平凡な日常が続いていく「ゼロ地点」は、馴染み深く、安心できる場所です。
そこに、ほんの少しだけ “これから” の気配が灯ったら──
Compass 0(コンパス 0)は、そんな未来への そっとした予感をともす場所です。
本ニュースレターは「ウェルビーイングな社会を育てていきたい」という願いから生まれました。
研究者の新しい取り組みや知見を手がかりに、私たちが感じたことや気づきを共有し、日々の暮らしや実践にそっと役立つメモとしてひらいています。
また、ここに集う方々との “あたたかいつながり” を大切にしています。
※ 引用文以外の内容は、執筆者個人の見解であり、特定の機関の公式見解を示すものではありません。
ご感想や気づきがあれば、いつでもお聞かせください。🕊️
※最終更新2025.11.4(火)22:21 / 次回更新:11.5
森の中のウォーキングはなぜ効く?――身体の速度を整える日。
2025.11.4|

自然の中で運動すると、心も体も回復しやすい
25人が1時間ウォーキングを
・自然の中(森・公園)
・都市の中(街)
・屋内(ジム) で行い、効果を比較。
自然環境では:
・リラックス・ポジティブ感情↑
・疲労感↓・運動の楽しさ↑
・また運動したい意欲↑
生理的にも
・コルチゾール(ストレスホルモン)↓
・心拍・HRV(自律神経の回復指標)改善
自然の中での運動は、ストレスを減らし、気分を整え、運動を続けやすくする。
👉グリーンエクササイズの効果を評価する研究:
自然環境と都市・屋内環境における回復性を比較したランダム化比較試験
— @AriyoshiMd
こんにちは。連休明け、少し息を整える火曜日です。
今日は、有好信博先生(ハワイでホスピタリストとして活動中)が紹介していた
「自然の中で運動すると回復しやすい」という研究のお話です。
🍃 自然の中を歩くと、呼吸が戻る
同じ「1時間のウォーキング」でも、
森 と 街 と ジム(室内) では、
心と体の反応がまったく違うという結果がありました。
自然の中を歩くと:
・ 緊張がゆるむ
・ 気持ちが前向きになる
・ 体が「がんばってるぞ」モードから「回復モード」へ切り替わる
・ 「また歩きたい」と思える
これは単なるリラックスではなく、
自律神経そのものが、元のリズムへ戻っていく反応。
自然は、こちらが何もしなくても
「戻ってきていいよ」と言ってくれる場所。
☁️ 今日のテーマ:身体の速度を戻す
日々の動きは、知らず知らず「早送り」になりがちです。
呼吸も、視線も、考えごとも、少しだけ前へ急いでしまう。
だから今日は、
速度を、ゆっくりに戻す日。
歩くのが難しければ、窓から木を見るだけでも大丈夫です。
木々や空の“ゆっくりしたパターン”を見るだけで、
心拍がやさしいリズムへと近づいていきます。
🐢 ウエルのひとこと
たしかに森を歩くと、
ぜんぶゆっくりになる感じがします。
せっかちじゃない世界って、
ちゃんとあるんだなって思う。
そこに、ただ まざるだけでいいんですね。
🌱 今日の問い
「今、自分は早送りになっていないだろうか?」
呼吸が3秒で吸って、3秒で吐けたら、だいじょうぶ。
もしちょっとだけ短かったら、
明日は、自然に帰る日でもいい。
ただ、少しだけ。
少しだけ、帰りにいく。
🍽️ 共食とウェルビーイング|Day3(しめくくり)「“まずは1回”の食卓を、ゆっくり取り戻す」
— 世界幸福度レポート2025 / Chapter 3 より
2025.11.3|

誰かと食べる時間は、幸福とつながりを育む「日常の社会性」。(WHR25_Fig3.11)
こんにちは。
今日は、Day1・Day2を通して見てきた
“共に食べること”と“こころの動き”を、
そっと自分の生活に引き寄せてみる回です。
世界幸福度レポート2025では、
「共に食べる時間は、幸福と社会的つながりの強い指標である」
と示されています。
さらに、共食の回数は「孤独感の低さ」や「誰かに頼れる感覚」とも
強く関連することが報告されています。(図3.19)
そのつながりは、数字にも、あらわれています。
図:共食回数が増えるほど、孤独は減り、社会的支援は高まる。
(Gallup World Poll 2022–2023 / World Happiness Report 2025 図3.19)
🕯️ 小さな気づきから
たとえば最近、
「この人とごはんを食べたいな」と思ったとき、
その相手が、もう会えない人だったことに気づく瞬間があります。
その人と食べた日、話した日の空気だけが、
やさしく残っている。
ごはんは、味だけじゃなくて、
そのとき“生きていた”自分ごと、記憶するんだと思います。
だから、「また誰かと食べる日」は、
いつからでも、ゆっくりでいい。
🍃 一人で食べる日も、ちゃんと大切
一人で食べる時間は、
こころを休めたり、ほどく時間にもなります。
必要な時期は、だれにでもあります。
すでに誰かと囲んでいる食卓がある方は、
その時間が「こころの支え」になっていることを、
そっと思い出してみるだけでも十分です。
それは、とても大切な豊かさです。
だから、無理に「人と食べなきゃ」と思わなくて大丈夫です。
ただ、「誰かと食べたい」と感じる気持ちが戻ってきたとき、
その感覚をやさしく受け取れるようにしておくこと。
🥢 “最初の一回”は、とても小さくていい
・だれかを誘わなくてもいい
・豪華な食卓じゃなくていい
・同じ時間に、同じお茶を飲むだけでもいい
・メッセージ越しに「いただきます」でもいい
時間を分け合うことが、もう「共に食べる」ことです。
小さくて見えないくらいの食卓から、
回復ははじまります。
🐢 ウエルのひとこと
さいしょの一口は、
こころが「ひらく音」なんだと思う。
☕ 今日のやさしい実験(どれか一つでOK)
・ あたたかい飲みものを、誰かと同じ時間に飲んでみる
・ 「またごはん行こうね」と、送ってみる(返事を期待しない)
・ 今日の食事を、すこしだけ丁寧に盛りつけてみる
・ 「いただきます」を、声に出してみる(小声でOK)
強制はしません。
選べる、ゆるやかな提案です。
🌱 おわりに
共に食べることは、
「ちゃんと生きている時間を共有すること」でもあります。
その感覚は、いつだって静かに、戻ってきます。
ゆっくりでいい。
そのままでいい。
あなたの食卓は、いつからでも始められます。
🍽️共食とウェルビーイング Day2|“ひとり飯”25%の時代:なにが起きているのか?
— 世界幸福度レポート2025 / Chapter 3 より
2025.11.2|

「アメリカでは ‘ひとり飯’ が20年で約1.5倍に」(WHR25_Fig3.11)
こんにちは。
今日は、昨日とは少し違う角度から“食べること”を見てみます。
最近、
「なんとなく1人で食べる日が増えたな…」
そんな感覚のある方もいるかもしれません。
アメリカでは、この20年間で
“前日のすべての食事を一人で食べた”人の割合が 約17% → 約26% に増えました。
(World Happiness Report 2025 / 図3.11)
ゆっくり、でも確かに。
食卓は変化しています。
🥣 ひとりで食べること自体は、悪いことではありません。
忙しい日もあるし、
自分だけの時間が心地よい日もあります。
ただ、データが静かに示しているのは:
・ ひとりの日が“続いたり”
・ ひとりが“当たり前”になったりすると、
気持ちが、少しだけふれていきやすいということ。
感情って、大きな揺れよりも、
ゆっくりした積み重なりのほうが、こころにひびきます。
🍵 「あれ、最近どう食べてる?」と、そっと自分に聞いてみる。
ここで、深い答えを出す必要はありません。
「そういえば、最近は…」
と気づくことが、もう十分なやさしさ です。
・最後に誰かと食卓を囲んだのは、いつだっただろう?
・そのとき、どんな空気だった?
・今日、だれかと5分だけでも「同じ時間」を味わえるだろうか?
深追いしないで大丈夫。
ただ、そっと心に置いておくだけ。
🐢 ウエルのひとこと
ウエルはね、ひとりで食べる日もあるけど、
だれかと食べた日のことは、ちゃんと覚えているんです。
ごはんって、こころにも味がつくんだと思う。
🌱 また明日|Day3(しめくくり)
「まず1回、いっしょに食べる」からはじめる実践編をお届けします。
🍽️共食とウェルビーイング Day1|共食 × 幸福:週13回でピーク
— 世界幸福度レポート2025 / Chapter 3 より
2025.11.1|

「誰かと食べること」と幸福感のつながり(世界幸福度レポート2025)/ @OxWellResearch
🍕 他の人と食事をより多く共有している人ほど、平均して人生の評価が高いことがわかっています。
その効果が最も大きかったのは、先週13回の食事を誰かと一緒にした人々で、
平均のライフ評価は 6.1点(10点満点中) でした。
詳しくは #WHR2025 第3章へ👇
「誰かと食事を分け合うこと:共食が幸福と社会的つながりをどのように支えるか」
@OxWellResearch
こんにちは。
今日は 「誰かと食べること」が、どれくらい幸福に影響するのか?というお話です。
世界幸福度レポート(WHR2025)は、142か国の人々の「食事を誰とどれくらい共有しているか」を調べました。
すると、はっきりした傾向が見えてきます。
🍽️ ポイント①:共食は“幸福の強力なドライバー”
「誰かと一緒に食事をする回数」が多いほど、
人生に対する満足度(ライフ評価)が高い。
しかもこの関係は、
所得や失業の有無と同じくらい、
ときにはそれ以上に強いものでした。
「他者と過ごす時間は、心の栄養になる」
あたりまえのようで、見過ごしやすい事実です。
🍷 ポイント②:週13回で「幸福感のピーク」
1週間で「誰かと一緒に食べた食事の回数」を数えると、
“13回”で平均ライフ評価が最大(6.1/10)に。
そして特に大切なのはここです。
・ 「全部ひとり」 → 「1回だけ一緒に食べた」
たった1回の変化でも、
ライフ評価は有意に上昇していました。
「完璧な生活改善」ではなく、
「ほんの1回の共有」で変化がはじまる。
これは、忙しい現代生活にとって、とても希望のある発見です。
🌏 なぜ、今これを考える必要があるのか
SNSやメッセージでのやりとりは増えているのに、
「心が温まるつながり」は、むしろ減っているという
調査結果がいくつかあります。
米国公衆衛生局は2023年、
「孤独は健康にとって喫煙に匹敵するリスク」と指摘しました。
そして、WHR2025でも、
“誰かと食事を共有すること”が
孤独感の低下と強く結びつくことが示されています。
だからこそ:
・人と時間を共有するという“最小単位のつながり”
・それを補助する道具としてのAI
この2つをどう重ねていくかが、これからのウェルビーイングに関わるのかもしれません。
🐢 ウエルのひとこと
ウエルも、たまに友だちとごはんを食べると、
おなかだけじゃなくて、こころもあったかくなります。
いっしょに食べると、じぶんの声がやさしくなるよ。
🍵 今日の小さな実験(無理しないやつ)
・今日か明日、「1回だけ」でいいので
誰かと食卓を分けてみる。
もし難しいときは:
・同じおやつを一緒に食べる
・オンラインで「いただきます」をする
・5分だけ雑談してから食べる
…など、かたちは自由です。
大事なのは、「同じ時間を共有する」こと。
明日は Day2(アメリカ編)
「“ひとり飯”25%の時代:なにが起きているのか?」
をお届けします。
【11–1月の新しいページ】
2025.11.1|
空気が少し冷たくなる季節。
あたたかい灯りを、そっと自分の内側に灯すように。
ここからまた、ゆっくりとウェルビーイングの輪を育てていけたら嬉しいです🕯️
(過去3ヶ月分のニュースレター 👉 2025.8–10)
冬はね、がんばる季節じゃなくて、
ひかりを “ためる” 季節なんだと思います🐢🕯️
