って文字がいっぱいで大変そう…(ウエルだけ?)でも、脳を鍛えるには、ややこしいことに挑戦することが大事なんだって。ファイト…!💪🐢
🗒️ まとめと今後
この取り組みは、単にSQLを書く時間を減らすだけでなく、データに基づいた迅速な意思決定を可能にする一歩です。今後もAIエージェントの進化に期待が高まります。
【📝 AIエージェントでdbt開発を“劇的”に効率化──OKIYUKIさんのProject Rules活用術】
2025.5.11|
Cursor のAIエージェントとProject Rulesを使ってdbt modelの開発の大部分を自動化した話について記事書きました!昨日dbt MCP Serverが公開されたので今後やり方は変わるかもですが放流します。 @okiyuki99
AIエージェントのおかげでdbt開発の大部分を自動化した話|okiyuki
こんにちは!今日は、OKIYUKIさんがシェアした記事「AIエージェントのおかげでdbt開発の大部分を自動化した話」をご紹介します。
🔍 dbtモデル開発の効率化に挑む
SQLを書く以外にも、ファイル規約やドキュメント更新など、定型作業に時間がかかることがありますよね? そんな課題に対して、OKIYUKIさんはAIエージェントで効率化に挑戦しました。
・ファイル規約の遵守
・テスト記述
・ドキュメント更新
・メタデータの定義
これらはSQLの実装そのものではなく、付随するタスクが多く、開発者の負担となることがあります。
🌱 AIエージェントとProject Rulesでの効率化
この課題に対し、OKIYUKIさんはCursor EditorのAgent機能とProject Rulesを組み合わせることで、dbt開発の効率を大幅に向上させることに成功しました。
Agent機能:
・タスクをAIに指示して自動化
・ファイル編集やコマンド実行の支援
・GitHub PR作成の効率化
Project Rules:
・命名規則やコーディング標準の定義
・プロジェクト固有のルール設定
・作業ステップの自動化サポート
この組み合わせにより、事前に設定したルールに従って、AIが自動でdbtモデルを構築し、GitHub PRの作成まで進めることが可能となりました。たとえば、30分のミーティングの間にSQLを渡しておけば、終了後にはCIがすべてパスした状態でDraft PRが用意されているといった効率的な作業が実現しています。
🛠️ 開発ステップの自動化
実際のdbtモデル開発には以下のステップが含まれますが、これらもAIが自動で実行するように設計されています。
1. 📂ファイルテンプレートを作成
2. 📝SQL更新
3. ✅ローカルでdbt runを実行して動作確認
4. 📄メタデータ更新(dbt-osmosis)
5. 🛠️テストとメタデータ追加
6. 📝ドキュメント更新
7. ✅ PR作成とレビュー依頼
このように、一連の作業が自動化されることで、開発者はより本質的なロジック設計に集中できるようになりました。
こうしたルール整備とAIエージェントの組み合わせにより、Ubie 社内のエンジニアからもポジティブな声が届いています。
🐢 ウエルのひとこと
えっ、AIってそんなに頼りになるの?宿題もやさしく直してくれるなら嬉しいな。でも、自分で考えることも大切ですよね!AIと一緒に、もっともっと成長していきたいな
🗒️ まとめと今後
この記事では、dbt model開発におけるCursor EditorのAgent機能とProject Rulesの設定・運用方法が紹介されています。
AIを活用した効率化には、単にルールを設定するだけでなく、日々の改善が欠かせません。
特に、ルールが増えるにつれてコンテキスト(AIが理解する背景情報)が圧縮されてしまう課題もあるため、常に現時点で最も効率的かつ効果的な手法を模索することが重要です。
さらに、投稿直前に発表されたdbt MCP Serverr(dbtモデルの管理や自動化を強化する新しいサーバー機能)により、これまでの運用が大きく変わる可能性もあり、今後の展開にも注目です。
引き続きAIの進化に注目していきましょう!
🔗 詳しくはこちら
AIエージェントやProject Rulesの詳しい設定方法については、OKIYUKIさんのnote記事をご覧ください
【📝 生成AIの構造化出力──フィールドの順番と命名の重要性】
2025.5.10|
生成AIの構造化出力(Structured Output)において、フィールドの順番や命名が重要という記事を書きました。@masa_kazama
生成AIの構造化出力において、フィールドの順番や命名が重要
こんにちは!昨日に続き、今日は風間正弘先生による技術的なトピック、「生成AIの構造化出力(Structured Output)」に関する記事をご紹介します。
🔍 Structured Outputとは?
GeminiやOpenAIでは、生成AIの出力をJSON形式やPython形式のように構造化することが可能です。これにより、データベースへの格納やルールに基づく自動処理が容易になり、実務での活用範囲が広がっています。けれども、その精度にはフィールドの順番や命名が大きく影響を与えることが分かっています。
具体例:電子カルテから病名抽出
ここで、具体的な例として「電子カルテから病名抽出」の流れを見てみましょう。電子カルテのテキストデータから病名を抽出する際も、構造化出力の形式やフィールドの順番が正確な結果に大きく影響します。
フィールドの順番が与える影響
例えば、AIに算数の文章問題を解かせる際、フィールドの順番によって正答率に大きな差が生じることがあります。
パターンA(推論 → 答え){ "reasoning": "<step by step reasoning about the answer>", "answer": "<final answer>" }
パターンB(答え → 推論){ "answer": "<final answer>", "reasoning": "<step by step reasoning about the answer>" }
結果はパターンAが96%の正答率に対し、パターンBは54%にとどまりました。これは、AIが前提となる推論情報を先に出力する方が、より正確な回答に結びつきやすいためです。
構造化出力の裏側
また、Structured Outputの背後には、トークン生成の効率化や文法制約の仕組みが関わっています。これも、正確な出力にとって重要な要素です。
フィールド名が与える影響
フィールド名も精度に大きな影響を与える要素です。例えば、結果を格納するフィールド名を“final_choice”から”answer”に変更しただけで、精度が4.5%から95%に大幅に向上した事例もあります。これは、AIがフィールド名からその内容を理解する際のヒントとして重要な役割を果たすためです。
🔗 さらに詳しく知りたい方へ
構造化出力の仕組みやベストプラクティスについては、風間先生の詳細な解説記事をご覧ください。
🐢 ウエルのひとこと
名前って大事なんですね!@ishikun3先生がシェアされたYAMAPさんの動画で岸先生も「人の名前に、自分の川=マザーリバーを込める」って言っていました(5月3日ニュースレター参照)。AIも、答えの名前をちゃんとつけないと迷っちゃうんですね
🌱 今後の展望
今後、Gemini 2.5やChatGPT o1のような熟考型モデルが進化するにつれ、こうした出力形式の最適化がシステム側で自動化される可能性もあります。実務でStructured Outputを活用している方は、今のうちにフィールドの順番や命名の工夫に注目してみてはいかがでしょうか?
【📝 AIとスライド作成の新時代──Marpで高速に資料作成】
2025.5.9|
「Marpで高速にスライド作成 〜編集可能なパワポ出力〜」という記事を書きました。生成AIの情報編集能力が一段と高まって、情報収集、分析要約、アウトプットまでが、高速になってきていますね。@masa_kazama
Marpで高速にスライド作成 〜編集可能なパワポ出力〜
こんにちは!昨日は、経産省と総務省から発表された『AI事業者ガイドライン』で、Ubieの先進的な取り組みが紹介されたことをご報告しました。
今日はさらに一歩進んだ実践的な活用事例をお届けします。
🔍 Marpの活用事例
・📄 Gemini2.5での高速スライド作成:note記事や学術論文も、Marp形式で簡単にスライド化。
・たとえば、note記事をコピペしてわずか3分で会社のスタイルに沿ったプレゼン資料が作成可能。
・👶 子ども向けスライドも簡単に作成
・難しい技術論文も、生成AIを活用してわかりやすく噛み砕いたスライドに。
・🎨 出力精度とカスタマイズ
・編集可能なパワポ形式や、背景デザインも自由にカスタマイズ可能で、よりプロフェッショナルな仕上がりに。
🌱 今後の展望
情報収集 → 骨子作成 → スライド化
このプロセスがさらに高速化される中、人間が付加価値を提供できる部分に注目が集まっています。
🐢 ウエルのひとこと
スライドって、いつも作るのたいへんそう。でも、AIが手伝ってくれるなら楽しくなりそう!たとえば、風間先生だと講義用に150ページくらいのスライドを作ることもあるんだよ
🔗 詳しくはこちら
Marpに関する風間先生のnote記事はこちらからご覧いただけます。
今後も、AIの進化とウェルビーイングの未来を皆さんと一緒に探求していきましょう
【🗞️ AI事業者ガイドラインにUbieの取り組みが紹介されました】
2025.5.8|
Ubieの生成AIの取り組みが、経産省と総務省から発表された「AI事業者ガイドライン」に紹介されました。@masa_kazama
【 お知らせ 】 経済産業省と総務省から発表された「AI事業者ガイドライン(第1.1版)」にてUbieのAIガバナンスに関する取組みが紹介されました。当社は引き続きヘルスケア業界におけるイノベーションと安心・安全な環境の両立に貢献してまいります。
AI 事業者ガイドライン(第 1.1 版) 別添(付属資料) 令和 7 年 3 月 28 日
こんにちは!今日は、経済産業省と総務省から発表された「AI事業者ガイドライン(第1.1版)」にて、Ubieの生成AIに関する取り組みが紹介されたという嬉しいニュースをお届けします。
🔍 ガイドラインにおけるUbieの役割
Ubieは、医療とAIを結びつけるヘルスケア分野のイノベーターとして、AIの倫理性と安全性に重きを置いたガバナンス体制を構築しています。今回のガイドラインには、以下のようなUbieの取り組みが紹介されています。
・ユーザー中心のAI設計
・患者や医療従事者が安心して利用できるよう、シンプルで使いやすいインターフェースを開発
・直感的な操作性と高い可用性を追求
・データのセキュリティとプライバシー
・個人情報を守るための高度な暗号化とアクセス管理
・データの取り扱いにおける透明性と信頼性を確保
・AIの透明性と説明責任
・AIがどのように意思決定を行っているかを明示
・利用者が理解しやすい形で情報を提供
🌱 安心・安全なAIへの挑戦
Ubieは、ヘルスケア業界におけるAIの普及をリードしながら、その安全性と信頼性も同時に高めることを目指しています。AIが医療現場で正確な診断や治療方針の提案を行うためには、透明性や説明責任が不可欠です。これからも、患者と医療従事者が安心してAIを活用できる環境づくりに取り組んでいくそうです。
🐢 ウエルのひとこと
AIってなんだかすごいですね!でも、ちゃんと説明してくれるのって安心しますね。お医者さんみたいにやさしく教えてくれるAIが増えるといいなあ
🔗 詳しくはこちら
ガイドラインの全文は、経済産業省と総務省の公式サイトでご覧いただけます。
今後もUbieさんの挑戦に注目しながら、皆さんと一緒にAIとウェルビーイングの未来を考えていきましょう
【🧠 人間とAIの新しい関係を探る──Physics of AI Group設立】
AIの仕組みを解明し、より信頼できる未来へ
2025.5.7|
日本語訳:
「哲学という偉大な書物は、数学という言語で書かれている。
もしそれを理解しようとするならば、この言語を知らなければならない。
そうでなければ、暗闇の中をさまようことになる。」
— ガリレオ・ガリレイ

田中ひでのりさんがXで紹介し、北川さんもシェアされていた「Physics of AI Group」。この取り組みは、AIの基本的なメカニズムを解明し、より安全で信頼性の高いAI社会を築くための野心的なプロジェクトです。
NTT Researchが主導するこのグループは、物理学、神経科学、機械学習 の専門家が集まり、AIの哲学と物理学に関する根本的な問いに取り組んでいます。
🌐 公式サイト: PAI Group公式サイト
📄 プレスリリース: プレスリリース
📰 ニュース報道: 関連記事
🔍 田中ひでのり氏のポスト(日本語訳)
AIは私たちの社会と自己を変革しつつあります。
私たちは、この強力な力を制御するハンドルを握っているのです。
しかし、私たちはどんな人間-AI社会を思い描いているのでしょうか?
そして、その未来に安全にたどり着くためには、どうすれば良いのでしょうか?
こうした問いに答えるために、私たちは 「Physics of AI Group」 を立ち上げました。
このグループは、AIの哲学と物理学 に関する根本的な問いに取り組むことを目指しています。
これを実現させてくれた素晴らしい指導者、協力者、友人たちに心から感謝します。
@SuryaGanguli, Venki Murthy, @EkdeepL, @DavidSKrueger, @kyogok, @talia_konkle, @TomerUllman, @fatihdin4en, @MayaOkawa, @Gautam_Reddy_N, @corefpark, @EricBigelow, @LoganGWright1, @takuyakitagawa
そして、ここに挙げきれないほどの仲間たちに。心からの感謝を。
📝 Physics of AI Groupとは?
NTT Researchが発表したこの新しいAI研究グループは、AIのメカニズムを深く理解し、安全で信頼性の高いAIシステムを構築することを目指しています。具体的には以下のようなポイントが含まれます。
NTT、AIの物理学グループと4Kビデオ向けAI推論チップを発表
・ブラックボックスの解明
AIの「ブラックボックス」問題に取り組み、内部メカニズムを明らかにする。
・生物とAIの共通点を探る
人間や動物の脳と人工知能の類似性に注目し、共通の学習メカニズムを理解する。
・データ効率とエネルギー効率の向上
光学コンピューティングや効率的なニューラルネットワーク設計により、AIのエネルギー消費を削減する。
・AIの信頼性と倫理
人間とAIの信頼関係を構築し、より倫理的なAIを実現するための研究。
・共同研究
ハーバード大学、プリンストン大学、スタンフォード大学などとの共同研究を継続。
🚀 今後の展望
1. AIの理解を深める
・AIの学習メカニズムを解明し、内部から倫理や信頼性を組み込む。
2. 物理実験のようなAI研究
・実験物理学の手法を取り入れ、AIの学習過程をステップバイステップで解析。
3. 人間とAIの共存
・信頼性の高いAIシステムを通じて、人間とAIの調和を目指す。
4. 商用化の準備
・2025年度内に、新しいAI推論チップの商用化を計画中。
🐢 ウエルのひとこと
AIって、まだまだ謎が多いんですね!
NTTの研究者さんたちは、人とAIがもっと仲良くなれる未来を目指しているそうです。
人生って、寝る時間以外は仕事の時間が一番長いんだって!だから、お仕事でAIを使う人も、そうでない人も、AIに助けられながら、愛し愛されて生きる──そんな世界が、もうすぐ実現するのかな?(ウエルも、すでにAIにすごく助けられています🐢)
みなさんは、どんなAIの未来を思い描いていますか?
📅 編集後記
AIと人間の関係を考えることは、未来の社会を形作る大切な一歩。
あなたはどんなAI社会を思い描いていますか?
それは、今から私たちが選び取っていくものかもしれません。
【🧠バフェットが語った“生き方”の指針】
2025.5.6|
素晴らしい言葉だらけ!by 北川拓也さん
@kubotamasさんが紹介した「CEO退任するウォーレン・バフェットの金言」より
📸 I’m currently at the Berkshire AGM in Omaha.
I will share the key takeaways with you live.(2024年5月3日)
(現在、オマハのバークシャー年次総会に来ています。ここからリアルタイムで学びをシェアします)
── @QCompounding さんの投稿より
世界的投資家ウォーレン・バフェットさんが語った「人生と投資の金言」。
北川拓也さんも「素晴らしい言葉だらけ!」とシェアされていたこの投稿、
今回はすべての言葉を、カテゴリごとにお届けします。どれかひとつでも、あなたの心に残れば嬉しいです。
*
📉 投資と判断の本質
── 恐怖に打ち勝ち、長期視点で決断する知恵
・今後20年以内に大規模な市場暴落が起こるだろう。その時こそ積極的に投資すべき
・他人が消極的な時に貪欲に。他人が貪欲なときには注意深く
・誰も市場を予測することはできないが、長期的に株式市場が上昇することだけは確かだ
・アメリカに反対の賭けは愚かだ。株式市場は最後には大丈夫になる
・生まれた日ダウは240ポイントだったが今では40,000を超えている。株価は長期的に必ず上昇する
・優れた企業の株式を売ることは、人生で最も悪い間違いの一つだ
・自分に強みがある領域で勝負すること。理解しているものに投資すべき
・競争が激しくない市場や企業を探すべき。企業が小さくなるほど競合環境も緩くなる
・ハイパーインフレで打撃を受ける国や企業には投資をしない
・プライベートエクイティはレバレッジを多用し過ぎで危険だ
・不動産投資は株式投資よりはるかに難しい。多くの人に株式投資の方が優れている
🧭 キャリアと人生の選択
── 何を基準に選び、どう生きるか
・給与ではなく成長機会でキャリアを決めるべき
・成功の秘訣は多くのことに興味を持ち、たくさん読書をすること
・報酬がなくてもやりたい仕事を選ぶべきだ
・素晴らしい人生に必要なのは数回の優れた意思決定だ
・人生には解決不能な問題もある。自らコントロールできる課題に集中しよう
・良い会社を適正な株価で買うことは、適正な会社を優れた価格で買うよりも遥かに良い
❤️ 人間関係と生き方
── 一緒にいる人が、あなた自身をつくる
・人生で最も重要な決断は、誰と結婚するかだ
・人生を劇的に変える出会いがある。素晴らしい人たちに囲まれるよう努めよう
・人は多くの時間を共に過ごす人に似てくる。尊敬する人と時間を過ごそう
⚠️ 感情とリスクへの注意
── 最大の敵は、外ではなく自分の中にいる
・投資家の最大の敵は自分自身だ
・嫉妬と貪欲は、痛い過ちを犯す危険な組み合わせだ
🐢ウエルのひとこと
バフェットさんの言葉って、投資の話なのに、なんだか人生のヒントみたいで、おもしろいですね!
びっくりしたのは、「人は一緒にいる人に似てくる」っていうこと。
たしかに、毎日会う人の言葉やしぐさって、いつのまにかうつってるかも……
でも最近は、それだけじゃなくて、「一緒にいる人によって、自分の好みまで変わってくるかもしれない」とも思うようになりました。
たとえば、昔つくったインフォグラフィック──当時はその“個性”がいいと思っていたけれど、今あらためて見ると、「これはこれでよかったけど、もっと一般的な方が、変な誤解を生まなくていいな」と感じたりして。
きっと、まわりの人や環境が、少しずつ、自分の“美しさ”や“正しさ”の感覚も育ててくれるんですね。
ウエルは、尊敬できる人のそばにいられるよう、努力したいと思いました🐢
あなたは、どんな人と一緒にいて、どんな感覚を育てていきたいですか?
🔚 編集後記
昨日は「三重等価性」、今日は「バフェット氏の金言」──
AIや脳の研究と、投資や人生の話。まったく違うようで、どちらも私たちに問いかけてくるのは、
「どう考え、どう選び、どう生きるか」なのかもしれません。
あなたが、これから大切にしたい選択はなんですか?
【🔄「自然のアルゴリズム」をまねる脳──3つの理論がつながる『三重等価性』とは?】
2025.5.5|

図1|三重等価性の概念図
(下)外界とやりとりしながら動作する神経回路のダイナミックなイメージ。
(左上)外界を“予測”する脳モデル(自由エネルギー原理によるベイズ推論)。脳の中に「世界のしくみ(生成モデル)」があるとされる。
(右上)外界と内部それぞれのチューリングマシンがやりとりする様子。
これら3つの理論的モデルは、一対一で対応する「三重等価性」を持つと考えられる。
-脳知能の三大理論を統合する三重等価性-神経回路は外界のアルゴリズムを自律的に模倣する-(理化学研究所)より
本日は、石川善樹先生がシェアされていた
「学術変革領域研究(A):予測と行動の統一理論の開拓と検証」(@unifiedtheoryjp)さんのポストをご紹介します。
理化学研究所より発表された、脳知能の三大理論を統合する「三重等価性(Triple Equivalence)」に関する注目の論文です。
▶ Takuya Isomura, “Triple equivalence for the emergence of biological intelligence”, Communications Physics, 10.1038/s42005-025-02059-4
🔹思考する脳、行動する体、理解するモデル──それぞれ別々に研究されてきた理論を、「ひとつの視点」でつなぎ合わせようとする試みが紹介されていました。
*
🌀 「ウェルビーイング応援サイト」の原点
編集部はこのニュースを読んで、2023年冬、当サイトを立ち上げたときのことを思い出しました。
きっかけはこの論文:
『ウェルビーイングを能動的推論(自由エネルギー)の観点から提案してみたよ』
(Ryan Smith先生、Lav R. Varshney先生、永山晋先生、風間正弘先生、北川拓也先生、馬奈木俊介先生、石川善樹先生による共著)
この難解な理論を理解しようと、インフォグラフィックにチャレンジし、ついでにサイトも立ち上げたという…思い出深い一歩でした。
『ウェルビーイングを能動的推論(自由エネルギー)の観点から提案してみたよ』(WBサイト版)
自由エネルギーとは何か?
何度勉強してもわからなくて、苦しくて、でもなんとしても納得したくて
ようやく「自分なりに腑に落ちた」と思える一頁が生まれました。それが今につながっています。そのとき勉強させてもらったのが、こちらの動画でした:
🎥【学術変革A統一理論】予測と行動の統一理論の開拓と検証【領域紹介】
皆さんが、今のお仕事や学びに取り組むようになったきっかけは、何だったでしょうか?
*
この論文は、理化学研究所の磯村拓哉ユニットリーダーが発表したもので、脳の神経回路がどのようにして知能を獲得するのかを数学的に解明しようとする研究です。
🧠 研究のねらい
この論文は、理化学研究所の磯村拓哉ユニットリーダーによるもので、脳の神経回路がどのようにして“知能”を獲得するのかを、数学的に解き明かそうとする研究です。
生物の知能を理解するには、次の3つの理論が鍵とされています:
1. 神経回路の力学系:神経細胞の活動を時間とともに変化する“動き”として捉える視点
2. 統計的推論(自由エネルギー原理):脳が外界の情報を予測し、誤差を最小化しようとする理論
3. チューリングマシン:すべての計算を可能にする理論上の計算モデル
これらは従来、別々の領域で研究されてきましたが、磯村氏はこれらが数学的に同等である(三重等価性)ことを示しました。
*
🔁 「三重等価性」ってなに?
磯村氏によれば、以下の3つのモデルが数学的に同じものとみなせるといいます:
・正準神経回路:標準的な構造を持つ神経回路モデル
・変分ベイズ推論:不確かな状況下での情報推測を行う統計的手法
・チューリングマシン:あらゆる計算を理論上実行可能な抽象的装置
つまり──
脳の神経回路は、世界の情報を「推論」し、「計算」する力を持っている。
しかもそれは、外の世界のしくみ(アルゴリズム)を、自分の中に“翻訳”して取り込んでいるかのようです。
たとえば、これは「脳が世界の“しくみ”をまねして、自分の中にミニ・プログラムを育てていく」ようなもの。見えないルールを見抜き、それを“自分のやり方”として覚えてしまうしくみが、自然に働いているのです。
*
🧬 進化と“かしこさ”のつながり
この研究が面白いのは、「進化」と「知能」の関係にも切り込んでいるところ。
神経回路は、まわりの環境を観察し、そこにある“ルール”をまねていくことで、適応的なアルゴリズム(=かしこさ)を自己組織化的に獲得していく──という可能性が示されました。
たとえば、脳が「観察した世界をヒントに、自分の中に“翻訳されたミニ・プログラム”を作っていく」と考えると、とてもイメージしやすくなります。
これは、長い進化の時間のなかで、世界の情報を自分のものにしていく自然なプロセス。知性とは、ある意味で「世界と脳の対話のなかで編まれていくもの」なのかもしれません。
この研究は、「知能とは何か?」という問いに数学で迫りながら、「生きものの知性が、世界とどう関わってきたか?」という詩的で哲学的な視点も含んでいます。
*
🔍 まとめ
本研究は、脳の神経回路がどのようにして知能を獲得し、進化してきたのかを、数学的に描き出す試みです。
それは同時に、人工知能の開発や、知性のあり方そのものへの洞察にもつながるもの。
「脳が世界をどう理解しているか?」を深く考える手がかりになりそうです。
詳細な情報や図表については、理化学研究所の公式発表をご参照ください。
*
🐢ウエルのひとこと
磯村リーダーさんの研究は、いつもすっごくむずかしいけど、ほんとにおもしろいです。「脳の中にコンピューターみたいなしくみがある」って、ちょっとドキドキしませんか?
まわりの世界をよーく見て、「あ、これってこうかも!」って考えて、まねして、かしこくなる──ウエルたちが勉強するときと、なんだか似てるな〜って思いました。
それに、いろんな“かしこさ”の考え方(計算とか予想とか)が、じつはつながってたんだって聞いてびっくり。
ちがう学問が「同じこと言ってた!」ってわかったときって、ワクワクしますよね🐢
【 🌱手のひらの流域──15秒の小さな惑星 】
2025.5.4|
こっさんchさんより
4日間にわたって、山や川、そして流域について考えてきました。
きっと今、あなたの頭の中にも、小さな“地形”が広がっているかもしれません。
そんな今だからこそ、今日は「感じる」ことをテーマに──
北川拓也さんが「いい」とだけコメントを添えてリポストしていた、
こっさんchさんのミニビオトープ動画をご紹介します。
水が流れ、光が反射し、苔がそよぐ。
わずか15秒のなかに、たしかな“自然のリズム”がありました。
*
🐢ウエルのひとこと
プチプラDIY、透明感があって、とってもきれいですね。
北川さんって、きっとすごい世界をたくさん知ってると思うけど、
こういう小さな世界にこそ、ふっと感動することがあるのかもしれません。
高価なDIYよりも、
この“100均でできるミニビオトープ”のほうがびっくりするのって、
「このサイズで、こんな世界が?」っていう驚きがあるからかも。
AIも、人間がやったらふつうのことをやるだけで、
「わあ!」ってなることがありますよね。
きっと、“誰がやったか” や “どう見たか”で、
感動のかたちって変わるんだなって思いました🐢
🧠 明日の予告
明日は、@ishikun3先生が紹介していた、
磯村先生の“三重等価性”に関する脳科学の論文をご紹介します。
自然の記憶がまだ残っているうちに、脳の“意味のネットワーク”を見つめ直してみましょう
【 🗺️「流域」と「名前」の力──“自分の地図”を取り戻すために】
2025.5.3|

3/3 リバーネームをたずさえて生きる|「流域思考」岸由二 × YAMAP 春山慶彦【後編】(YAMAP / ヤマップ)
「あなたの“マザーリバー”は何ですか?」
この問いが、もしかすると未来の“地球とのつながり”の鍵になるかもしれません。
本日は、流域を「生活の地図」として捉える岸由二先生と、「流域地図」の可能性を模索するYAMAP代表・春山慶彦さんによる対談・後編をご紹介します。
*
🌍 地図は道具ではなく、「感覚」だ
岸先生が語る「地図」は、ただの紙やアプリのことではありません。
人が生きる上で育まれる、“母地図(マザーマップ)”のことです。
「地図とは、自分が“どこで生きているのか”を感じるためのもの。
科学じゃなくて、生き物としての人間がもつものです」
この「母地図」は、おそらく10〜13歳頃につくられ、その後の人生を支える“感覚の地盤”になるのだといいます。
*
🧒 小学生に“地球感覚”を育てる──流域教育の挑戦
岸先生は、流域を子どもたちに体感させる教育の重要性を語ります。
たとえば、小学校の場所を流域地図に重ねることで、
「自分は鶴見川の“鼻先”にいるんだ」といった具体的な感覚が芽生える。
🌱「自分の住む場所を、地球の“どこか”として実感する」
このような“地球とのつながり”を感じることが、
将来、森や川を守る判断の力につながるのです。
*
🌊 リバーネーム──宇宙人になった私たちを「地球」に戻す名前
先生が提唱するもう一つのアイデアが「リバーネーム」。
「岸・目黒川・鶴見川・三途川・由二」
人の名前に、自分の川=マザーリバーを込める。
それは、土地との縁を「言葉」で結び直す試みです。
初対面の人たちも、リバーネームで語り合えば
「肩書き」ではなく、「記憶の風景」でつながれる──
それはまさに、地球に根を張る“第二の母語”かもしれません。
📷 流れは、つながっている──日本全体を見わたす流域の姿
国土地理院などの地理データをもとに、東京大学・京都大学が構築した高解像度の「表面流向マップ」。流域のつながりは、水の道筋であると同時に、人々の記憶や暮らしの重なりでもあります。(YAMAPマガジン)
🏞️ 地球とつながる体験──岸先生の“母地図が生まれた日”
最後に、先生が地球とのつながりを最も強く感じた思い出をこう語りました:
「小学4年の時、親友と川をたどって歩いた先で、
山からしか行けなかった池にたどり着いた。
『あ、川と山がつながった…』
そのとき、初めて“地球のかたち”を理解したと思った。
あれが、僕の“母地図”のはじまりだったんです。」
*
🐢 ウエルのひとこと
川の名前をつけるなんて、かっこいい!
ウエルは “ウエル・鶴見川・Being” にしようかな。
“自分の場所”って、地図にも気持ちにもあるんですね。
そう考えると、名前ってすごい──
星空写真家のKAGAYAさんには、なんと「小惑星の名前」があるんだって!
「11949 kagayayutaka」という小さな星が、
地球から4億キロ以上離れた宇宙を回っているらしいです🌌
“地球”も“宇宙”も。
名前をつけることで、私たちは世界とつながれる。
ウエルも、自分の“リバーネーム”を大切にしたくなりました🐢
*
🏕️ あとがき:山歩きは、“地球を歩くこと”かもしれない
山や川を歩くことは、観光ではなく、“地球のかたち”を体で感じなおす時間なのかもしれません。
流域地図、リバーネーム、母地図──
それは、私たちが「どこで、誰と、生きているのか」を
思い出すための、静かでやさしい道具なのだと思います。
今日も読んでくださり、ありがとうございました🌲
📽️ 本対談を紹介してくださったのは、@ishikun3 先生です。
すばらしい流域の思想と教育の可能性を届けてくださり、ありがとうございました!
🌱 写真は、今回の対談に登場するお三方──
YAMAP代表・春山さん(左)と、エンジニアの森脇さん(中央)、地図開発を担ったCTOの樋口さん(右)。
👉 対談全文はこちら(YAMAPマガジン)
【 🌊 川とともに生まれ、流域とともに生きる──鶴見川と小網代の奇跡】
2025.5.2|

2/3 世界のモデルとなる鶴見川の治水対策と、小網代の奇跡|「流域思考」岸由二 × YAMAP 春山慶彦【中編】(YAMAP / ヤマップ)
「僕は“川で生まれた”ってずっと言われて育ったんです」
そう語る岸由二先生は、戦後の大水害とともに生まれ、その後、鶴見川流域に人生のすべてを捧げてきました。今日は、世界でも注目される鶴見川の総合治水と、日本でも希少な“小網代の谷”の全流域保全について、YAMAP代表・春山慶彦さんとの対話をご紹介します。
*
🛠️ 町を守る「総合治水」という挑戦
かつて田畑と雑木林だった鶴見川流域は、60年代以降、急速に市街化。90%がコンクリートに覆われ、雨水が染み込まず、街はたびたび水没しました。1970年代、「このままでは地獄になる」と危機感を抱いたのが、建設省(当時)の官僚・近藤徹さん。彼とともに、現場の視点から治水の未来像を描き出したのが、岸由二先生たちでした。
🌿 森や田んぼを残すことが、最大の治水対策であると認識し、1ヘクタールごとに500トンの水を貯める池をつくる…そんな先進的な取り組みが、日本で初めて制度化されました。
「鶴見川は、今でいう“流域治水”を、40年前にすでにやっていた川なんです」
*
🧭 小網代の谷──“保全”という名の都市計画
もう一つの舞台は、三浦半島の小網代(こあじろ)。ここでは、山から海までつながる貴重な流域がまるごと保全されています。「自然保護」というより、「流域を生かした都市計画」だと岸先生は語ります。
1980年代、ゴルフ場やヨットハーバー開発が予定されていたこの地に対し、岸先生は「代案」として、住宅地や交通網の配置を緻密に流域ごとに再設計。開発全体を否定せず、“ここだけは守るべき”という理詰めの提案により、小網代の谷は、今も生物多様性に富んだ自然が息づく奇跡の場所となっています。
*
🌀「流域」は、生態系でもあり、暮らしの単位でもある
📷 私たちの街も「流域」だった──YAMAP流域地図で見る多摩川
行政区では見えなかった“水のつながり”が、地形とともに立ち上がる。(YAMAPマガジン)
「私たちは、どこから水が来て、どこへ流れていくのかを意識することがあるでしょうか?」
流域とは、単なる地形の区分ではなく、水・生き物・人の暮らしが響き合う単位。
鶴見川や小網代では、流域を「生態系」として読み解き、「生活圏」として設計する試みが行われてきました。けれども、その価値は国内では十分に共有されていないのが現状です。
「大人も子どもも、流域を歩くと、自然に“地球の住み場所”って感じられるんです」
*
🐢ウエルのひとこと
ウエルも、以前は山に登っていて、川を裸足でたどったこともあります。山の水は冷たくて、気持ちよくて、飲めるところもあった気がします。どうして登っていたのかは、いまも分からないけど──
ただ、ゆっくりな足で、一緒に登る人に迷惑をかけたくなくて、がんばっていました。そのときに歩いた道や、見た水のきらめきが、たぶん、それが自分の“母地図”になってるんですね。だから今でも、水の音や川のきらめきに出会うと、少しだけ安心するのかもしれません。
あなたの“川のはじまりの記憶”は、どんな景色ですか?🐢
*
次回は、対談の【後編】へ──“流れ”の先をたどります。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
自然の流れに耳をすませながら、すてきな週末をお迎えください☀️
【🌏 共通の「母地図」をとりもどす──岸由二×YAMAP春山さん対談(前編より)】
2025.5.1|

1/3「流域」で暮らしの感覚を取り戻す|「流域思考」岸由二 × YAMAP 春山慶彦【前編】(YAMAP / ヤマップ)
「いま私たちに必要なのは、“地球に住んでいる”という感覚をとりもどすことなんです」
そう語るのは、「流域思考」の提唱者である岸由二先生(慶應義塾大学名誉教授)。
昨日紹介した《YAMAP流域地図》の開発の背景には、先生のこうした哲学的な視点が深く流れています。
🌊「どこで、誰と暮らすのか」がわからなくなっている
岸先生は、ずっと「人にとって大事なのは“誰とどこに暮らすのか”という感覚だ」と考えてきたそうです。けれども、現代人の多くは「どこに暮らすのか」がよく分からなくなっている、と。
町の名前、行政区画、番地…それらは実感としての「住まい」ではなく、地球の構造と切り離されている。その結果、私たちは地球と“つながっていない”まま、環境問題や災害に立ち向かおうとしています。
*
🗺️ 自分だけの“母地図”をたどって
先生が提唱するのは、だれもが自分のなかに持つ「母地図」という感覚。それは、子どもの頃に歩き回った場所、川や坂、友だちと遊んだ地形の記憶。大地の凹凸と自分の身体が結びついた、その人だけの地図です。
たとえば映画『スタンド・バイ・ミー』のように──
10歳から13歳ごろ、目的もなく仲間と遠くへ歩いた経験が、母地図になることが多いと言います。この「母地図」があるから、人は“どこで生きているか”を実感できる。
*
🌱「Sense of Place」ではなく「Sense of Habitat」
「居場所=プレイス」に“愛着(ラブ)”をくっつければよい、という考え方に対して、岸先生は「ラブはあとからつけられない。暮らしの中で自然と芽生えるものだ」と言います。だから本当に必要なのは、「プレイス感覚」ではなく「ハビタット感覚」──
・プレイス感覚:「ここが自分の居場所だな」と感じる感覚。人間の“気持ち”主体。
・ハビタット感覚:「自分はこの地形・生態系の中に“生きて”いる」感覚。生き物としての自分主体。
🏞 岸先生の文脈での意味
岸由二先生が使う「ハビタット感覚」は、「人間も自然の一部であり、生きる場所=生息地(ハビタット)と向き合う感覚を取り戻そう」という提案です。
現代の都市生活では、“生きている”という実感よりも、“ただそこにいる”という感覚になりがちです。けれども、人は本来、川や丘、風とともに生きる存在──「流域」という地形単位を通して、自分が“自然の一部”であるという感覚=ハビタット感覚を取り戻すことができるのです。
*
🌀 流域という“入れ子構造”の地図
流域は、小さな川の集まりから、やがて大きな海に注がれるまでの「水の旅」の単位。お庭の小さなくぼみも流域、地球全体もまたひとつの流域。
この“ズームできる”ような入れ子構造の地図があれば、私たちは「地球に暮らしている」という感覚を失わずにいられる。それが、気候変動にも向き合うための「共通の母地図」になるのです。
たとえば「これが、異なる土地に暮らす私たちが“同じ地球で生きている”と感じられる感覚=共通の母地図なのです。
*
🐢ウエルのひとこと
川に名前があるみたいに、地図にも“思い出の名前”があるんだなあって思いました。
ウエルにも、お気に入りの小道とか、おしごとのひとと探検した雑木林があって、それが“自分の地図”だったんですね。地球ぜんぶが、つながっている地図だなんて、なんだか…ほっとしますね。
あなたの“自分だけの地図”は、どの川のそばから、どの道の角から、始まっているのでしょう?🐢
*
編集部より
都市で暮らす私たちにとっての“地球とのつながり”とは何でしょう?
明日も、引き続き動画の中編ご紹介予定です。
今日もおつかれさまでした。どうぞ、穏やかな夜をお過ごしください🌙
📷 「流域地図」の原点──開発チームの語らい
YAMAP代表・春山さん(左)と、エンジニアの森脇さん(中央)、地図開発を担ったCTOの樋口さん(右)。自然の中で“地球とのつながり”を語り合う、その姿自体が流域的。
👉 対談全文はこちら(YAMAPマガジン)
【5-7月の新しいページ】
2025.4.30|
🌿5月の新しいページへようこそ!
これから夏に向かう季節、自然のリズムや人とのつながりを感じながら、ウェルビーイングの輪をゆるやかに広げていけたら嬉しいです☀️
(過去3ヶ月分のニュースレターページ👉 2025.2–4)