2026.9月

※最終更新2026.9.11(金)12:23/ 次回更新予定:9/11

このページでは、2026年9月以降のニュースレターを掲載しています。
8月31日以前のニュースレターはこちらをご覧ください。

人間だけが幸せなら、それでいい?
――人と地球のウェルビーイングを一緒に考える「e-co-flourishing」

2026.9.1 │

こんにちは。

9月最初のニュースレターは、少し視野を広げて、「人間と自然のウェルビーイング」について考えてみます。

私たちは普段、「ウェルビーイング」と聞くと、人が幸せであることや、心身ともに良い状態であることを思い浮かべます。

でも、
人間だけが幸せなら、それで「良い社会」といえるのでしょうか?


🌏 人と自然を、別々に考えない

2026年7月、The Lancet Planetary Healthに、オックスフォード大学の研究者らによる新しい枠組みが発表されました。

その名前は、
Ecological-Collective-Flourishing(e-co-flourishing)
です。

この考え方では、人間の flourishing(よく生き、よく育つこと)を、自然の生態系や、そこに存在する人間以外の生命の flourishing と切り離して考えません。

自分たちがよく生きることと、自然もまたよい状態であることを、一緒に目指そう。
それがe-co-flourishingの基本的な発想です。


🌱 「自然は人間のためにある」だけではない

たとえば、緑のある場所を歩いて気分がよくなったとします。

これは、
自然 → 人間のウェルビーイング
という関係です。

でもe-co-flourishingが考える範囲は、そこだけではありません。

人間の活動によって、植物や動物、生態系もまた、よりよい状態になれるだろうか。

つまり、
人間も自然も、ともによくなる関係をつくれないか

と考えます。

研究チームは、気候変動などの生態学的な危機と社会的な危機が重なる現在、人間だけを中心にした従来の「進歩」の考え方には限界があると指摘しています。


🔄 「私」から「私たち」、そして地球へ

昨日まで紹介してきたJan-Emmanuel De Neve教授の対談では、

“I” から “We” へ。
「私」だけでなく、「私たち」へ視点を広げることが、ウェルビーイングのヒントとして語られていました。

e-co-flourishingは、そこからさらに視野を広げます。

私 → 私たち → 私たちが生きる自然や地球へ。

ウェルビーイングは、一人の人間の内側だけにあるものではない。
そんな考え方が、少しずつ広がっているようです。


🐢 ウエルの感想

人間が幸せになるために、自然を大切にするんだと思っていました。

でも、
自然もいっしょに元気になることが、最初から「幸せ」の中に入っている
って考えることもできるんですね。

人間だけじゃなくて、木や海や生き物もいっしょに「いい感じ」だったら、そのほうがいいなあ。


今日の問い
あなたが考える「良い未来」の中に、自然やほかの生き物のウェルビーイングも入っていますか?

明日はもう一歩進んで、
自然は、どのような仕組みで人間のウェルビーイングとつながっているのか?
研究から見てみたいと思います。


📖 今日紹介した研究

Maloney, S., Moore, J., Wilhelm, K., et al. (2026)
“Ecological-collective-flourishing (e-co-flourishing): a framework to guide innovation and research”
The Lancet Planetary Health

研究チームは、人間のflourishingと自然生態系・人間以外の生命のflourishingをともに追求する「e-co-flourishing」の枠組みを提案しています。

9月のニュースレターへようこそ
2026.9.1 │

こんにちは。

9月から、ニュースレターのページを新しくしました。

これまで2ヶ月ごとを目安にページを分けていましたが、1日ごとのニュースレターも少しずつ充実してきて、ページもずいぶん長くなってきました。

そこで、これからは1ヶ月ごとを目安に、新しいページに移っていこうと思います。

読みたい日のニュースレターも、少し見つけやすくなるとうれしいです。

9月も、研究や日々の出来事から、ウェルビーイングについて一緒に考えていきます。

今月も、どうぞよろしくお願いいたします。